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ラプちゃんとファミレス

作者: 武智武

ラプちゃんとファミレスに行ったら楽しいだろうなあ。

席に座ったら足をジタバタさせながら「メニュー貸して」って言ってきて、渡したらパッと取り上げて、いちいちリアクションとりながらページをめくっていくんだ。

僕が決まった?って訊いたら、ラプちゃんはなぜか目を背けながら「これ」って指差すんだ。

見てみると、それはお子様ランチだったんだ。

これにするの?って問いかけたら、ラプちゃんは「安いからこれにしただけだし、お前金ないだろ」って見栄を張るんだよね。

でも僕はラプちゃんいつも頑張ってるし、好きなもの食べていいんだよって言うんだけど、ラプちゃんは俯きながら「いいから早く注文しろ」って言うんだ。

怪訝に感じてたけど、ラプちゃんの赤い耳を見て察したよ。好きなんだね、お子様ランチ。

暫くしてお子様ランチが届くと、ラプちゃんは、目をキラキラにしながら、いただきますって手を合わせるんだよね。

それでラプちゃんは口をパンパンにしながら「おいひい!」って喜ぶんだ。

あまりに美味しそうに食べるから、僕はついラプちゃんのことを見つめちゃうんだけど、そしたらラプちゃんは右手でお子様ランチを守りながら、「お前にはあげないぞ」って言うんだよね。

でもそのくせ隙を突いては僕のハンバーグを横取りしてくるんだ。でもラプちゃんは真面目でいい子だから、なんだかんだチキンライス分けてくれるんだよね。

そうこうしていると店員さんがお子様ランチの景品が入った箱を持ってくるんだ。

そしたらラプちゃんはその景品の山を一瞥して、顔を真っ赤にしながら「これでいい」って小さな水鉄砲を手に取るんだよね。

そして別に僕が訊いたわけでもないのに、ラプちゃんは「手前にあったから取っただけだし」って弁解するんだ。

平日の昼下がり、周りには主婦やご老人しかいない中で、僕とラプちゃんはそうやって幸せな時間を過ごしていくんだね。

ラプちゃんこれからもよろしくね。

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