表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/40

Lesson25 『叡智を越境せよ。』

軍を追い出されてからの俺はグリーンタウンを目指して、この森を突っ切った。

今思えば無謀極まりない行軍なのだが、あの体験が俺に自信を与えたと思えば必要な通過儀礼だったのだろう。


ドワーフやゴブリンやモンスターの影に怯えながら広大な森を縦断した訳だが、勿論その最中は己に対して疑問を感じ続けていた。


『紛争地帯やモンスター警報を避けるために止むなく森を通るのだ。』


自分自身にはそう言い聞かせていたが、あれは果たしてどこまで本音だったのか。

単に世界や己に絶望していただけではなかったのか?


あの時の森林越えが【敗走】ではなく【旅】に代わったのは、今頭上に居るあの奇妙な帝国人と出逢い短い間とは言え同行させて貰ったからだろう。



「止まれ、撃つぞ。」



その声には緊張感はない。

背負った弓に手を掛ける気配すらない。

かなりの腕利きである事は知っている。

それを振りかざすほど安い男ではないことも。



『止まったー。』



「うん、じゃあ撃たない。

脅したみたいでごめんなー。」



隣で遣り取りを聞いていたジェフが思わず吹き出す。



『この男はジェフ。

俺の相棒なんだ。』



「おいおい薄情だなー。

相棒は俺じゃあなかったのかー?」



『ほら、見てくれ。

俺の手は2本あるんだ。』



樹上の男は一通り笑うと器用に地面まで滑り降りた。



「ようこそ。

そして、お邪魔しております。」



俺は男と握手しながら、心の中で何度も言葉を反芻する。



「ようこそ。

そして、お邪魔しております。」



国境地帯で敵国人にこんな気の利いたセリフを投げ掛けるようになるまで、一体この男はどれだけの哲学を自分自身とぶつけ合ってきたのだろう。



『再会出来て嬉しい。』



「ありがとう。

生きてくれていたんだな。」



『うん、何度か危ない目に遭ったけど。』



男は一旦俺から手を離すとジェフと談笑を始めた。



「アンタの相棒、少し変わってるけど良い奴だな。」



「違う違う、良い奴な上に変わり者なんだ。」



2人はまるで旧知の親友のように肩を組んで笑い合った。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




男の名はグスタフ。

庄屋職を務めるケルヒャーから見れば再従兄弟にあたる。

12で村を飛び出し、帝国騎士の従卒となった。

得意の弓を活かして何度も戦功を挙げたが、その倍以上の対人トラブルを起こして部隊をたらい回しにされた。

今では兵隊なのか狩人なのかよく分からない存在になったという。

限りなく不名誉除隊に近い形での除隊だったので、恐らく軍名簿からは名を削られていることだろう。



「テッドからは似たような臭いがしたんだがな。」



『どうだろ。

今思えば、疎まれていたのかも。

俺、他人の感情に鈍感だからさ…

そういうの中々気づけないいんだ。』



「軍隊で暮らすのなら、それくらいが丁度いいんだよ。」



『だな。

俺が敏感だったら、傷ついて詩人になってたかも。』



3人で声を上げて笑っていると、雉が焼き上がったので、ありがたく頂戴する。



『旨い!

旨いよ!』



「お、気に入ってくれて何よりだ。

で、どれくらい旨い?」



『フカヒレなんて比べ物にならねーほど旨い!』



「ははは、それでテッド達は帝国に何しに来たんだったか?」



『フカヒレを売りに来た!』



「ははは、相変わらず悪い意味での正直者だな。」



いや、振る舞われた雉の丸焼きは本当に旨かったのだ。

塩加減や油加減が丁度俺の好みだった。



『庄屋さんに酒を貰ったんだ。

グスタフも呑めよ。』



「おお、あの人のお宝品じゃねーか。

オマエら相手の戦争で一番槍を付けた報奨だよ。

余っ程気に入られたんだな。」



その後、数分間ケルヒャーに対する愚痴を聞かされる。

口調の優しさから、どれだけ慕っているかが伝わった。



「それにしてもフカヒレなー。

サンドシャークなんてとっくに絶滅したと聞いていたが…」



『え?

帝国には居ないの?』



「だって儲かるもん。

漁師達がアホみたいに乱獲して…

それで最近になって、嘆いてるんだ。」



ジェフがクスクスと笑う。



「漁師はバカだからな。」



「なぁジェフ。

王国のサンドシャークって喉は何色?」



「え?

サンドシャークの喉元なんて赤いモンだろ?」



「うっわー。

ウチの国の漁師達が泣いて羨ましがるわ。」



「え?

何で?」



「フカヒレにも等級があるんだけどさ。

ノドアカは最高ランクだよ。

漁師達が奪い合って、しょっちゅう殺し合いに発展してたから。」



「マジかー。

俺たちにとっちや、単に浜を荒らすモンスターなんだけどな。」



「その感性が本来正しいんだよ。

カネが絡むとおかしくなっちゃうだけでさ。」



ふうむ、絶滅かぁ。

やっぱりカネが儲かるなら、獲り尽くしちゃうよな。


ん?

待てよ?



『あ、ちょっといいかな。』



「ん?

どうした?」



『やっぱりさあ。

高く売れるモンスターは絶滅しちゃうの?』



「いや、当たり前だろ。

誰だってカネが欲しいんだから。

王国の生活が苦しいってテッドも言ってただろ。」



上手く言語化出来ないのだが、俺の中で一筋の光が見える。

喉元まで出かかっているのに、もどかしい。



『どうやったらモンスターって高く売れるの?』



「え?

相変わらず変なこと聞く奴だなあ。

そりゃあ、美味しいモンスターとか部位が役に立つとか…

普通はそんなモンだろ?

現にフカヒレを旨いとありがたがる馬鹿が居るから、ウチの国じゃあアホみたいな値段でサンドシャークの漁業権が売買されてたんだからな。」



『だよな。』



…じゃあさ。

やり方次第で猪とかも駆除出来ちゃうんじゃないかなあ。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「まあ、折角儲け話を持って来てくれたんだ。

フカヒレをカネにする方法、俺も考えてやるよ。」



『ありがと。

ちゃんと分け前を払うから。

ほら前払い。』



「うっわ。

金貨1枚分貰っちゃったよ。」



『グスタフは帝国人だから、俺達よりもカネにするチャンスはあるだろ?』



「うーーーん。

どうだろ。

俺も身分が低いしなあ。

そういうルートに食い込む自信はないわ。」



『じゃあ喰いなよ。』



「だな。

雉が獲れない日に泣く泣く食うわ。」



一同笑。



「なあ、販売ルートに拘りはない訳?

商業ギルドを通したいとか、御用商人認定が欲しいとか。」



『いやあ、そもそも帝国のシステムって全然分かってないし。

俺にとって帝国ってケルヒャーさんが全てだから。』



「ははは、オジキも出世したもんだ。

…まあ、ある意味あの人は典型的な帝国軍人だけどな。

話してて疲れただろ?」



『俺は好きだよ。』



「…そう、ありがと。」



グスタフは何事もないような表情でフカヒレを眺め続けている。



「買い叩かれるのはアリ? ナシ?」



『いや、買い叩きもなにも…

相場を知らないし。』



「ドワーフなら買ってくれるし、帝国内で売ってくれると思う。」



『そうなの?

凄いね、彼ら。』



「強欲でアグレッシブだからな。

ぶっちゃけ何とかはしてくれるよ。

買い叩きが酷いけど。」



言いながらグスタフは前方にそびえるドワーフのの砦を指さす。



『あー、来る時に通ったわ。

ジロジロ見られた。』



「マジ?

押し売りされただろ?」



『いや、こっちをジーっと見てるだけだった。』



「珍しいな。

人間種が通ったら、必ず囲まれて押し売りされるんだが。

…まあ、2人共薄汚い恰好だからな。

タイパ悪いと思われたのかも。」



『えー、そんなの酷いなあ。』



「じゃあテッドの所持金幾らよ?」



『…銀貨を50枚くらい持ってる。』



「ほーら見ろ。

ドワーフの目利きは凄いだろ?」



『ぐぬぬ。』



そんな遣り取りをしているうちにドワーフの見張り台に到着する。



『こんにちはー。』



返事がないので角度を変えて見上げてみると、髭モジャのドワーフが酒瓶を抱いて居眠りをしていた。



「ムラのある連中ではあるよ。

カネが絡むと本気を出してくるけどw」



『うわあ、手ごわそうw』



ドワーフの砦の前で座り込んでいると、矢狭間からヒョイッと髭面が覗く。



「おう、鳥撃ちじゃねーか。

またウズラを売りに来たのか?」



「商人を連れて来たー。」



「どこにー?」



「となりー?」



「…えー、嘘だあ。

明らかに貧乏っぽいじゃん。


おいオマエ。

本当に商人かー?」



『冒険者でーす。』



「え?

ぼ、何?」



『ぼ・う・け・ん・しゃ!』



「え?

それは仕事?

仕事の種類なの?」



『野山にテントを張って薬草取ったり、ドブ攫いをしたり!』



「いや、それって単なる浮浪者じゃね?」



悔しいが反論出来ない。



「確かにこのテッドはそう言われても仕方ない。

銀貨も50枚しか持ってないし!

軍隊の荷運び仕事もリストラされたしな!」



グスタフ、お手柔らかに。



「やっぱり浮浪者じゃん。」



「でも最高の儲け話を持って来た!!

帝国宮廷も喜ぶブツの話だ!!」



「ほう。」



帝国宮廷というワードが刺さったのだろう。

そこら中からドワーフが湧いて来る。

コイツら今までどこに潜んでたんだ?



「えっと、オマエ浮浪者の癖にデカい案件持って来たのか?」



『冒険者です!』



「あ、うん。

ドブ攫い屋さんね。」



「肩書で決めつけるなよ!!

まずはブツも見てから判断してくれ!!

ほらテッド、コイツらに見せつけてやれよ!」



『あ、うん。』



そんな流れで残ったフカヒレを披露。

ドワーフ達はキョトンとしている。



「え?

何コレ?

俺達どういうリアクションすればいいわけ?」



「フカヒレだよ、フカヒレ!!!

宮廷料理に必須だろ!!」



「あ、いや。

俺達は帝国宮廷なんぞに招かれたことないし。」



「あ、そうか。

ゴメン。」



「要は食材を売りに来たってこと?」



『ええ、帝国に販路を開拓したくて。』



「?

オマエ人間種なんだから直接売りにいけば?」



『いや、俺は王国人なんですよ。

身分は農奴ですし。』



「あー、オマエ王国野郎かぁ。」



露骨に嫌そうな顔をされる。



「大昔は浜の辺りまで俺達の領土だったんだけどなー。」



文脈から察するにブルータウンを指しているのだろう。

確かブルータウンで穴を掘るとドワーフ遺物が見つかると聞いた覚えがある。



「ま、次に戦争になったら俺達が奪還するから。

そこんとこ宜しく。」



『お手柔らかにお願いします。』



「ははは、王国野郎にしては殊勝な態度じゃんww

気に入った、オマエは特別に住み続けさせてやるよww」



『あ、ども感謝します。』



「王国野郎共もなあ。

全員オマエみたいに素直な奴だったら、こっちも便宜を図ってやるんだけどなw」



ドワーフ達の口ぶりから察するに、王国と帝国が戦争になった場合、全ドワーフが必ず帝国に協力する取り決めになっているらしい。

帝国人とてドワーフを野蛮種族扱いしているのだが、王国と違って一応協力費を払ったりしている。

つまりドワーフと帝国の間には王国への憎悪を媒介にしたパイプがあるのだ。



「まあいいや。

このフカヒレってのが高く売れると言い張るんだな、オメーは?」



『いやあ、どうなんでしょ?』



「オイオイオイ。

売り込みに来たんだろうが。

もっとハッタリ効かせろよ。」



『理論上は高く売れるんですよ。

本にそう書いてありました。』



「え?

オマエ奴隷の癖に本なんて読めるの?」



『あ、俺は読み書きが出来ないんで仲間に読んで貰いました。』



「…オマエ商売向いてないよ。」



『あ、すみません。』



「いいか?

商売ってのはな?

如何に高く売りつけ、如何に安く買い叩くかなんだよ。」



『いやー、俺はそういうの苦手で。』



「だろうなあ。

そんな顔つきだわ。

で?

商売に向いてないからボーケンシャになったと。」



『ええ、まあ、否定は出来ません。』



「でもさ。

オマエも結局行商してる訳じゃん。

じゃあ、商人とボーケンシャってどう違うの?」



『うーーーん。

商人って自分の利益の為に働くじゃないですか?』



「そんなの当たり前だろ?」



『冒険者って、旅先に利益をもたらすのが仕事だと思うんです。

もたらした利益の分配が報酬って形だとスッキリ収まりますし。

っていうか、そういう仕事になると嬉しいです。』



「ほーーん。

じゃあさ、俺達の砦に来たって事は俺達の利益を考えてくれるってことか?」



『まあ、そうなりますね。』



「じゃあさ。

前金として、このフカヒレ全部寄越せって言ったら寄越す訳?」



『ああ、じゃあそうしましょう。』



「オイオイオイオイ!!

馬鹿かテメー!!

ちゃんと駆け引きしろよ。」



『あ、スミマセン。』



「俺達はこうやって、まずは無理難題を吹っかけるんだよ!

相手は無茶な要求を呑みたくないから代案を提示して来る訳じゃない?

そこから交渉って始まる訳じゃない?

それが商売ってモンだろー?

大体、ここでフカヒレ全部渡しちゃったら、オマエの利益ゼロじゃん?

いや、旅費とか宿泊費とか差し引いたらマイナスじゃん?」



『いやー、そうっすかね?』



「ん?

マイナスだよマイナス。

オマエ向いてないから商売やめろ。」



『でもフカヒレが高く売れちゃったらどうします?』



「いや、嬉しいけど。

あ、言っておくけど売れた所で分け前はやらねーからな。」



『例えば、そのフカヒレが銀貨2000枚で売れたとしたら?』



「…まあ帝国宮廷が本当に食うのなら、それくらいの額にはなるだろうな。」



『その後…

俺が皆さんに1000枚で売るって言ったらどうします?』



「いや、買うに決まってるよ。

だって倍で売れるんだろ?

ボロ儲けじゃねーか。」



『…多分、俺は帝国の人とこういう話をしたかったのかも。』



「かもって。

頼りないやっちゃなー。

俺達が話に乗らなきゃどうするつもりだったんだよ?」



『荷物になるし皆で食べたんじゃないっすか?』



「皆って、オマエら3人しか居ないじゃん。」



『いや、ドワーフの皆さんにも振舞いますよ。』



「…俺達が嫌がったら?」



『ゴブリンを誘ったと思います。

先日彼らから団子を買ったんですよ。

ほら、鉄貨。』



「うっわー。

ゴブリンの食い物なんてよく食えるなー。

旨かった?」



『ヨモギの味がしました。』



「へー。

ま、食い物なんてどこの種族も大して変わらんか。」



食の話題というのは万人受けするのだろう。

ドワーフ達からゴブリン団子の味を尋ねられたので、鉄貨1枚で1個売ってくれた話をしたら大ウケした。

そこから食べ物談義が盛り上がり、実際にフカヒレを煮込んでプレゼンすることに。

最長老と呼ばれる氏族のトップも砦から出て来て食レポタイム。



「まっず。

全然味がしないじゃん。」



『ええ、俺も個人的にはグスタフが焼いてくれた雉の方が好きです。』



「じゃあ雉を喰わせてくれよー。」



一同笑。



「まあ、旨いとは思わなかったが、食感が珍しい事は認めるわ。

帝国の貴族連中は珍味が好きだから、高く買うって話も有り得るわな。」



最後に最長老がそんなコメントを出した事で、この砦のドワーフ達が帝国での販路開拓に乗り出す事に決まった。



「あんまり期待するなよー。

あくまで高く売れたら次を買ってやるって話だからな。」



『あ、はい。

正直、話を聞いて下さっただけで嬉しかったです。』



「ばーか。

嬉しがるのは実際に儲けてからだぞ。

入金するまでは徒労、よく覚えておけ。」



『あ、はい。』



「うーーん。

手ぶらで帰すのも…

後味が悪いか…


おいボーケンシャ。

オマエ、何か欲しいお土産あるか?」



『え?

お土産くれるんですか?』



「言っておくが高い物は駄目だ。

安物なら記念にくれてやる。」



『ああ、それは嬉しいです。』



「ほら、俺達って鍛冶の民じゃん?

だから帝国の連中に色々道具を作ってやるんだよ。

鳥撃ちにも鉈を作ってやたことあるよな?」



「まだ使ってるよ。

全然刃こぼれしないから助かってる。」



「ふふっ、腕が違うのよ、腕が。

おいボーケンシャ。

何か困ってることはないのか?」



『え?

何だろ急に言われても。』



「鈍臭い奴だなー。」



『あ、俺の地元が猪に困ってるんです。』



「?

何で困るの?」



『いや、猪が畑を荒らすから食料難で。』



「え?

猪喰えば良くね?」



『まあ理論上はそうですけど、年寄が多いですし。

人間種は狩りが苦手なんですよ。』



「ふーん。

まあ俺らドワーフは強いから猪なんてワンパンだけどな。」



『マジっすかー。

俺達人間種が猪を狩ろうとしたら、逆にワンパンでやられるんですよ。』



「はえー、こんな奴らに浜を取られたのが納得できねーわ。」



『すみません。』



「まあ、俺達ドワーフと比較するのは酷か。

俺達が苦戦するって言ったら虎くらいのモンだからさ。」



『虎…

聞いた事があります。

森に潜む恐ろしいモンスターだと。

軽く噛むだけで馬の首をへし折ってしまうとか。』



「お、詳しいじゃん。

その虎だよ。

ま、俺達優秀だから、ほぼ殺し尽くしたけどな。」



『え?

マジっすか?

凄いですね。』



「ふふふ、ドワーフの偉大さが分かったかww

お、丁度虎の話をしてたら…

ほら、これだよコレ。」



そう言うとドワーフは金属の輪のような物を見せつけて来る。



『え?

何ですかコレ?』



「いや、単なるトラバサミだけど。

見て分からない?」



『と、トラバサミ?

え? スミマセン?

分かりません。』



「えー、トラバサミが無ければ虎が出た時困るだろ?」



『そうは言われましても。

王国には虎が居ませんし。』



「ほーん。

じゃあ、ますます記念に見て行け。」



ドワーフは土の上にその器具を設置すると、木の棒を…



ガキイイイイイイッ!!!



瞬間、器具が跳ね上がるように木の棒を潰してしまう。



「これでよー。

虎もイチコロなんだわ。

どんな強い獣でも脚が砕けちゃあ単なる獲物に過ぎねーからな。」



『す、すごい。』



「ふふふ。

いいよ、記念にくれてやるよ。

全部持ってけ。」



『え?

そんなに貰ってしまっていいんですか?』



「だって虎なんて、もう絶滅寸前だもんww

来年には皆殺し確定ってなww」



ドワーフ曰く、虎の代わりに猪が引っ掛かって本当に困っていたらしい。

じゃあ虎が居ないグリーンタウン周辺で仕掛けたら?



『いい手土産が出来ました!』



「あっそ。

こんなモンで喜んでくれるなんて、安上がりな奴だぜww」



その日は遅かったのでドワーフ砦に泊めて貰う。

最長老曰く、人間種を泊めるのは種族史初らしい。

俺の話が色々珍しかったので気に入ってくれたのだろう。



「おいボーケンシャ。

オマエの話は全部面白ぇなあ。

泊めてやって正解だぜ!」



『いや、俺もトラバサミの話は面白かったです。』



「ん?

あんなもん珍しくもなんともねーだろ?」



トラバサミの話題をねだるとドワーフ達は全員不思議そうな表情をする。

まあ仕方ないさ。

土地が変われば違うノウハウが蓄積されてるんだからな。



…あれ?

じゃあ、全ての土地を知ったらどうなるんだろう?




Lesson25 『叡智を越境せよ。』

【名前】


テッド・ウォーカー



【職業】


冒険者



【資産】


銀貨57枚

鉄貨91枚 (ゴブリン経済圏でのみ通用)



【所持品】


折り畳み釣り竿

簡易テント

大型リュック

万能ナイフ

ポートフォリオ

騎士用手袋

トラバサミ



【生産可能品目】


山椒粉

フカヒレ

ラー油



【ポートフォリオ】


ホーンラビット

スライム

サンドシャーク

山椒

ドブネズミ



【仲間】


リコ・クラーク       (司書)

ジェフリー・フィッシャー  (漁師)

キース・ポーター      (運送業)



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



(あとがき)


最後までお読みいただきありがとうございました。

このLesson(教訓)が有意義であったと感じていただけましたら、冒険の道標としてページ下部の【☆☆☆☆☆】やブックマークで評価して下さると幸いです。


ご安全に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ