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その10 第9話 男のロマン ビフォーアフター

「てめー、ふらふらすんじゃねえ」

「先輩酔ってます?」

「1升や2升の酒で酔うか、ぼけ」

「やっぱり……」


『メフ』はエジプトで実際有った物で、一応、円の面積の伏線です。

 しかし、改訂する個所がほとんど見つからない。

 これが今の実力か、嬉しさ半分、不安半分……。


 お父様をブルーノに統一しました。


 追加

 よくよく見れば、読者に説教? 削除します、(汗)


 前半が改訂後、後半が改訂前です。

 第9話 男のロマン (改訂後)


『お勉強が出来過ぎないようにする』ってやつがあったろ。

 ばかばかしいと思っていたやつだ。


 きた、きた、きた、算数が来ましたよ。

 へっへっ、してやったり、いきなりの掛け算を即行で1発回答よ。

 案の定、大騒ぎになって笑っちまった。


 飛び出していったアンナは両親を連れてきた。

 カロリーネに続いてブルーノまでだ。

 注目の中、アンナの出す問題をすらすらといてやった。


「さすがはあなたの子です」

 お母様が俺を抱き上げて頬づりする。


「いやいや、カロリーネが頑張って生んでくれたからだ」

 ブルーノが、お母様ごと抱きしめる。


「いいえ、あなたのおかげです」

「いやいや、カロリーネのおかげだとも」


 俺の頭の上で、チュッチュが始まった。

 自分で仕掛けておいて言うのもなんだが、


 「いちゃつくなら他でやれー!」


 近いうちに3人目が出来そうな雰囲気で、正直、勉強習うより疲れた。



 最近のアンは貴族の家系図ばかり持ってきやがる。

 それなりに頭に入る俺もすごいが、スースキ王国中の家系図を持ってくるほどの勢いで、少々食傷気味だ。


 もっとも、俺が嫌そうにするとすぐにお遊びタイムに入るんだが、また持ち出してくる。

 仕方なく付き合っているわけだが、この辺りもアンが優秀なのかもしれない。



「マンガはないの?」

「マンガでございますか?」

「えっと、絵の描いてある本だけど」

「まだ絵本がよろしゅうございますか?」

「いるか、そんなもん」

「はあ」


 おまけに、土木や建築の本はねえんだぞ。

「技術はその家で代々受け継がれるもの」だそうだ。

 木造の2階建てくらい俺でも作れるってのに、構造計算もろくに出来ないもんがえらそうにしてるんじゃねえって話だ。


 よし、この屋敷をじっくり調べるか。


「アン」

「はい」

「この屋敷っていつ建てられたんだ?」

「アイスラー家が使うようになってからでも100年は経ちますので、それ以前かと」

「そんなにたつのか、重要文化財級か」

「重要ですか?」

「いい、こっちの話だ」

「はあ」

 建築史の方は詳しくないが、言われてみりゃ年季が入っている。


 まずは平面図でも引くか。

「アン、大きい紙が欲しい」

「はい、どのくらいの大きさでしょうか?」

「うーん、だいたい2メフ×4メフくらい」(1メフ=0.5メートル)

「取り寄せてみます」

 それまでに、今ある紙で仮図面を引くとして、まずは実測から始めるか。

 これだけ古い家なら、隠し部屋の1つや2つは有る筈だからな。


 ふふふ、男のロマンってやつだぜ。


 そしてあったねえ、隠し部屋が5つも。

 家は2階建て、中央ロビーに2つの階段があり、部屋が左右に分かれている。

 10部屋ずつあり、左半分が俺達家族の部屋、右半分が来客用になっている。


 隠し部屋は、ブルーノの部屋に2つあった。

 その下の階にも同じ場所にあったから、1つはいざという時の脱出用だろう。

 もう1つは不明。

 来客用の部屋にも同じように2つあったが、これも不明。

 不明なのは、情けない話だが開け方が分からん。


 1階、階段横の図書部屋にも有った。

 1人で本を読みたいからとアンを追い出して調べた結果、本棚の1番下、本の裏にレバーがあり、それを倒すと本棚が動く仕掛けがあった。


 何ともクラッシックな仕掛けで笑ったが、地下に続く階段とは嬉しい。

 そして見つけたのが鎧や槍などの武具。

 海賊が使うような宝箱には金貨がぎっしり。


 しかも、しかもだ、武具の類はすべて錆びてボロボロ。

 つまり、100年以上、いやもっとこの部屋が使われていない可能性がある。

 もし使っているなら、大事な武器は手入れをするはずだからな。


 爺さんの家だが、その爺さんも知らない。


 となれば、


 この金貨は誰のもの?


 俺のもの……だよな。


 将来、有効に使わせていただくとしますか。


 ゴッツアンです。



 そうそう、初めてハンクに会った、というより部屋に押し入ったわけだが、かわいいのなんの。


 猿みたいな顔かと思ったら、ちゃんと赤ちゃんだった。

 まあ、あの両親を足して2で割りゃあ可愛いのは当たり前だが、小さい指が生意気なことに5本あるし、指を持たせるとギューってつかむんだぜ。


「アブアブ」

 とかいうし、これはあれだ、お持ち帰り気分ってやつだな。


「ハンク、俺がお兄様だぞ。 お前は俺の弟だぞ」

 顔を覗き込むと、手でペシペシするんだ。


 こいつは強くなる。


 俺はそう確信したね、うん。


****************


 第9話 男のロマン (改訂前)


『お勉強が出来過ぎないようにする』ってやつがあったろ。

 ばかばかしいと思っていたやつだ。


 きた、きた、きた、算数が来たよ。

 へっへっ、してやったり、いきなり掛け算を1発回答よ。

 案の定、大騒ぎになって笑っちまった。


 飛び出していったアンナは両親を連れてきた。

 仕事のシフトは知らないが、カロリーネに続いてブルーノまでだ。

 注目の中、アンナの出す問題をすらすらといてやった。


「さすがは貴方の子です」

 お母様が俺を抱き上げて頬づりする。


「いやいや、カロリーネが頑張って生んでくれたからだ」

 お父様が、お母様ごと抱きしめる。


「いいえ、あなたのおかげです」

「いやいや、カロリーネのおかげだとも」

 俺の頭の上で、チュッチュが始まった。

 自分で仕掛けておいて言うのもなんだが、いちゃつくなら他でやってほしいものだ。

 近いうちに3人目が出来そうな雰囲気で、正直、勉強習うより疲れた。



 最近のアンは貴族の家系図ばかり持ってきやがる。

 それなりに頭に入る俺もすごいが、これも貴族のたしなみってやつなのかもしれない。

 しかし、ローランド王国中の家系図を持ってくるほどの勢いで、少々食傷気味だ。


 もっとも、俺が嫌そうにするとすぐにやめてお遊びタイムに入るんだが、また持ち出してくる。

 仕方なく付き合っているわけだが、この辺りもアンが優秀なのかもしれない。



「マンガはないの?」

「マンガでございますか?」

「えっと、絵の描いてある本だけど」

「まだ絵本がよろしゅうございますか?」

「いるか、そんなもん」

「はあ」


 おまけに、土木や建築の本はねえんだぞ。

 技術はその家で代々受け継がれるもの、だそうだ。

 木造の2階建てくらい俺でも作れるってのに、構造計算もろくに出来ないもんがえらそうにしてるんじゃねえって話だ。


 そうそう、勉強嫌いなやつは、やりたい事を早く決めた方がいいぞ。

 構造計算なってめちゃくちゃ難しいが、やりたい事があると勉強が苦にならんのだ。

 授業中は寝ていたからサインもコサインも知らないが、土木や建築で使う計算はバッチリてなもんだ。




 よし、この屋敷をじっくり調べるか。


「アン」

「はい」

「この屋敷っていつ建てられたんだ?」

「アイスラー家が使うようになってからでも100年は経ちますので、それ以前かと」

「そんなにたつのか、重要文化財級か」

「重要ですか?」

「いい、こっちの話だ」

「はあ」

 建築史の方は詳しくないが、言われてみりゃ年季が入っている。


 まずは平面図でも引くか。

「アン、大きい紙が欲しい」

「はい、どのくらいの大きさでしょうか?」

「うーん、だいたい2メフ×4メフくらい」(1メフ=0.5メートル)

「取り寄せてみます」

 それまでに、今ある紙で仮図面を引くとして、まずは実測から始めるか。

 これだけ古い家なら、隠し部屋の1つや2つは有る筈だからな。


 ふふふ、男のロマンってやつだぜ。


 そしてあったねえ、隠し部屋が5つも。

 家は2階建て、中央ロビーに2つの階段があり、部屋が左右に分かれている。

 10部屋ずつあり、左半分が俺達家族の部屋、右半分が来客用になっている。


 隠し部屋は、お父様の部屋に2つあった。

 その下の階にも同じ場所にあったから、1つはいざという時の脱出用だろう。

 もう1つは不明。

 来客用の部屋にも同じように2つあったが、これも不明。

 不明なのは、情けない話だが開け方が分からん。


 1階、階段横の図書部屋にも有った。

 1人で本を読みたいからとアンを追い出して調べた結果、本棚の1番下、本の裏にレバーがあり、それを倒すと本棚が動く仕掛けがあった。


 何ともクラッシックな仕掛けで笑ったが、地下に続く階段とは嬉しい。

 そして見つけたのが鎧や槍などの武具。

 海賊が使うような宝箱には金貨がぎっしり。


 しかも、しかもだ、武具の類はすべて錆びてボロボロ。

 つまり、100年以上、いやもっとこの部屋が使われていない可能性がある。

 もし使っているなら、大事な武器は手入れをするはずだからな。


 爺さんの家だが、その爺さんも知らない。


 となれば、


 この金貨は誰のもの?


 俺のもの……だよな。


 将来、有効に使わせていただくとしますか。


 ゴッツアンです。




 そうそう、初めてハンクに会った、というより部屋に押し入ったわけだが、かわいいのなんの。


 猿みたいな顔かと思ったら、ちゃんと赤ちゃんだった。

 まあ、あの両親を足して2で割りゃあ可愛いのは当たり前だが、小さい指が生意気に5本あるし、指を持たせるとギューってつかむんだぜ。


「アブアブ」

 とかいうし、これはあれだ、お持ち帰り気分ってやつだな。


「ハンク、俺がお兄様だぞ。 お前は俺の弟だぞ」

 顔を覗き込むと、手でペシペシするんだ。


 こいつは強くなる。


 俺はそう確信したね、うん。


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