one can never be completely satisfied.
更新遅くなってすみません(T_T) テスト終わった後の土日はずっとゲームしていました。そのせいで更新が……いえ、何でもないです。
サクラ視点です。そして、少しだけ話を進展させました。
『思イ出シタラ後悔スルヨ』
本当は分かっている。分かっているけど思い出したくないだけで………。
「どうしましたか? サクラ」
「……すばる。いや、何でもない。ただ―――」
信じられないだけだ。生まれ変わりとか能力者だとか、そんなもの信じたくない。それを肯定してしまったら、自分自身を見失いそうになる―――。
「彼らが羨ましいんですか?」
すばるはクリスたちを見て言った。その視線の先には、皮肉を言い合うクリスと鈴、記憶を取り戻したおかげですっかりこの光景を見慣れてしまったのか笑って見ているミーナ、そして記憶がないにも関わらずその中に溶け込めるヒバリがいた。
「そういうわけじゃない」
記憶を取り戻すことに何の意味があるのか。呪われた運命を断ち切るのなら、記憶を取り戻さない方が良いのではないのか。僕らは何ノ為ニ生キテイル?
「……訂正する」
「え?」
「確かに羨ましいんだろうな、ああやって必死に生きていける奴らが」
すると、すばるは彼らから視線を離さないまま言った。
「あんたは俺に似ている」
「―――は?」
「全てを否定して『生きてきた』俺に似ているんだ」
『生きてきた』? それはどういう……。
「すばる、お前記憶が―――」
彼は少しだけ笑って頷いた。「段々思い出してきたんだ。俺がどんな奴だったかってことを」
大丈夫だ、とすばるは言う。
「あんたもいずれ思い出すさ。あんた自身のことも俺たちのことも、な」
取り残された気がした。
何の確証もないのに、こいつだけは記憶を取り戻さないんじゃないかって思っていた。何となくそんな気がしていた。
そうじゃない、僕は理由が欲しかっただけだ。どれだけ頭から振り払っても忘れることができない『かつての記憶』についての話を嘘だ戯言だと誤魔化すための理由。後付けのような理由が必要だったからだ。
彼女の言う通り、結局僕らは断ち切れぬ連鎖に抗うことは無理なのかもしれなかった。こうして僕らが集まってしまっている時点で、すでに忌まわしき神が引いたレールの上を歩いているだけに過ぎないのではないか。
いずれ思い出す、確かにそれは有り得る話だった。現にミーナはフローラの手によって記憶を取り戻していたし、すばるは記憶保有者の彼らと接することで記憶を取り戻しつつある。だが、それならヒバリはどうなるんだ?
ヒバリはすばるよりも元から記憶を保有していたクリフトや鈴と行動を共にしていたことが多かった。それなのに、彼らと関わる前と後の言動の違いがまったく見られない。生前もあんな感じだったからか? それとも―――。
「何ぼーっとしてんだ? 考え事か? それとも、悩み事?」
ヒバリだった。……あれ? こいつ、さっきここにいたか? 忘れたな。まあ、そんなことはどうでもいい。こいつのお節介にはウンザリだ。
「ああそうだ。悩み事、と言えるものかどうかは不明だがな」
『思い出したら後悔する』。
フン、上等だ。記憶を取り戻し、前世の記憶とやらが後悔するに値するものか見極めてやる。
「フローラ!」
僕が呼ぶと、フローラはにやりと笑って「なんじゃ。前世を思い出す決心はついたのかの?」と問い質した。
「決心なんて大したものじゃない。ただの気まぐれだよ」




