No.39 知らせ
ピロリロリン♪
音が鳴った。
絵美の身体が一瞬震えるのが伝わってきたかと思うと、絵美はばっ、と俺を軽く突き放すようにして離れた。唐突な行動に少し驚いて絵美を見ると、顔が涙で一杯で、真っ赤に染まっていた。
「な、なに、この音…」
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
温度のない電子音。
「ああ、これ…」
俺は左手首に着けているオールブレスのボタンを押す。
ホワン、という音と共にオールブレスの宝石部分から立体的な少女の画像が飛び出してきた。
「あ…フォックス?」
『竜青!!御主人様見なかった?』
花輪を付けた金髪の少女は、とても焦っていた。
「え?黄竜?俺は見てないけど…」
『本当?!!』
「うん…」
フォックスのすさまじい勢いに圧倒されながらも応える。
絵美は「御主人様?黄竜君?…」とつぶやいてきょとんとしている。
『え、そんな…』
一気にフォックスの顔が青ざめた。
「なにかあったのか?」
風が吹く。
Tシャツが濡れていたせいでひんやりと感じる。
『御主人様が…御主人様がいないの!!』
「え?!黄竜が?!」
「黄竜君が?!」
「そんな…」
いきなりの知らせに、俺たちは茫然と立ち尽くした。
「ねえ…竜青君…」
口を開いたのは絵美だった。
「…ああ…」
返事はするものの、どうしても曖昧になってしまう。
「いなくなったって…私とか、レオンとかのことと、関係してるのかな?…」
「…レオン?…」
「私の、初めての女の子の親友。
私がVWに来る前の、最後の記憶にいるの…」




