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その8 第7話 武術 ビフォーアフター

「どうよ、このファッション感覚」

「す、素晴らしいです親分」

「ぼけ、わしは堅気じゃ」



 年内に改訂作業を終える為には、今からスピードアップしなければならない事に気が付いた。(汗)


 感想をいただいた『朝野りょう』様に感謝です。


 しかし、急いでもこれだけは入れたい吟遊詩人、第2章の伏線です。



 前半が改訂後、後半が改訂前です。

 第7話 武術 (改訂後)


 突然だが、俺はかわいいらしい。

 将来はハンサムになるとか。

 アンナは褒める事しかしないから話半分としても、かなりいい方だろう。

 これで勉強が出来て、喧嘩も強いとなりゃ最強じゃねえか。


 勉強、スポーツ、イケメン、3拍子揃った奴が日本にもいたな。

 出会えば速攻でグーパンかましたくなる嫌な奴だ。

 しかし、それが自分なら話は違う。

 気に入らないという奴は、逆にボコって簀巻きにして川に流してやるさ。


 日本じゃ、警官に会うたびに職務質問される馬鹿で悪人顔の俺が、こっちじゃハーレムもいけるんじゃねえか?

 全く、異世界様様だぜ。





 木刀持っての剣術も始まり、待ってましたって所だ。


 柔道、剣道、合気道は、日本男児のたしなみってやつだが、素人にや使えても実践じゃ無理だろう。

 それより、大○先生直伝の喧嘩空手がどこまで通用するかが楽しみだ。

 今から鍛えてゆけば、ゴッド・ハンドも夢じゃない……かもしれん。


 まあ、そこまでは無理としても、武器が無くても手足が凶器となるのは魅力的だ。

 蹴りで足の骨を折り、手刀で腕の骨を折る。

 鍛えておけばだが、チートなんか無くてもけっこう簡単に折れるもんだぞ。

 拳を潰して平らにするのは大人に成ってからだが、まずは型を体に叩き込むとこから始める。

 体さばきが早けりゃ、それだけで勝てるしな



 剣術の稽古は屋敷内の庭で始まった。

 芝生はなく、雑草も綺麗に刈られている。

 倒れた時にクッションになるんだが、そこまで親切じゃないようだ。

 教えてくれるのは執事のレイダー。


「ルーラァ様、これを振ってみてください、こうです」

 レイダーが素振りの見本を見せてくれるが、ガキの体力じゃ木刀は重すぎて、ビシッと止まらない。


「いいです、お上手ですよ」

 適当な事言いやがって。


「駄目なのにほめるな」

 目を見開いて驚くレイダーを無視して素振りを続けたが、すぐに疲れて座り込んでしまった。


 竹刀が止まらないのは仕方がないにしても、ぶれて真っ直ぐ振れないのは圧倒的に力が足りないからだろう。

 しかも、この世界で使うのは剣だ。

 竹刀が確か510グラム、日本刀で1キロは有った筈だ。


 くそったれが。


「続けるぞ、レイダー」

「はい、ルーラァ様、ではここに打ち込んでください」

 木刀を横に構え、そこに打ち込めと言っている。

 初心者のガキじゃあるまいし、て、そのままだった。


「ヤー、メーン」

 つい、昔のくせでこうなってしまった。


「いいですよ、その掛け声で行きましょう」

 全くレイダーは適当だ。

 だが、この方がやりやすい。


「行くぞ、レイダー」

「はい、ルーラァ様」



「休憩にします、ルーラァ様」

 終わりじゃないんかい。

 心の中で突っ込みを入れたが、とりあえず足を投げ出して座った。


「どうぞ、ルーラァ様」

 アンナが出してくれる冷たいお茶が美味い。

 アンナが出してくれる濡れたタオルが気持ちがいい。


「城兵が使う剣技もあるのですが、どうなさいますか?」

 涼しい顔で立っていたレイダーが聞いてくる。

 さっき休憩って言ったくせに。


「やるに決まってるだろ」

「はい、では準備してまいります」

 くそー、こちとら汗でベタベタだっていうのに、うっすらでもいいから汗をかけってんだ。



 レイダーが持ってきたのは大きな小手と短い木刀だった。


 これは、何やらたいそうな小手で攻撃を受け、短剣で戦う流派らしい。

 立ち位置が空手に似ている。

 左手の小手で攻撃を受けるのだが、1撃受けただけで腕がしびれるほど痛い。

 グッとこらえて反撃するものの、痛くて涙目になってしまう。

 しかも、手加減しているのが丸わかりなのでよけいに悔しい。


 くそー、くそーくそー。


 初日は負け犬の遠吠えで終わった。


 くそー。




 何? 魔法はどうしたって?

 まあまあ、ちょいと聞いてくれ。


 以前、魔族の話をしたろ。

 で、アンナが魔族に詳しい人を連れてきたんだ。

 それが吟遊詩人、ブーログとかいうオッサンだ。

 色々な話をしながら、世界中を旅しているらしい。


 気になる話は色々あったのだが、大事なのは魔法を使える者は嫌われているという事だ。

 ブーログが言うにゃ、感情の押さえが効かない赤ん坊が魔法をぶっ放し、家族ばかりか自分の命まで奪うとか。

 魔力が少ない子も魔物が乗り移ったとされ、悲劇が待っているそうだ。


 何とも物騒な話だが、どうやら魔法を使えることは秘密にした方がいい様だ。

 しかも、このオッサン只者ではない。


「魔族と呼ばれているのは水の魔法を使える人達で、乾燥地帯に住む彼等にとっては喜ぶべきことなのです」


 そう言って、俺の事をじっと見る。


「魔力を持つ者が見ると、相手の体が光って見えるので、魔力を持っているかどうか分かるそうです」


 そう言って、俺の事をじっと見る。


 全く、ヒア汗が出たぜ。

 なぜって、俺にはこのブーログが光って見えていたからだ。

 ブーログも同じだろう。


「ふーん、それって、目を閉じていても分かるのか?」

「そう聞いております」


 実際、目を閉じていても感じる。

 言いたい事は分かったと、俺にしては精いっぱいの切り返しだったが、あっさりかわされた。


「ブーログは敵なのか? それとも味方なのか?」

「ルーラァ様しだいでございます」

「じゃ、味方だ。 何かあったら言ってくるといい、力になるよ」

「ありがとうございます」


 ふー、この世界に来て、こんなに緊張したのは初めてだ。

 こう言う奴こそ味方に欲しいが、子供の俺では相手にもされないだろう。

 まあ、印象は残せたし、いつか会えることを期待しておこう。




 そうだ、忘れていたが弟が生まれた。

 未だ会わせてはもらいないのだが、可愛いらしい。

『テンプレ』だったか、それだと妹が生まれるはずだが、弟で良かった。


 日本じゃかわいい妹がいたんだ。

 んで、近づいてきた野郎をボコボコにしたら、しばらく口をきいてもらえなくてな。

 あれはきつかった。


 あんな思いは2度とごめんだ。


 ほんと、弟で良かった。



****************

 あとがき


 解説、ゴッド・ハンド


 空手家の大山倍達おおやまますたつがコーラの瓶を手刀で切って、ゴッド・ハンドと呼ばれるようになった。


 参照: www.mas-oyama.com/



****************


 第7話 武術 (改訂前)


 突然だが、俺はかわいいらしい。

 将来はハンサムになるとか。

 褒める事しかしないアンナの話だから話半分としても、かなりいい方だろう。

 これで勉強が出来て、しかも喧嘩も強いとなりゃ最強じゃねえか。


 日本にもいた、勉強が出来る癖にスポーツも万能で、おまけにイケメン、出会えば速攻でグーパンかましたくなる嫌なタイプだ。


 しかし、それが自分なら話は違う。

 気に入らないというやつは、逆にボコって簀巻きにして川に流してやるさ。

 日本じゃ、警察に会うたびに職務質問されていた馬鹿で悪人顔の俺が、こっちじゃハーレムもいけるんじゃねえか?

 全く、異世界様様だぜ。





 木刀持っての剣術も始まり、待ってましたって所だ。


 柔道、剣道、合気道は、日本男児のたしなみってやつだが、素人にや使えても実践で使えると思わない方がいいだろうな。


 それより、大○先生直伝の喧嘩空手がどこまで通用するかが楽しみだ。

 今から鍛えてゆけば、コーラの瓶を切るのも夢じゃない、かもしれん。


 まあ、そこまでは無理としても、武器が無くても手足が凶器となるのは魅力的だ。

 蹴りで足の骨を折り、手刀で腕の骨を折る。

 鍛えておけばだが、チートなんか無くてもけっこう簡単に折れるもんだぞ。

 拳を潰して平らにするのは大人に成ってからになるから、まずは型を体に叩き込むとこから始める。

 体さばきが早けりゃ、それだけで勝てるしな。


 まあ、そんなわけで、異世界のゴッドハンド目指すのも悪くねえと思うわけよ。




 魔法はどうしたって?

 まあまあ、ちょいと聞いてくれ。


 魔法はいわば必殺技だろ。

 ウ○トラマンだって必殺技は最後に使うし、絵本の魔道師様も1人じゃ勝てない。


 魔法しか使えないと魔法に頼る事になる。

 大局を見て、使いこなしてこそ大きな勝利が転がり込むってもんだ。


 とか何とかもっともらしい事を言ってるが、本音は、最後にカッコ良く魔法で決めたいと、まあそう言う事だ。


 それに、魔法は殺傷能力が高すぎて人に使うのは難しい。

 ウオーターで水浸しにしたり、地面を凍らせて転ばせてみたり。

 ようはいたずらにしか使えんということだ。

 こっそり稽古はしているが、宝の持ち腐れ状態だ。

 やっぱ、アイスラーに行って思いっきり暴れてみたいよな。




 剣術の稽古は屋敷内の庭で始まった。

 芝生はなく、雑草も綺麗に刈られている。

 倒れた時にクッションになるんだが、そこまで親切じゃないようだ。

 教えてくれるのは執事のレイダー。


「ルーラァ様、これを振ってみてください、こうです」

 レイダーが素振りの見本を見せてくれるが、ガキの体力じゃ木刀は重すぎて、ビシッと止まらない。


「いいです、お上手ですよ」

 適当な事言いやがって。


「駄目なのにほめるな」

 目を見開いて驚くレイダーを無視して素振りを続けたが、すぐに疲れて座り込んでしまった。


 竹刀が止まらないのは仕方がないにしても、ぶれて真っ直ぐ振れないのは圧倒的に力が足りないからだろう。

 しかも、この世界で使うのは剣だ。

 竹刀が確か510グラム、日本刀で1キロは有った筈だ。


 くそったれが。


「続けるぞ、レイダー」

「はい、ルーラァ様、ではここに打ち込んでください」

 木刀を横に構え、そこに打ち込めと言っている。

 初心者のガキじゃあるまいし、て、そのままだった。


「ヤー、メーン」

 つい、昔のくせでこうなってしまった。


「いいですよ、その掛け声で行きましょう」

 全くレイダーは適当だ。

 だが、この方がやりやすい。


「行くぞ、レイダー」

「はい、ルーラァ様」





「休憩にしますルーラァ様」

 終わりじゃないんかい。

 心の中で突っ込みを入れたが、とりあえず足を投げ出して座った。


「どうぞ、ルーラァ様」

 アンナが出してくれる冷たいお茶が美味い。

 アンナが出してくれる濡れたタオルが気持ちがいい。


「城兵が使う剣技もあるのですが、どうなさいますか?」

 涼しい顔で立っていたレイダーが聞いてくる。


 さっき休憩って言ったくせに。

「やるに決まってるだろ」

「はい、では準備してまいります」

 くそー、こちとら汗でベタベタだっていうのに、うっすらでもいいから汗をかけってんだ。



 レイダーが持ってきたのは大きな小手と短い木刀だった。


 これは、何やらたいそうな小手で攻撃を受け、短剣で戦う流派らしい。

 立ち位置が空手に似ている。

 左手の小手で攻撃を受けるのだが、1撃受けただけで腕がしびれるほど痛い。

 グッとこらえて反撃するものの、痛くて涙目になってしまう。

 しかも、手加減しているのが丸わかりなのでよけいに悔しい。


 くそー、くそーくそー。


 初日は負け犬の遠吠えで終わった。


 くそー。




 そうだ、忘れていたが弟が生まれた。

 未だ会わせてはもらいないのだが、可愛いらしい。

『テンプレ』だったか、それだと妹が生まれるはずだが、弟で良かった。


 日本じゃかわいい妹がいたんだ。

 んで、近づいてきた野郎をボコボコにしたら、しばらく口をきいてもらえなくてな。

 あれはきつかった。


 あんな思いは2度とごめんだ。


 ほんと、弟で良かった。

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