その7 第6話 魔法 ビフォーアフター
「見舞いに花でも買うか」
「それは仏花ですが」
「だからいいんだ」
「…………」
なんとか軌道に乗って来たので、ビフォーアフターのみでいきます。
1週間後までに気が付いた箇所は修正します。
改めて読んでみると、しつこい気がします。
とりあえず、ばっさり切ってみました。
前半が改訂後、後半が改訂前です。
第6話 魔法 (改訂後)
「アン、絵本読んで」
「はい、ルーラァ様」
アンナは赤毛だが水色の瞳がきれいだ。
なに、俺だって人を褒める事くらいある……美人限定だが。
そう言えば、けっこういい線いっているな。
俺の発情期まで何年あるんだろう、10年もしたらアンナはおばさんになるじゃねえか、もったいねえな。
アンナは俺が見安い様に本を持ち、優しい声で読む。
「アン、文字を指でなぞりながら、もっとゆっくり読んで」
「はい、えっと、もしかして、文字を覚えようとなさっていますか?」
「お話は覚えたのに、字が分からない」
「かしこまりました。 それでは、同じところを何回か繰り返しながらお読みしましょうか?」
「うん、それがいい」
俺はある事に気が付いた。
お話の内容は昔話やファンタジーなのだが、ここがそのファンタジーの世界だって事だ。
つまり、日本でいう童話ではなく実話、絵本で一般常識を覚えさせているという事さ。
さすがはアンだが、文字まで覚えようという俺はもっとお利口さんだ。
その中で出てきたのが、魔道師様だ。
スースキ王国が建国された時に、国王と共に活躍したとある。
興奮を必死で押さえてアンに聞いた。
「アン、魔王師様って何?」
「魔道師様は魔法を使って王を守ったり、敵をやっつけたりする人です」
「魔法って何?」
「人に出来ない不思議な事をする力です」
おいおい、早い話が知らないのかよ。
「ふーん。 魔法はどうやって使うの?」
「魔法は魔道師様しか使えません」
「じゃ、魔道師様を呼んで習おう」
「魔道師様はおひとりだけ、今はもういらっしゃいません」
「なーんだ、つまんない」
しけてんなー。
せっかくの異世界だってのに、魔法無しかよ。
まあ、頭は大人で体は子供っていうテレビもあったし、それでなんとかするしかないか。
「ルーラァ様?」
「ああ、魔法というのを見てみたかったんだ。 無理ならいい」
「それでしたら、王都の南には魔族が住んでいると聞いたことがあります」
「ほんとう?」
やっぱりいたか魔族。
たしかドワーフは鍛冶屋、魔法はエルフそうエルフだ。
「魔族って、耳がこう、兎みたいになってる?」
「いいえ、背は高いと聞きましたが」
「じゃ、すごい長生きだとか?」
「いいえ、普通の人ですよ」
なんか、微妙に違うな。
「じゃ、何で魔族と呼ばれるの?」
「はい、王都の南はテネスの町まで乾燥地帯が続いておりますが、魔法で飲み水を出すことが出来るので生きていけるのだそうですよ」
「そっか、まあいいや、魔族の人に会いたい」
「魔族は乾燥地帯から出てこないそうです。 それに、とても気が荒く馬車を襲ったりすることもあるとか」
「つまり、無理なのか。 分かった、魔道師様に関する本はもうないの?」
「探してまいります」
アンが部屋を出て行った。
結局駄目みたいだが、まあいい、大人に成ってからのお楽しみとしておこう。
しかし、飲み水ね、試してみるか。
「指先に水」
おお、出るじゃねえか。
あわてて口に含むが、うま、く、ない……生ぬるい。
「指先に冷たい水」
おお、うまい。
「指先に火」
種火のほうはばっちりだ。
アンが帰ってきたから、今日はここまで。
しかし、やっと異世界らしくなってきた。
魔道師様か……悪くねえな。
****************
第6話 魔法 (改訂前)
何年たったかなんて分からねえが、毎日が楽しくてしょうがない。
「アン、絵本読んで」
「はい、ルーラァ様」
アンナは赤毛だが水色の瞳がきれいだ。
なに、俺だって人を褒める事くらいある……美人限定だが。
そう言えば、けっこういい線いっているな。
俺の発情期まで何年あるんだろう、10年もしたらアンナはおばさんになるじゃねえか、もったいねえな。
アンナは俺が見安い様に本を持ち、優しい声で読む。
「アン、文字を指でなぞりながら、もっとゆっくり読んで」
「はい、えっと、もしかして、文字を覚えようとなさっていますか?」
「お話は覚えたから全部言えるのにさ、字が分からないんだ」
「かしこまりました。 それでは、同じところを何回か繰り返しながらお読みしましょうか?」
「うん、それがいい」
こんな感じで文字を覚え始めたが、子供の頭ってのは良く出来ているというのか覚えるのが早い。
1度聞いただけでだいたい覚えるなんて、俺の方が驚いたくらいだ。
日本じゃ、馬鹿と阿呆を足して2で割った感じだったが、ここじゃ、お利口さんでいけるんじゃねえかな。
そして、お利口な俺はある事に気が付いた。
お話の内容は昔話やファンタジーなのだが、ここがそのファンタジーの世界だって事だ。
つまり、日本でいう童話ではなく実話、絵本で一般常識を覚えさせているという事さ。
さすがはアンだが、文字まで覚えようという俺はもっとお利口さんだ。
1階に図書部屋があって、本がぎっしり詰まっている。
本棚と通路しかない感じの部屋で、何所に何があるのかさっぱりだ。
アンがそこから絵本を持ってくるのだが、絵本だけでもたくさん有り、俺が内容を覚えたと思うと次を持ってくる。
その中で出てきたのが、魔道師様だ。
ローランド王国が建国された時に、国王と共に活躍したとある。
興奮を必死で押さえてアンに聞いた。
「アン、魔王師様って何?」
「魔道師様は魔法を使って王を守ったり、敵をやっつけたりする人です」
「魔法って何?」
「人に出来ない不思議な事をする力です」
おいおい、早い話が知らないのかよ。
「ふーん。 魔法はどうやって使うの?」
「魔法は魔道師様しか使えません」
「じゃ、魔道師様を呼んで習おう」
「魔道師様はおひとりだけ、今はもういらっしゃいません」
「なーんだ、つまんない」
しけてんなー。
せっかくの異世界だってのに、魔法無しかよ。
まあ、頭は大人で体は子供っていうテレビもあったし、それでなんとかするしかないか。
「ルーラァ様?」
「ああ、魔法というのを見てみたかったんだ。 無理ならいい」
「それでしたら、王都の南には魔族が住んでいると聞いたことがあります」
「ほんとう?」
やっぱりいたか魔族。
たしかドワーフは鍛冶屋、魔法はエルフそうエルフだ。
「魔族って、耳がこう、兎みたいになってる?」
「いいえ、背は高いと聞きましたが」
「じゃ、すごい長生きだとか?」
「いいえ、普通の人ですよ」
なんか、微妙に違うな。
「じゃ、何で魔族と呼ばれるの?」
「はい、王都の南はテネスの町まで乾燥地帯が続いておりますが、魔法で飲み水を出すことが出来るので生きていけるのだそうですよ」
「そっか、まあいいや、魔族の人に会いたい」
「魔族は乾燥地帯から出てこないそうです。 それに、とても気が荒く馬車を襲ったりすることもあるとか」
「つまり、無理なのか。 分かった、魔道師様に関する本はもうないの?」
「探してまいります」
アンが部屋を出て行った。
結局駄目みたいだが、まあいい、大人に成ってからのお楽しみとしておこう。
しかし、飲み水ね、試してみるか。
「指先に水」
おお、出るじゃねえか。
あわてて口に含むが、うま、く、ない……生ぬるい。
「指先に冷たい水」
おお、うまい。
「指先に火」
種火のほうはばっちりだ。
アンが帰ってきたから、今日はここまで。
しかし、やっと異世界らしくなってきた。
魔道師様か……悪くねえな。