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ミッション・フェイズ2-2
『柏崎はどうした、仮眠なら叩き起こせ』
殺意すら籠った、凶器のような声が飛び込んで来た。
『フロアマネージャは只今、あー、5本くらいの同時通話中です』
千手観音か。
『あらヤダ秀一君、こんばんはどうしたのこんな時間に……ってそうじゃない!! 』
一番手近の一本が公嗣さんからのだった、霞が関至急電。
『資正が向かった、指示を仰ぐように』
『復唱、室次長に本庁指揮権移管、他には』
返事はない、もう切れている。
「お疲れ様です、状況は」
怒鳴らないのに通る声がフロアに響く。
男子重量級柔道選手のような巨影が早足で入室して来た。
公嗣指令をメモ書きし提出しようとしたら当人到着でシュレッド直行。
大河内資正、公嗣さんの片腕で次席で許婚。
「広域早期警戒監視式が東京外郭周辺での大規模霊威活動を検知、直後に失探、現在調査中です」
「誤報ではない」
「確定情報です」
「被害は」
「部内では現在該当なし、部外は錯綜しており、確認中です」
それだ、と資正さん、窓外に眼を遣りながら、言葉を切る。
「停電、という情報は? 」
停電? 何処で? 。
東京タワーもげんきにライトアップ中。
停電?? 。
「それなんですが」
急に歯切れが悪い柏崎フロマネ。
非常呼集発令か、会話の最中にも続々参集する職員たち。
鳴り止まぬ電話。




