プロローグ
初です、よろしくお願いします。
「逆らえないものは逆らえないもので、まだ毅然として残っているけれど、、」
花を抱えている。
「以前よりは、断然すごし易くなった、と、まあ思う。」
彼は花を抱えている。
広い広い砂漠の真ん中で、蠢く潮騒のような、癖っ毛の男が、、、、
息を吐くように続ける。
「ただ窓の外の色がなぁ、、、君が此処にいたころより、大分シンプルになっちゃった。」
白く焼けた、かつては1つの部屋だった場所に、彼はいた。
正確には白い、窓だけが残った壁、その窓際で、すでに枠しかない窓を撫ぜている。
「でも、まぁ、、久しぶりの、、、なんだろうな、、、まぁいいか、、、。」
窓際に花をおいて、彼は、紅くさざめく酒を取った。
「乾杯。」
彼は花を抱えてる、彼は花を抱えてる
瞳の中には森が棲んでて
頭の上には海がある
肌は土色、体は細い
だけど中身はぐっちゃぐちゃ
しかし花を抱えてる
そんな彼の名はノアの箱舟