序章2
今より300年前、世界に突如として怪物が現れた。
怪物は全身が真っ黒で人のような姿をしていたがとても生物には見えない。
初めに現れた怪物に人々は大いに恐怖したものの、あまりにも弱かった。
動きは遅く、武器を使えば簡単に倒すことができる。
人を見れば襲いかかってくるもののその動きの遅さは老人でも子供でも簡単に逃げることが出来た。
人々はこの怪物をディゾナルと呼んだ。
ディゾナルは倒されると煙のように消える。そして現れる時も突如として現れる。
学者たちはディゾナルを解明しようとしたがさっぱり分からなかった。
今まで常識が通じず体を構成するモノの正体も分からず仕舞いであった。
ただそれでも人々は誰も気にしなかった。
ディゾナルは人類にとって恐れるべき敵ではなかったからだ。
この時は。
ディゾナルが現れしばらく、人類に超能力者が現れた。
概ね1000人に1人の割合で
この世界にはコードホルダーと呼ばれる特別な能力を持つ人間がおり、人々はその能力をコードと呼んだ。
そして強力なコードホルダーには義務がある。
天照炎はこの春から男子高校生になった普通の少年であった。
彼もコードホルダーであったがその能力は【物を温める】という能力で、決してディゾナルと戦えるような能力ではなかった。
だがディゾナルと戦いたいと思っていた。ディゾナルは彼の家族を奪った敵なのだ。