決闘とパーティー紹介
酒臭い居酒屋にもう一つの天使が舞い降りた。
金髪のポニーテールで服は軽く着崩している。
年はレイナと同じで二十五前後といったところだろうか。
「レイナたん早く行きすぎや。おかげで道に迷ってしまったがないか。」
「ナツキが歩くのが遅いのよ。」
「まあ、王都で手紙もらったときからずっとウキウキしたったもんな。それで君がレイナたんのお気に入りのタクト君やね。よろしゅうな。」
「はぁ、全然違うし。こいつはただのライバルだし。」
レイナが慌てたように否定してくる。
「それより、タクト君。レイナに決闘で勝ったってホンマか?これでもウチのエ〜スなんやけどな。」
「いや。ただのまぐれですよ。今じゃもう勝てっこないですし。」
まああの決闘もギリギリで勝ったようなものだしな。
それに今の俺はもう………
「本当かな?結構強そうやけどな。」
そう言って俺の瞳の中を覗き込んでくる。
心の中まで覗きこまれるようで少しゾクゾクする。
「本当にしがないDランク冒険者ですよ。」
その場は一旦それでおさまった。
しかし、明日決闘の約束を半強制的にさせられてしまった。
普通にしらばっくれたいがあいつのことだ、どこまでも追いかけてきそうで怖い。
結構の日時は明日の十時。
場所は我がDランクパーティー「轟の雷鳴」のシェアハウスの庭に決定した。
うわー今夜は早めに寝ないとな。
う〜、まだキツイ。
疲れたが溜まった体にムチを打ち、ベットから起き上がる。
窓からは朝日がガンガンに入ってきており、若干眩しいくらいだ。
すると隣からモゾモゾと動き出すものがいた。
「え〜もう起きるの。まだ寝た〜い。」
「すまんなミカ。今日は大事な用事があるんだよ。」
俺のパーティーのメンバーの一人。
スラム街で拾ったときから立派に成長したものだ。
もういろんな所が立派に成長している。
特に胸とか胸とか胸とか。
髪型は赤髪のショートボブで、まあ服装はなんというか、あれだ。
ちょっと大事なところが見えそうで見えない感じで大分はだけている。
すると寝室のドアの外からドタバタと激しい音が響いてくる。
バタッと勢いよく扉が開かれて、一人の少女、いやもう女と言った方がいいか。
「ねえちょっとミカ、毎回毎回タクトのベットに忍びこまないでって、言ってるでしょ。私だって…………」
同じくメンバーのユノが顔をだしてきた。
髪型は金色のロングヘアで服装は相変わらず清楚だ。
創設メンバーというか、俺と二人でこのパーティーをつくった。
「別に気にしなくていいじゃん。ねえタクト、私がいっしょに寝るのっていや?」
上目遣いでウルウルとした表情でこっちをみてくる。
ヤバい、俺の理性が。
やはり男なら本能がうずく。
でもここはパーティーのためだ。
「ほら、もうミカも十八になったことだし。
俺みたいな二十六のオッサンにかまってないでさ。」
「私はずっとタクトが好きだよ」
そう言って抱きついてくる。
毎朝こんな感じのやりとりが、続いているが未だにスキンシップは慣れない。
「あ〜ちょっと。こら、離れなさい。」
ユノがグイグイと俺からミカを引き離し、もう朝ごはんができてるからと、一階まで引きずっていった。