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悪の組織に誘拐されて怪人クモ女にされたけどニートだから関係無い。

作者: フユキ

若干、情緒不安定なのが主人公の話です。

あと『怪人』『クモ』要素は一切有りません。

 

◆◆◆◆◆◆◆

 プロローグ

◆◆◆◆◆◆◆



 今年で40歳になるオッさんニートだ。


 親から500円貰って、駄菓子屋でうまい棒10本と適当な御菓子を買った帰り……悪の組織に誘拐されて目が覚めたら怪人クモ女にされていた。


 俺がどうこうなる前に、正義のヒーローが悪の組織を壊滅させた───けどニートなんで、あんま関係無かった。



◆◆◆◆

 好み

◆◆◆◆


 気を失う前───


「オレ、ガッ○ー♡」

「ばか、北○景子さんだろ!?」

「深田恭○は譲れない」


 等々、聞こえていたが……誰の趣味だろう。

 20代後半、やたら乳のでかいクモが混ざった美人さんにされていた。

 ……若い娘の顔なんて見分けつかねえよ。



◆◆◆◆◆

 ネズミ

◆◆◆◆◆


「更に社会復帰し辛い格好になって……ウッ……ウウゥ……」




 母さんが泣いている。

 人間関係の構築に失敗して鬱になり、完治した今も再発が怖くて働けない。

 ───その事は申し訳なく思っているけれど……。




「……だから、悪の組織が悪いんだって。

コレは俺のせいじゃ無いし、仕方ないよ」


「またアンタはそうやって状況に流されて……。

悪の組織をヤッつけたっていう正義のヒーローの人に、何とかして貰えないのかしら?」


「48万かかるって」


「び……微妙にリアルな数字ね」


「正義の組織に入会すれば、一部キャッシュバックされるんだって。

更に知り合いを正義の組織に入会させる度に10%キャッシュバックされて───」


「ソレ、絶対正義の組織じゃ無いわよねっ!??」



◆◆◆◆◆◆◆

 ママカジュ

◆◆◆◆◆◆◆


「うぷっ……何か気持ちワルい……」


「アンタ、それ胸が大っきスギるのよ。

胸のトコだけパツパツだから。

肺や心臓を、圧し潰しているみたいね」


「……つったって、男ン時の服しかないし」


「しょうがないわねぇ。

女性服を買ってきてあげるわ」



「…………。( 虎柄婆シャツ…… )」



◆◆◆◆◆◆◆◆

 駄菓子屋にて

◆◆◆◆◆◆◆◆


 次の日。

 母さん以外で唯一喋れる、駄菓子屋店主とその孫と。




「………………」( 結局着てる )


「婆ちゃんも似た服を着てますよ」


「似合とるよ」


「………………」



◆◆◆◆

 家事

◆◆◆◆


「ほぉ~痛てて……。

スマンが腰をヤッてしもうてのう……店先を掃いてくれんか」


「……しょうがねえなあ」


「ほんとアンタ、こういうのの手際は良いね」


「……で、後は昼飯。

俺の母さんと同じで高血圧なんだろ。

味噌汁の塩分抜いといたからな」


「ほう……コレで?

出汁は何だい?」




「……いや、家事手伝いでもやって下さい」



◆◆◆◆

 再会

◆◆◆◆


「アレ? 君は……」




 うわっ……目の縁だけ赤、後は全身黒タイツの男が話かけてきた。

 ……普通に、街中で。

 変態か。




「オレオレっ!

君を誘拐した組織の」


「ああ、そういや……」




 なお黒タイツではなく、こういう身体との事。

 ……すっ裸?

 やっぱ変態じゃん。




「───いやあ、世の中世知辛いねえ。

正義と悪の闘いなんて、オレたち戦闘員(下っぱ)や君ら被害者を置き去りにして話が進んでっちゃうんだ」


「……はあ。

( 何で俺はココに居るんだ…… )」←喫茶店で奢られた高級パフェを食べながら。




「───で、悪の組織時代のコネを使って小さいけど会社を作ったんだ」


「……はあ。

( 何で俺はココに居るんだ…… )」←イイ感じの夜景を見渡せるレストランで食事しながら。




「……ZZZ」


「…………。

( 何で俺はココに居るんだ…… )」←『キングダム』なる、やたら派手な城の寝し



◆◆◆◆

 報告

◆◆◆◆


「あの……なんか付き合う事になった」


「ぶふッ!?」




 母さんが昼食の冷やし中華を吹く。




「な、なな……だ、誰と!?」


「……って言うか、結婚する事になった。

明日、娘さんを僕に下さいっての……やりに来るから」


「アンタ、昨日駄菓子屋に行ったあと何があったのッ!??」



◆◆◆◆◆

 結婚式

◆◆◆◆◆


 母さんが、父さんの遺影を持って他のお客さんと一緒に参列してる。

 俺は……なんか胸の谷間がちょい出る真っ白い服着て、晒し者になってる。




「……( 何で俺はココに居るんだ…… )」


「( いや、アンタの結婚式でしょ!? )」



◆◆◆◆◆

 御祝儀

◆◆◆◆◆


「あー……ドコの支部も不景気だねー。

御祝儀が現物支給ばっかだよ。

ソレはインド支部のピナーカだって」


「……試しに、空に向けて降ったら空が割れたんだけど」


「ソッチは中国支部の紅葫蘆べにふくべだってさ」


「……かれこれ二時間ぐらい水、入りっぱなしなんだけど」



◆◆◆◆◆◆◆

 身体が重い

◆◆◆◆◆◆◆


「……母さん、俺、ダイエットした方がイイかなぁ?」


「いやいや、流石に自分が妊娠してるって認めなさい!?」



◆◆◆◆◆

 六年後

◆◆◆◆◆


「……二人とも、お弁当」


「「はーい、お母さん!

お父さん、行ってきまーす♡」」


「おお、行ってらっしゃい俺の天使ちゃん達♡」




 一番上の双子姉妹が小学校へ登校するのを見送り、三年前に産まれた長男が幼稚園に通う準備を一年前に産まれた次男を背負いつつする。

 妊娠9カ月の身体で。

 ……産みすぎじゃね?



◆◆◆◆◆◆

 蛙の子は

◆◆◆◆◆◆


 八時間後、15時。




「「ただいま~!」」


「……お帰りなさ───」


「お母さん、見て~♡

『ちきゅうぼーえーぐん』ってのに、『にんめー』されちゃった♡」


「お母さん、私も見て~♡

『まほーのくに』ってのに、『まほーしょうじょ』にされちゃった♡」



 ………ええぇ……?



◆◆◆◆◆◆◆

 エピローグ

◆◆◆◆◆◆◆


「───うん、うん……分かった。

有難うな」




 旦那が「 心当りがある 」と言って何処かに電話してる。




「……昔の組織のツテに聞いたんだけど、『正義のヒーロー』と『宇宙海賊』と『魔界獣』が、三つ巴の末に共倒れだって」


「じゃあ、娘達が変な闘いに巻きこまれる心配は無いんだなっ!?」




変なパワードスーツに包まれた長女と、変なゴスロリっぽい服に包まれた次女。

さっきから、どうやって脱がしたら良いか悩んでる。

( ロックが掛かっている。)




「え~?

アタシ、よく分かんないけど別にやっても良かったかな~?」


「ワタシも~」


「状況に流されてちゃ駄目だろ!?」


「アンタが言うな」




 母さんに怒られた。




「オレの天使ちゃんにッ!?

人を拐って改造とか非常識だろ!?」


「お前が言うな」




 旦那を怒っといた。

 

実は戦闘力は改造された主人公が一番強かったり。

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