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white snow  作者:
Kazuya Saiki (a preface)
8/60

someday shining star will fail.

早く女の子を出したいです(T_T)


 砂漠に生きる人間は生きていることに誇りを持っている。

 瓦礫の中で生きる人間は、すでに生きることを諦めていた。

 「なぜ戦争が起こってしまったんか。それが分かれば、戦争なんて起こらんわ」

 マイクは愛用の銃を点検をしながら淡々と言う。

 「いつ日本に来たんだい?」

 彼がアメリカから電話をかけてきたのは、そう前のことでないはずだ。彼は一瞬だけ顔を上げ、「ここは寒い国やな」と言った。僕の質問には答えなかった。

 「冬だから」

 僕は、彼の独白とも言える言葉に対して答えた。けれど、寒い理由はそれだけではないことを僕は知っている。

 かつての日本は温暖化が進んでいた。今は違う。まるで氷河期のようだ。秋でも春でも、夏でさえ寒い。なぜか。空全体が雲に覆われているからだ。青空なんて、滅多に拝めるものではない。

 「神は俺らを見捨てたんか?」

 誰に言うわけでもなく、聖書か何かに出てきそうな台詞を彼は口にした。僕は答えなかった。








 星はわらう。雲の上から下界を見下ろし、愉快げに笑っている―――。





 「星は笑わないぜ」





 そう言って、斉木は俺の隣に腰を下ろした。夜の石階段はやけに冷たい。

 俺は時計を見た。午後十時。砲弾の音がうるさくて寝れやしない。こうしたストレスが溜まって人々は壊れていったんだろうな。

 「彼らは笑うんじゃなくて、見向きもしないのさ」

 眠気など微塵にも感じさせず、斉木はとうとうと語った。何を分かったようなことを、と俺は言う。すると、斉木はわざとらしく肩を竦めて「全てを分かっている人なんていないよ。神様ぐらいだ」。

 「神なんていない」

 「ああ、確かに。信じていないのなら、神はいない。けれど彼は信じているみたいだよ」

 「彼?」

 「あそこにいるじゃないか」

 斉木は瓦礫の山を指した。目を凝らして見ると、そこには確かに人がいた。俺の知り合いだった。いや、ここは『俺たち』と言うべきか。

 「神を信じる三流ミュージシャンか。奴にはお似合いだな」

 「俺もおのが一流だとは思てへんわ。けどな、せめて三流ミュージシャンやのうてアイドル言うてくれへん? 自分で言うのもなんやけど、これでも母国で売れとるんやで」

 いつの間に来たのか。マイクは不機嫌を露わにして目の前に立っていた。

 「相変わらずの地獄耳だな」

 「ジゴクミミ?」

 どうやら聞いたことがないらしい。面倒なことになりそうだったので、放っておいた。明日は早くここを出るつもりだったので、半ば強引にでも寝なければ身が持たない。何しろ、明日行く場所は―――。

 「あんた、若いのに中身はじいさんやもんな。先に寝とっていいで」

 「『じいさん』は余計だ」

 「いでっ!! 何すんねん!?」

 明日行く場所は、戦場だ。

 








 

 

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