第1章 そんないつも
少し実話が入っている、普通の少女の話です。
自分自身が女子高生の時に書きました。17歳の戯言だと思って見てください。
また、声がする。
いつもの音、いつもの時間、いつもの感情
全てを抑えながら
目を閉じる
「ごめん英語訳見して」
頭を支えながら美樹に手を差し出した。
「まーたー?」
ウンザリしたような顔をしているがきっちり書かれたノートを私に貸すために机に出しっぱなしにしている。
「すいませんね」
ノートを受け取ると美樹が私の目元を見て言った。
「また寝不足?」
「えぇ?なんで」
俯きながら笑うと美樹は真剣な顔をした。
「そんなクマ作って。寝不足って言ったのは明だよ」
そう。言った。最近私は寝てないと。授業中寝るのは仕方ないと。
でも…その理由だけは言えずにいた。
「はよーざいまーす!」
真理がお菓子を口いっぱい頬張りながら近づいてくる。
「おはよう」
私達が挨拶すると食べ続けながら言った。
「きーーてよ!昨日田口くんがさぁっ」
いつもの真理の男話だ。1日の最初は必ず男の話をする。私はいつもの通りさっと聞き流した。
学校は 普通。だいたいこの3人でいる。休み時間も移動教室もトイレもいつも一緒だ。
真理は他の子の所にいったり遊んだりもしてる。美樹とは中学生の頃からの友達。真理と違ってサッパリしてるっていうか…いつも一緒にいても違和感がない。女の子の友達はいるみたいだけど男子と話してる所はほとんど見たことがない。
まぁ、私もあんまり話さないが。
「…………そんなトコらしぃ〜」
長ったらしい真理の話が終わった。美樹も内容は聞いてないらしく鈍い返事を返している。2人の気の抜けた顔を見て呆れた調子で言った。
「あー…もっと地味目な感ぢの子の話する?」
…イラつく…
今日も昨日と同じで授業が終わった。
部活へ向かう人、バイトへ急ぐ人、居残る人、それぞれが教室から散っていく。カバンを手に持ち、ただ家に帰る組の私が足早に教室から出ようとすると後ろから声がした。
「早坂、ちょっと」
振り返ると先生が私に手招きしている。
「はい」
返事を返し近寄ると、手袋とゴミ袋を手渡された。
「なんですかこれ」
不満そうな顔で先生を見上げた。少し驚いた表情の先生が
「何って…お前美化委員だろ?」
と言った。
「え…?」
委員会って… …
あぁ!!
「はいそうです美化委員です!」
委員会の仕事なんかしたことがなかったから入っていたことすら忘れていた。
「じゃあよろしく」
1人残された私はどうしたらいいかわからなかった。なにすればいいの?てか、美化委員て男も1人いなかったっけ
なんて考えながらとりあえずゴミ捨て場に行ってみた。ゴミ捨て場には沢山のゴミが積み重なり1人先生が立っていた。