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7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】〜百年戦争に勝利したフランス王は少年時代を回顧する〜  作者: しんの(C.Clarté)
番外編(連載前〜初期、1話完結の短編とコラム)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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【蛇足】シャルル七世の容姿について

 10月21日(木)から青年期編をスタートします。最後に蛇足です。


 最近、中国・上海在住の方がシャルル七世関連で歴史創作をやっていると知りました。pixivのページを見に行ったら、ありがたいことに日本語併記されていて美しいイラストの数々が……!! 控えめに言って最高です。興奮した!


 詳細は、少し前の活動報告をご参照ください。


▼中国人のフォロワーさんが美麗なシャルル七世を描いてた!

https://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/2871084/


 ひと目見て、美しいイラストに圧倒!

 pixiv経由で個人サイトまで遠征して、中国語を機械翻訳しながら拝見していたら、次のような内容が書かれていました。こ、これってまさか…!



====================

>日本人作家の小説を読んだ

>ヤングアダルト版の続編を制作することになっている

>今のところシャルルとデュノワが多い

====================



 ま、まさか私…? 拙作のことでは……?



====================

>今思うことは、シャルルが一人称であること、トーンが優しいこと、プロットがオリジナルであること、タイミングが良いこと、主人公がかわいいこと、日本語での情報が多いこと。

====================



 シャルルが一人称ですと!

 これで確信しました。拙作「7番目のシャルル」だと断言します。


 なじみのない外国語の小説を読むのは並大抵のことではありません。

 フォーマルな文章ならば機械翻訳で対処できますが、小説のこまかいニュアンス(外国語)を読み取るのはとても難しいのです。

 にも関わらず、一度読んでからさらに別の翻訳アプリで再読しているとか……これが感動しないでいられますか!!


 主人公がかわいいって♡


 勝手ながら「上海の神絵師」と呼び、すっかりファンと化しています。

 ずっと自給自足でしたから、突然の過剰供給に何度キュン死、萌死、尊死(とうとし)したことか! 私はそれほどオタク用語を使いませんが、今ならよくわかります。


▼上海の神絵師のpixivはこちら。

https://www.pixiv.net/users/8515723


 話が脱線しそうなので、ひとまずこの辺で。




***




 上海の神絵師との交流で、知らなかった情報をいくつか知りました。

 そのひとつが、「シャルル七世の容姿」について。


 一般的には、ジャン・フーケ作の肖像画が一番知られています。

 しかし、名画にケチつけるようで申し訳ないですが、個人的に、あの絵はあまり似ていない気がします。


(他の肖像画・彫像と比べると、フーケ作の「シャルル七世」は顔全体が腫れぼったくて浮腫んでいる。晩年の絵だからすでに体調が悪かったのかもしれない)


 上海の神絵師の個人サイトに、複数の記録者による「若かりしシャルル七世」に関する証言が載っていました。文脈から30歳以下と考えられます。(https://renjianxinglu.lofter.com/post/1f604860_1cc04d8dd)


 以下、フランス語原文にDeepL翻訳とGoogle翻訳を併記します。




====================

>Selon l'historiographe de Bourgogne Georges Chastellain, qui eut aussi l'occasion, plus rarement, d'apercevoir Charles VII, il « n'estoit des plus especiaux de son œuvre, car moult estoi linge [mince] et de corpulance maigre, avoit faible fondacion et estrange marche sans porcion ».

====================


▼DeepL翻訳

ブルゴーニュの歴史学者ジョルジュ・シャステラン(Georges Chastellain)は、シャルル七世に会う機会はほとんどなかったが、それによると「私の作品の中で特別な存在ではなかった。彼は非常に痩せていて、体格も痩せていた。基礎が弱く、豚のいない奇妙な歩き方をしていた」。


▼Google翻訳

シャルル七世に会う機会もめったになかったブルゴーニュの歴史学者ジョルジュ・シャステランによると、彼は「彼の仕事の中で最も特別なもののひとつではありませんでした。多くの服[薄い]と薄い体で、土台が弱く、豚のいない不思議な歩き方をします」


 豚は「下品、不潔」の代名詞らしいから、「下品ではないが変わった歩き方をする」といったニュアンスでしょうか。




====================

>Il ajoute qu'il était pâle (« blême ») mais « spécieux assez » [de belle apparence], « parole belle et bien agréable et subtile, non de plus haute oye. En luy logeoit un très beau et gracieux maintien ».

====================


▼DeepL翻訳

また、彼は色白(ブロンド、青ざめた肌色)だが「十分に思慮深い」(容姿端麗、美貌の人)と付け加えて、「話し方が美しく、非常に快活で繊細だが、高いガチョウではない。彼の中には非常に美しく、優雅な立居振る舞いがあった」


▼Google翻訳

彼は、彼は青白い(「淡い」)が、「十分に見栄えがする」[見た目が美しい]と付け加え、「美しく、非常に心地よく、繊細な話し方であり、ガチョウは高くない。彼の中にはとても美しく優雅な態度がありました」


 ガチョウは「やかましい、不恰好、愚鈍」の代名詞らしいから、「やかましい話し方ではない、甲高い声ではない」といったニュアンスでしょうか。




====================

>Pierre de Fenin le dit « mout bel prince et biau parleur à toutes personnes », ce qui est flatteur, mais si l'on admet que ce chroniqueur mourut en 1433, c'est un Charles VII de 30 ans qu'il évoque.

A la même époque, les habitants de Châlons écrivaient à ceux de Reims, pour les convaincre de se rallier à lui, qu'il avait un beau maintien.

====================


▼DeepL翻訳

ピエール・ド・フェニン(Pierre de Fenin)は彼を「立派な王子で、誰とでもよく話す」と評し、これはお世辞にも褒め言葉とは言えないが、この記録者が1433年に亡くなっているとすると、彼が指しているのは30歳のシャルル七世ということになります。

同じ頃、シャロンの住人はランスの住人に手紙を出し、「彼は美しい容姿(立派な態度)をしている」と、彼のもとに集まるよう説得していた。


▼Google翻訳

ピエール・ド・フェニンは彼を「ハンサムな王子であり、すべての人にとって良い話し手である」と言っていますが、これはお世辞で、この記録者が1433年に亡くなったことから、彼が呼び起こすのは30歳のシャルル七世です。

同時に、シャロンの住民はランスの住民に手紙を書き、彼らに彼に加わるよう説得し、彼は良い態度をとっていた。




====================

>Il est probable que Henri Baude qui, dans ses jeunes années, avait suivi le dauphin Louis, eut lui aussi l'occasion de rencontrer Charles VII, ainsi lors de la Praguerie. Son appréciation serait donc un témoignage direct : il « estoit homme de belle forme, estature et bon régime, de complexion sanguine, humble, doux, gracieux et débonnaire, libéral et non prodigue ».

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▼DeepL翻訳

若い頃は王太子ルイ(シャルル七世の兄)に従っていたアンリ・ボード(Henri Baude)も、プラグリーの際などにシャルル七世に会う機会があったのだろう。そのため、彼の評価は直接的な証言となる。彼は「立派な体形と体格(身長)、そして良い食事をし、血色の良い顔立ちで、謙虚で優しく、気品があり、優雅で、浪費家ではなく寛大な人だった」


▼Google翻訳

若い頃に王太子ルイに付き従っていたアンリ・ボードも、シャルル七世に会う機会があったと考えられます。したがって、彼の評価は直接の証言となるでしょう。彼は「体型が良く、身長が高く、食事が良く、血色が良く、謙虚で、優しく、優雅で、気さくで、寛大で、贅沢をしない人でした」




 ——引用と翻訳はここまで。

 最初の証言者は、ブルゴーニュ公に仕える記録者(外交官)ですから、シャルル七世に媚びてお世辞を書くとは考えられません。


 共通するのは、「痩せていて色白で容姿端麗。優雅な佇まいで、誰とでも気さくに話す」


 どう考えても、色素が薄くて華奢なタイプの美青年ッ!!!!


 「歩き方がちょっと変」というのはご愛嬌ですね。

 「豚ではない不思議な歩き方」とは一体どういう……?

 体幹が弱くて足元がおぼつかないのか、背中が丸くて猫背ぎみなのか。


 なお、別のページによれば「金髪で緑の瞳」だそうです。参考までに。







 最後に、シャルル七世のリアル容姿が気になる人向けの参考資料集。

 小説家になろうで画像を掲載するのは手間がかかるため、アルファポリス版へどうぞ。


▼【蛇足】シャルル七世の容姿について(2)

https://www.alphapolis.co.jp/novel/394554938/595255779/episode/5222507


(※)このページ「蛇足編」を更新後、再び完結設定にします。

文庫換算で4冊分。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


7番目のシャルル青年期編(仮題)は、10月21日からスタートします。

シャルル七世即位599周年の記念日です。


◆続編・青年期編「7番目のシャルル、聖女と亡霊の声 〜百年戦争に勝利したフランス王は600年ぶりに復活したので文句を言いたい〜」:https://ncode.syosetu.com/n8607hg/


更新情報は、活動報告とTwitterでお知らせします。


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