異世界 知識で農業 無双!
( ゜ε゜;)──え?!
この世界では、農薬──殺虫剤とか除草剤とか……化学肥料すら使ってないんですか?!
(゜_゜;)いや、お恥ずかしながら、なんのことやら……
くわしく教えていただけませんか、勇者殿?
───
~村の集い~
(-_- )……農業用 魔法薬?
あぁ、異世界人が提案したっちゅう、アレな……。
( ´∀`)大事な作物を害虫と雑草から守るんだってよぉ。いい話じゃねぇか?
( ´ー`)肥料だってなぁ、苦労せずに強力なのが作れるんだってな?
(-_- )そんな うめぇ話……あるもんかねぇ?
(*´・ω・)何が心配なんでぇ?
( ・3・)考えてもみろ?
ようは畑に『毒』、撒くっちゅうことだぞ?
( ;`Д´)だから、それはぁあ~!
お役人様が、
”作物に『毒』は残んねぇから、安心しろ。”
ちゅうてたじゃねぇか!?
(#゜Д゜)バカ言ってんじゃねぇ!
畑に『毒』、バンバン撒いて 振りかけて、残らねぇはず ねぇだろが!?
・
・
・
( ・3・)まったくよぉ、じいさんは頭が固くて いけねぇや……。
( `д´)そだそだ! 楽できるってのによぉ!
(^◇^)それに、オラんとこの倅が聞いたんだけどよ……?
こんな便利なモン使わねぇ手はねぇってんで、国全体に行き渡らそうと、政府が新しい会社さぁ 起こすんだとよぉ?
若ぇモンは、望めば そこで雇ってもらえるっちゅう話だぁ。
(*`▽´*) おめ ん とこも聞いてたんか?
(*>∇<)ノ なんだ、二人ん とこもかや……。 オラん とこもだ!
───
~国民 会議~
(-_- ;)異世界人の提案した農業用 魔法薬ですが、別に召喚した異世界人の話によりますと、実際には作物に大量の『毒』が付着、残留することが判明いたしました。
また、生産 現場の農夫たちや消費者どころか、次世代の子供たちの健康にも悪影響が……
( ゜ε゜;)……なん……だと?!
( ;`Д´)だ、だがッ──!
今更、計画は変更できん!
( ; ゜Д゜)そうともさ!
すでに会社も設立!
工場も完成してるんだぞ!?
(;`Д´)ノせっかく、手にした票田と天下り先を手放すわけには──
ゲフン!
いやさ、大量の失業者を出しては、選挙民に申し訳が立たん!
───
~数年後~
(-_- )……帰ったぞぉ~。
(^◇^)あら?
お帰りなさい、アナタ。
今日は早いのね?
(-_- )あぁ……今日は仕事が早めに終わってな……
……ん? なんだ、この匂い?
( ; ゜Д゜)──って!? 今、畑で魔法薬を撒いているのか?!
(*´・ω・)そうよ?
臭くてイヤだけど……。
アナタの会社で作ってるものだし、健康には害が ないんでしょう?
( ;`Д´)いっ、今すぐ窓を閉めろ──ッ!!!
───
~百年後~
《──政府と公社は、農業用 魔法薬による害を知りながら、工場をフル稼働──
実に数十年もの長きに渡り、農業ギルドを通じて各 農家に購入と使用を強制していた事実が判明し、訴訟に発展しております。
しかし、初期の被害者は大半が病死、病死しなかった方も すでに寿命で亡くなられ、ご存命の方は中期 以降の被害者となります ──
また、魔法薬による健康 被害から身を守るため、魔法薬 残留 作物に対する拒絶 反応──免疫を持って生まれたと思しき子供たちの受けた苦痛に関しても、政府は『因果 関係を立証できない』の一点張りで──
───
(^◇^)ほぅ~ら、魔法薬フリー作物で作られたビスケットだぞ~?
(*`▽´*)ありがとう、お父さん!
これなら、食べても大丈夫なんだよねッ?
(*>∇<)ノそりゃ、そうさ!
なんせ、お役人様が認めた基準をクリアーしてるんだからな!
(ill゜д゜)──バカか、ヲマイは!?
(; >д<)……おじいちゃん?! こわいよ……
( ; ゜Д゜)……あぁ、ごめん ごめん。いきなり、怒鳴ったりして……。
(-_- )いいかい? お役人様だって、議員サンだって人間だ……。必ず、正しいとは限らないんだよ?
( `д´)まぁた、それかよぉ~……。
大丈夫だって!
ちゃんと政府が保証──
( ´△`)ハァ~……
いいか?
その基準は穴だらけだ。
( ・_ゝ・)あなだらけ??
(;`□´)おいおい、子供がいるのに変なこと 言うなよ?
(*`Д´)ノ──やかましぃわ!
おめも、子供が かわいいんなら、しっかり勉強せぃ!
( `д´)魔法薬について、うるせぇ この ご時世……
お役所の お墨付きが ありゃあ、高く売れるってんで、グルんなってデタラメな基準 作りゃあがったって、たいそうな評判だぞ?
( ; ゜Д゜)──え??
おんなし名前の魔法薬でも、かつてとは組成──材料が異なったりで、毒性が低かったり、別物に切り替わってたりで注意が必要──なんだけど、100%安全かと言えばビミョー……。