「「「やったぁああゲームみたいにゾンビと戦えるぅううう!!!」」」
「ゾンビ来ねぇな」
「そうだな、高橋」
ショッピングモールに全クラスメイトで立て籠もって最初の日は良かった。
たくさんのゾンビになった隣人を即席の棍棒を振り回し戦うのが大変で、楽しかったのだから。
だが二日、三日と日に日にゾンビの数は減りとうとう誰も来なくなった。
「なぁ、どうして来ないんだろうか....わかるか、田中」
「ここが田舎だからだよ、高橋」
そうここは田舎。少子高齢化が限界突破した限界集落。
ゾンビパンデミックが起こっても、ゾンビになる人間がいないのだ。
「なぁ、山田の所にいこうぜ腹減ったよ田中」
「そうだな、高橋」
出口の前で座っていたパイプ椅子を片付ける。バリケード?ゾンビが来なくなった三日目に撤去したわあんなもん。
三人で飯を食う。クラスメイト?この三人だけだよ田舎だもん。
「やっぱ都会は良いよなぁ...なぁ山田、田中。」
「「わかるわぁ高橋」」
ニトリのベッドの上で、男三人、テレビを見ながらカップラーメンとカップそばとカップうどんをすすり、つまんない田舎にため息を付き、都会を羨む言葉を言いながらテレビを見る。
『私は、今ヘリにいます!!見てください!この東京の有り様を!!あ、ゾンビが生存者の最後の避難場所のショッピングモールのバリケードに群がって!!?そんな、何あれ、1万以上いるんじゃ!!?嘘!!変異体もいるじゃない...あ、うそうそ嘘バリケードがバリケードがいやぁああああああああ!!!!!!』
「「「やっぱ田舎つまんねぇわ」」」
「「「へいわだぁやったぁ(死んだ目)」」」