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white snow  作者:
dreamy
45/60

the matter was complicated beyond all belief.

もっと作品を面白いものにしよう思った結果、三日に一度くらいの更新というのが何か普通になってしまいました。

ちなみに自分、学生です。来週からテスト週間です。まるまる一週間(または一週間以上)更新できない恐れがあります。申し訳ございません(T_T) こんな駄作を、それでも楽しみにしてくださる方、これからもよろしくお願いします。 

 重々しい空気の中、フローラは『神の国』のことを説明し始める。彼女はまず最初にこう言った。

 「神の国は、この世界のどこかにあるんじゃ」

 「それは……!」

 鈴は息を飲む。

 「何てアバウトな説明なんでしょうかね……」

 すばるは困ったように言った。

 「まあ、そうがっかりするでない。確かにわしは神の国がこの世界のどこかにあると言ったが、探す手掛かりがないとは言っておらぬぞ?」

 「単刀直入に教えてちょうだい。私、まどろっこしい言い回しは嫌いなの」

 ミーナは頬を膨らませて言った。フローラは苦笑してそれを了承した。その時、ちょうどサクラが戻って来た。彼はフローラに頼まれ―――いや、正確に言うと脅されたのだが―――『LEC』本部にある物を引き取りに行ったのだった。

 「ほら、持って来たぞ」

 ほとんど投げるような感じで黒い袋に包まれた『それ』をフローラに手渡したサクラは、使い走りをさせられたことが相当嫌だったらしく、いつも以上に眉間に皺が寄っている。

 「イライラし過ぎは良くないわよ、サクラ。早くに禿げても知らないわよ?」

 「うるさい、黙れ」

 サクラは近くにあった椅子に座ると、疲れを滲ませて言った。いつものような覇気がない。

 「何じゃ、つまらぬ奴じゃのう」

 フローラは袋を探る。中身は水晶だった。

 「これは?」

 鈴が物珍しげに近寄って来た。

 「『真実』だよ」僕がフローラに代わって答える。

 「その水晶は『真実』と呼ばれているんだ―――ネーミングセンス? そんなの、僕の知ったこっちゃないよ―――。お察しの通りその道具は魔力を帯びていて、事象を映すことができる。生産量が限りなく少ないせいか、僕ら上層部の人間でも中々お目にかかることができないマジックアイテムだ。―――こんな貴重なものをよく貸してくれたね」

 「まあ、それは何だ。コネというものかの」

 フローラはにやりと笑った。彼女の笑みの理由が何なのかは、あえて聞かないことにしておこう。

 「とにかく、『真実これ』があれば神の居所は知ることができるのじゃ。じゃがのう……」

 フローラは溜息をついた。

 「『真実』は、真実を目の当たりにせんとその能力を発揮してくれぬという欠点があるのじゃ。そう、例えば―――」

 フローラはビシィッとすばるを指した。

 「お主の存在は未だに謎のままじゃ。前世が誰であったのかを知り、お主自身がそれを認めぬ限り、この水晶は使えまい。無論、それは誰にでも言えることじゃぞ? サクラもいい加減魔法の存在を信じぬか」

 サクラはフンと鼻で笑った。

 「仮に僕が魔法を信じ神の国に行ったとして、何のメリットがあるんだ。生まれ変わりの連鎖だって? ふん、くだらない。どうせ自分きおくを忘れてしまうのならそのままにしておけばいいじゃないか。わざわざ君たちが妄信している『神』とやらを怒らす必要はないし、秩序を乱す必要もない」

 それは。

 それは、記憶保有者に対して言ってはいけないことだった。そう、特に鈴には―――。

 「『くだらない』だって!?」

 案の定、彼女―――いや、彼と言うべき?―――はかっとなって立ち上がった。

 「記憶保有者オレたちがどれだけ辛い思いして生きてんのか、お前分かってんのかよ!? 故郷とか一緒にいた仲間とかそういうもん全部失って、それでも生きてる奴らのこと分かっててそんなこと言うのかよ!!」

 それでもサクラの落ち着いた表情は変わらず。「ああ、そうだ」

 「ふざけんな!!」

 鈴は何かを取りだした。あの世界には無かったもの。

 アサルトライフルだ。彼女は銃口をサクラに向けていた。

 「殺す!! 絶対殺してやる!!」

 「鈴、冷静になってよ!」

 僕らは暴れる鈴を取り押さえた。鈴は悔しそうにサクラを睨んだ。もうサクラに銃を向けようとはしなかった。多分大丈夫だ。僕は鈴を解放した。彼女はどっと床に座り込んだ。その瞳には精気の色がなかった。疲れているようにも見えた。僕より彼女の方がやりきれない思いを持っているのは明らかだった。

 「……どうした?」

 鈴の瞳に突然色が戻った。そして、それは徐々に驚愕へと変わっていく。彼女の視線の先にあるもの、それはあの水晶だった。彼女は『真実』を見ていた。

 鈴は震える声で言った。そう、『彼』に。

 「あんた……まさか、姉ちゃんなのか?」

 

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