表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
white snow  作者:
all fantasy...?
40/60

I left there with anxiety. (capacity)

”外の世界”の時より、鈴が素っ気ない性格をしているような気がしました。

気のせいでしょうか(^^ゞ

 知らなかったと言えば嘘になる。

 「お前なんかいなくなれ!! 二度と現れるなっ、このバケモノめ!!」

 それでも、全てを憶えていないというのは本当だった―――。









 「クリス」

 鈴だった。

 「オレはあんたを許しちゃいねえ。でも、仲間がピンチだって時に何もしないほど馬鹿じゃねえ。……あんたにとって、利用するされるはどうでもいいことなのかもしれないが、オレは違う。あんたを本当の意味で利用しようと思っている。でも、そういうのって初めに信頼関係が無いと成り立たないだろ? ―――あんたを裏切るその時まで、不本意ながらもオレはあんたを信じてやるよ」

 鈴はそれだけ言うと去ってしまった。

 「すばるさん。ちょっと交代してくれ」

 彼は輪の中に入って行くと、ヒバリの傍でしゃがみこんだ。大きく深呼吸し、そっとヒバリの手を取る。鈴の手から発せられた淡い光がヒバリを包み込んだ。すると、みるみる怪我が治っていく。

 「どうなっているの……?」

 ミーナは目を疑った。鈴はさもつまらなさそうに「ただの魔法だよ」と答えた。

 治癒ヒーリング系能力者―――回復魔法が使える唯一の能力者のことだ。鈴は治癒系能力者だった。

 この世界には二種類の人間が存在している。能力まほうを使える『能力者』と、能力を使うことができない『無属性能力者』。これは努力してなれるものではなく、遺伝的なものが関係している。実質、人類の半分以上が無属性能力者であるのだ。

 「ふむ。お主らの中に素質のある奴がいるようじゃな。わしが能力を目覚めさせてやろうかの?」

 「くだらない。魔法だなんて、現実にはありえない」サクラは一蹴した。

 「鈴の魔法を見たじゃろうが。それでも魔法なんてないとお主は抜かすか?」

 「僕は『探偵』だ。仮に僕が非現実的なものを信じたとして、犯人を定める時に『お前は魔法を使って被害者を殺したんだ』と言ったとしたらどうなると思う? ミーナ」

 突然話題を振られたミーナはつっかえながらも答えた。

 「無実の人が裁かれてしまう可能性があるわ」

 「その通り。探偵ぼくらが非現実的なものを信じないのは仕方のないことなんだ。それを分かって頂きたいね、魔女フローラ様?」

 サクラは皮肉るように肩を竦めた。フローラはそれを聞いて、ピクッと片眉を上げた。

 「そうか……。お主は意地でも能力者わしらを信じないと申すのだな」

 彼女が怒ったのは、言うまでもない。だが、その時偶然にもその場の空気を破る出来事が起きた。

 「うるせえなぁ……。人の耳元でギャーギャー騒ぐんじゃねえよ……」

 一時は瀕死状態にまで陥ったヒバリが不機嫌を露わにして、何事もなかったかのように起き上がったのだ。

 「目が覚めたんですね、ヒバリ」

 「すばる兄さん? ……っと、その他大勢か。お前ら、揃いも揃って何してんだ?」

 どうやら自分の身に起きたことを憶えていないらしい。ミーナは脱力した。

 「元気なのは良いことだわ。だけどとぼけるのはしてよ」

 「ヒバリらしいですね」すばるは苦笑する。

 「心配かけさせんなよな!」

 「迷惑料を払え」サクラはそう言って、深い溜息をつく。

 「……」

 ヒバリはクリスが元気無さげなのに気付いた。

 「どうした?」

 声をかけると、クリフトははっとしたようにヒバリを見る。呪縛を解かれたような動きだった。だが、彼はすぐに俯いてしまった。

 「僕が油断していたせいで、君に魔法弾が……。ごめん!」

 クリスはそう言うなり事務所―――と言える有様ではないが―――から出て行った。

 「? いや、意味分かんねえし! ちょっと待てよ!」

 彼を追ってヒバリも外へ出た。だが、姿が見えない。

 「どこ行きやがったんだ、あいつ……」









 ビルの屋上にて。

 「はぁ……。どうしたらいいんだろう」

 白に近い金髪、深いブルーの瞳を持つ少年―――クリス―――は幾度となく溜息をついた。執行人の証である巨大な鎌を今は持っていないが、上下とも真っ黒の服を着ているため、やけに目立つ。

 「どうしたらいいと思う? チャコ」

 チャコは呆れたように言った。「どーでもいいんじゃねえの~?」

 「何だよ、適当だなぁ」

 クリスは不貞腐れたように、虎縞の『猫』に言う。

 「ヒヒッ、そうかもな。ま、クリスの好きなようにすればいいさ。オレはいつでもお前の味方だからよ」

 「……そうだったね。ありがとう、チャコ」

 クリスは柔らかく微笑んだ―――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ