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ミッション・フェイズ2-1


 当夜、自分も見た。

 いや、見なかった、見えなかった、自分には、何も。


 公称、RSN(事案)、Rainy season night case。


 まだ梅雨つゆは明けんだろという、その夜。

 暗雲に高湿度だが雨滴は無かった。


『外を見ろ』


 あわひゃあ! 。


 独り奇声を上げスマホお手玉。


 おそるおそる視線を窓外に向ける、まさか。


 100パー自己責任の進まない公文書作成に嫌気がさし、気分転換と称してイベ限を廻しめでたく天井爆死、骨も残さず討ち死にして果てた最中の上司通知。

 薄笑い浮かべてワキにいたらそれは……、よかった、無かった。


 ウチのシマは資材置き場に割り込んで近年開設したモノで、窓際といえばそう。

 端席で効きが悪い冷房の中、それでも窓を開けると梅雨つゆに蒸した不快指数マキシマムの熱波がが。


 外? なにも?? 。


 平常、を伝えると、苦労、と短く返信。

 あれ珍しく間があった。


 しかし異常は屋外では無く館内で発生していた。


 原則残業不許可、ココは何しろ公務員であるので皆さん上がりが早い、眠れない街霞が関、分室にはまた別の事情があるとは仄聞そくぶんするものの。

 自分を含め在席は数人、それが。


 パーテション越しの喧騒けんそうにひょいと頭を覗かせると、全員立ち上がり、ばたばたと動いている。 


 いったい何が? 先の上長の連絡と? 。


 見ている前でそれは起こった。


 電子連絡普及から死んだように静寂を保っていた、それでも各デスクに必ずある、電話器。

 それらが、せーの、で示し合わせた様に、一斉に鳴り響いた。

 古いマンガで見るような、両手に受話器で応対する職員たちの光景が現出した。


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