表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
white snow  作者:
dreamy
49/60

make up

…と言いつつも、サクラの出番が全然ない回になってしまいました。


 「こっちはノルマクリアだぜ!」

 ヒバリはピースサインを前に突き出した。レイチェルたちもどうやらノルマをクリアしていたらしく、目の前に気絶した罪人がお縄となって転がっている。

 「何だ、もう終わっちまったのか。せっかく俺が手伝ってやろうと思ったのになぁ」

 ヒバリは余裕綽々のすばるを見て残念そうに肩を竦めた。彼はヒバリの言葉を軽く受け流した。どうでもいいと言うような感じだった。ヒバリは珍しくもため息をついて「まったく、前世とか記憶とか俺には意味が分からないよ。記憶が戻った兄さんは、まるで別人みたいだ」

 「そうか?」

 「そうだよ。言葉遣いからして前と全然違うって」ヒバリは口を尖らせて言う。

 「どうだっていいでしょう、そんなことは」

 突き放すように言ったのはレイチェルだった。

 「ゼロの……兄さんの何が変わったって、あなたには関係ないことよ。何も思い出せないくせに―――」

 ヒバリはむっとして言い返す。

 「何も思い出せない? 何だよそれ、意味分かんねえよ。最近のお前、おかしいぜ」

 レイチェルは首を横に振り、悲しげな表情を彼に向けた。

 「違うわ……! おかしいのはあなたの方なのよ! どうして何も思い出さないの? どうして『私たち』のことを憶えていないの? 何で思い出そうともしないのよ!! これじゃあまりにも……」





 ―――何だ? 今、何て言った? それに俺は……。





 「言い過ぎだ」

 怒っている―――ように見える―――彼女に、諭すように声をかけたのは兄さんだった。

 「でもっ」

 「ヒバリも悪気があって言ったわけじゃない。そうだろう?」

 「あ、ああ……」

 兄さんは俺が頷いたのを確かめると、再び彼女に向き直った。

 「これは俺の問題だ。あんたが介入することじゃない」

 「そうね。……余計なお世話だったわ」

 「―――取り込み中悪いが。鈴たちがまだ戻って来ていないみたいだ、探しに行った方がいいかもしれない」

 サクラは少しだけ申し訳なさそうに言った。うん、完璧に蚊帳の外だったよなコイツ。だけど俺は正直ほっとしていた。サクラが話を切り替えてくれなければ、この重苦しい空気はずっと続いていたかもしれない。ナイスタイミングだ。

 「じゃあ俺とサクラは向こうの方を探してくるよ。兄さんたちはあっちに行ってみてくれ」

 「分かった」

 「それじゃ、あいつらが見つかったらまたここに集合な!」









 ヒバリとサクラの姿が見えなくなった後、ゼロは銃の安全性セーフティを確認し、私に『命令』した。

 「行くぞ、ミーナ」

 「―――嫌よ」

 私は俯いたまま返答した。先を行こうとしていたゼロが立ち止まり、困惑気味にこちらを振り返ったのが見えた。

 「今日はやけに機嫌が悪いな」

 「どうしてだと思う?」

 「さあね」

 ゼロはやれやれと言うように肩を竦めた。まだ話が続くのかとうんざりしているようにも見えた。けれど、私にとって話を途中で終わらせることなどありえないのだった。だって、これはとても重要な―――。

 「私は『レイチェル』よ、ミーナって呼ばないで。それにあなたは今も昔も『ゼロ』でしょう? ……『すばる』は死んだの、あなたが記憶を取り戻した時にね。だから、今と昔で名前が違うのなんて別に気にしなくてもいいじゃない」

 これは必死の言い分だった。だって、私は私でゼロはゼロだから。

 何を言われたのか分からないというように、一瞬ゼロは目を丸くした。だが、すぐにいつも通りの冷静な表情に戻ると、苦笑して「言っていることが無茶苦茶だな。―――分かった、それであんたの機嫌が直るならそうしよう」と言った。


 

 


 「クリスたちを探しに行くんだろう? 『レイチェル』」





 「?!」

 私は思わずびっくりしてしまった。なぜかって? 

 だって、ゼロが優しく微笑んでいたんだもん。ゼロが笑っているのを見たの、初めてかもしれない。

 「どうした? 行くぞ」

 「―――ええっ、分かってるわよ!!」

 今日はいい日になりそうだ。

 

 

”外の世界”よりゼロが冷たい人間になってしまったような気がしたので、レイチェルと喧嘩(?)して仲直りする、という形で本来のゼロに戻ってもらいました(^^ゞ

問題点はまだまだありますが、そこは何とかなる……はず(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ