someday shining star will fail.
早く女の子を出したいです(T_T)
砂漠に生きる人間は生きていることに誇りを持っている。
瓦礫の中で生きる人間は、すでに生きることを諦めていた。
「なぜ戦争が起こってしまったんか。それが分かれば、戦争なんて起こらんわ」
マイクは愛用の銃を点検をしながら淡々と言う。
「いつ日本に来たんだい?」
彼がアメリカから電話をかけてきたのは、そう前のことでないはずだ。彼は一瞬だけ顔を上げ、「ここは寒い国やな」と言った。僕の質問には答えなかった。
「冬だから」
僕は、彼の独白とも言える言葉に対して答えた。けれど、寒い理由はそれだけではないことを僕は知っている。
かつての日本は温暖化が進んでいた。今は違う。まるで氷河期のようだ。秋でも春でも、夏でさえ寒い。なぜか。空全体が雲に覆われているからだ。青空なんて、滅多に拝めるものではない。
「神は俺らを見捨てたんか?」
誰に言うわけでもなく、聖書か何かに出てきそうな台詞を彼は口にした。僕は答えなかった。
星は嗤う。雲の上から下界を見下ろし、愉快げに笑っている―――。
「星は笑わないぜ」
そう言って、斉木は俺の隣に腰を下ろした。夜の石階段はやけに冷たい。
俺は時計を見た。午後十時。砲弾の音がうるさくて寝れやしない。こうしたストレスが溜まって人々は壊れていったんだろうな。
「彼らは笑うんじゃなくて、見向きもしないのさ」
眠気など微塵にも感じさせず、斉木はとうとうと語った。何を分かったようなことを、と俺は言う。すると、斉木はわざとらしく肩を竦めて「全てを分かっている人なんていないよ。神様ぐらいだ」。
「神なんていない」
「ああ、確かに。信じていないのなら、神はいない。けれど彼は信じているみたいだよ」
「彼?」
「あそこにいるじゃないか」
斉木は瓦礫の山を指した。目を凝らして見ると、そこには確かに人がいた。俺の知り合いだった。いや、ここは『俺たち』と言うべきか。
「神を信じる三流ミュージシャンか。奴にはお似合いだな」
「俺も己が一流だとは思てへんわ。けどな、せめて三流ミュージシャンやのうてアイドル言うてくれへん? 自分で言うのもなんやけど、これでも母国で売れとるんやで」
いつの間に来たのか。マイクは不機嫌を露わにして目の前に立っていた。
「相変わらずの地獄耳だな」
「ジゴクミミ?」
どうやら聞いたことがないらしい。面倒なことになりそうだったので、放っておいた。明日は早くここを出るつもりだったので、半ば強引にでも寝なければ身が持たない。何しろ、明日行く場所は―――。
「あんた、若いのに中身はじいさんやもんな。先に寝とっていいで」
「『じいさん』は余計だ」
「いでっ!! 何すんねん!?」
明日行く場所は、戦場だ。




