「黒猫と雨の日」
全くの書き方をわかってない初心者が書いた文です。
雨が降り続く、止まないサイレン音。
ただ、雨音とサイレン音が続く。雨に打たれながら寒さに震え意識が遠のいていく。
自分の身に、何が起こったのか、一瞬分からなくなった。
あれ、今日は確か弟の写真を撮りに来たはず、そんな些細な事をぼんやりと思い出しながら、道路に横たわっている自分がいる。
救急車のサイレン音が近づきましたが、そこから私の意識は途切れていきました。
「オンギャー」と猫が悲しそうに鳴く。
もう、抱いて貰う事のできない主を想い鳴く。雨の中を外へ走っていく。
「お母さん、セーレム外に出ていちゃった」女の子が母に、猫が外に出て行った事をいいました。
そしてすぐに、電話のベル音が鳴り響いた。警察からの電話でした。
「現在、大変危険な状態です。」医師からの回答は重体の時によく言われるお決まりの文句だった。
嫌な予感がした。雨は嫌いだけど外に行かなきゃならない気がし、外に走ってきた。
ついた場所には、パトカーが止まっていて、周りの人々に事情を聞いていた。
道路には見覚えのある飼い主の赤い傘が、ズタボロ傘の骨が折れて、放り出されていた。
「セーレムさっきあんたとこのねーちゃん、事故に遭ったよ。ありゃやばいよ。」
近所のブチ猫のりんりんが話しかけてきました。
「どういうこと」
僕は認めたくないがりんりんから、何があったかかを、聞かずにいることが出来なかった。
僕が現場に来る数十分前にあった。悲しい出来事だった。
・・・・・・・
飼い主が曲がってきた車に跳ねられて病院へと搬送されたが、
救急車が来るまで時間がかかり過ぎた様だあまりにも遅すぎました。
死神が迎えに行く前に、魂を現世に留める方法を探しに、僕はご主人様を助けなければいけない。
そして、いつもの様に僕の名前を呼んで抱きしめてほしい。僕は雨の中を駆け出して行き、魔女の処へと向かった。
路地裏へ入り、屋根の下にいた寅猫の寅吉が僕を呼び止める。
「セーレムこんな雨の日に出かけるなんて珍しいね。どこに行くのだい?」
「ご主人様が大変なのだ。魔女の処にいきたいのだ。知らないかい。」と僕は寅吉に場所を聞いた。
魔女に会いたくても早々会えるものではなく居場所を探すには僕は箱入り猫で、魔女が同じ町内に住んでいることしか知らない。
あまりに無知すぎた。寅吉はキョトンとして
「
魔女に会いたいのかい。なかなか会えないよ。それならボスに聞くといい」と言われ僕は礼をいいボスがいる。
空き地へと走っていった。空き地に着いたが・・・ボスが見当たらない。普段なら土管の上に手下どもと気持ちよさそうに寝そべっているはずのボスがいない。
そのはずだ、今は雨が降っている悪天候だ。
だが、僕はそんなのには構っていられない。
「ボスいないのか」と僕は大声で鳴き叫んだ。
「何で、セーレムこんな雨の中どうしたのだい。」とボスが土管の中で寝ていたらしく、眠そうにしながらのそのそと出てきた。
「とりあえず、入な」とボスに言われ僕は土管の中に入り、これまでの経緯を話し魔女を探している事を告げた。
ボスは事情を聞き溜め息を吐いて、呆れながら
「俺たち猫は人間の気まぐれで飼われたり、捨てられてりしてきただ。ここにいる俺の手下たちだって気まぐれで捨てられた。セーレムお前だったそうじゃないか、それなのに人間を助ける為に魔女に会って、助ける方法を聞きたいのか」
たしかに、僕は生まれてすぐに捨てられた。
ただ黒猫だったという理由で、親と一緒に生まれてきた兄弟とも引き裂かれて捨てられた
でも、そんな僕を見つけて家に連れかえってくれたご主人様を助けたい。
黒猫は不吉だからというそんな理由で捨てられた僕に、手を差し伸べてくれた。だから僕は生きている
それだけで良い。ご主人様に名前を呼んでただ抱いてほしい。
それだけが僕の生きる意味なのだから、
「ボス頼む、時間が少しの時間でも惜しくてたまらない。
知っていることがあるなら頼む。教えてくれ」
じっと僕はボスを見つめた
「セーレムお前には、負けたよ。魔女の家はこの路地裏をまっすぐ行って、
右に曲がって角を二つ通り越して次の角を右に曲がり、十字路に出たら左に曲がると、
田中って表札の出た家があるそこが、魔女のうちさ」とボスは魔女の家の場所を教えくれた。
僕はボスに礼をいい魔女の田中さん家を目指し走った。
最初の路地裏にでた。
それから右に曲がり角を二つ通り越した時、カラスが
「箱入り猫のセーレムじゃないか、珍しく出歩いているな。その先は魔女の家だ。食われちまうよ。カーカー」と僕をからかうだが、
今の僕はそんなくだらないことに構っている暇はない。
右に曲がり十字路に出ると道路を走っている車に水をかけられた。
びしょびしょにぬれた。いまは、魔女のところに行かなければならない。
僕はぬれたまま左に曲がり田中さんの家へと向かった。田中の表札が見え僕は、
「魔女の田中さんいませんか」と訪ねた。ドアを開けたのは小さな女の子だった。
「にゃーにゃー何かごようですか?」小さな女の子は僕に訊ねる。
「貴女が魔女ですか?」僕は出てきたのは小さな女のだったので不安になりたずねた。
「魔女はお婆ちゃんだよ。呼んで来るから中においで」
僕は女の子に言われ家の中に入ると、女の子は急いで、洗い立ての軟らかいバスタオルで、
僕を包み込み濡れた体を拭いてくれ、暖かいミルクを用意してから女の子は奥に行き誰かを呼びに行きました。
僕は雨の中をずっと走っていた事もあり、体が冷え切っていた事もあり、女の子が用意してくれたミルクをいただく事にしました。
ミルクはとても美味しくやさしい味がして、体の芯まで温まった。ドアの開く音がし僕はドアの方に目を向けました。
腰を丸くし杖の突いた白髪の老婆が入ってきました。
「おや、ずいぶんと小さなお客様だね。しかも黒猫とは同業者の使い魔かね?」魔女に訪ねられた。
どうやら僕の外見を見て、どこかの魔女の使い魔でその使いで来たと思われたらしい。
僕は口を開き
「いいえ、違います。僕は使い魔ではなく、ただの飼い猫です。お願いがありまして来ました。」
僕は老婆にここへ頼みがあって来た事を率直に伝えた。
「ただの、猫が魔女の所に来るのは珍しいね。頼みこととはなんだい。」
老婆は近くのあった椅子に腰掛け僕の話を聞く体勢に入りました。
「ご主人様が事故に遭い大変な状態です。死神が迎えに来る前に助けてほしくて来ました。」
僕はご主人様の命を助けてほしい事を魔女に伝えた。
だが、魔女は悲しそうな顔をして首を横に振りました。
そして、困ったように僕に話をしました。
「人には出来ないことが沢山ある。魔女と呼ばれても所詮は人じゃ
人が人の命を操ることなど出来ない。ましてや生き返らせたり等は出来ない。
出来るのは助ける為の手助けをほんの少ししか出来ない。この世に生きるものには、必ず役割はある。
死神だってそう人の命を奪う為に魂の回収をしている訳ではないのだよ。」
「では、何の為にいるのですか、僕には大切な人を奪って逝くようにしか思えません。」僕は魔女に泣きながら訴えた。
魔女は僕の涙を拭いながら話しました。
「死神は今生で生を終わらせた命たちを迷わず来世へと転生が出来る為に迎えに来るのじゃよ。」
「それでも、僕は死神に会いご主人様を助けたいです。死神に会う方法を教えて下さい。」
僕は魔女に死神と会う方法聞きました。魔女は困りながら僕に話しました
「死神はこれから死に逝く者としか、会うことは出来ない。ましてや生者が会うとなると難しいことになる。
じゃが、可能性はゼロではない。会えるかどうか、お前さんしだいになる。」魔女は言いました。
そして僕に死神に会う方法とご主人様を助ける希望を教えてくれました。それはあまりにも悲しいことだけど。
僕は魔女に礼を言い魔女の家を出て行こうとしたとき、玄関で女の子に、抱きかかえられ雨で濡れないようにと、雨具を着せてくれました。
「ニャーニャー、またね。」と言い僕を降ろしました。
僕は女の子に礼を言い雨の中を走って行きました。
僕は女の子の気遣いに涙を流さずにはいられませんでした。
私は、今朝の出来事を思い出していました。
先日弟が遠足に行ったときに撮った写真を学校帰りに取りに行ってほしいと母に言われました。
今日は委員会もあり、遅くなるから、妹に頼んでと母に言いました。
妹は面倒くさいから、嫌がりました。それに自分は忙しい。
と文句を言いました。が、本当は最近発売されたゲームを早くクリアしたい為に嫌がりました。
隣で弟が困った顔で私の事を見上げていました。
今にも泣き出しそうな風に目を潤ませた弟の顔見たら、初めての遠足の写真が早く見たいと無言でおねだりをされてしまい。
私は、可愛い弟の頼みを嫌とは言うことなど出来ませんでした。
授業が終わり委員会が終わるまで、時間が普段より終わる時間が遅くなりました。写真屋さんが閉まる時間がギリギリになってしまう為、バスを降りて横断歩道が青信号に変わり、車が来るかどうか確認して渡ったが、視界が悪いこともあり曲がってきた車と接触してしまいました。何が自分の身に起きたのか正直わかりませんでした。
ただ、雨に濡れ体が冷えてきて、少し離れた所に私の傘が、転がっていた。
周りの人の話し声が聞こえましたが、私はうつろな意識で、今朝の出来事を思い出していました。
耳には雨音と、遠くから聞こえてくるサイレン音。私の意識は・・・途切れていきました。
病院の手術室で医師や看護婦たちが必死でオペを行っていった。
それを屋上から無言で見ている人影があった。黒いフードをかぶり、
釜を片手に持っていた。雨が降っているのにその人物は濡れもせずにいた。
僕は病院に着いた。そして、屋上に向かった。屋上に出ると人影があった。
僕はそれ見て、本能で感じた・・・死神だと。人影は僕の視線に気がつき振り向いた。それは、まだ年端のいかない少年の姿だった。
死神は口を開き、僕に囁いた。
「あの人間を連れて行くなというのか」僕の言おうとしたことを口にした。僕は頷いた。
「人間の気まぐれで捨てられたのに、人間を助けるのか」と死神は問いかけた。死神は僕の生い立ちを知っていた。
僕は、動揺せずにはいられなかった。
死神は口を開き
「不思議なことなどではない、自分は死を司るものだ。
どの生き物がどんな生き方をしていたか知っていて当然だ。」とあまりに当たり前の出来事のように単調に語った。
「なら、僕がご主人様に拾われどれだけ、幸福だったか知っていますね。お願いです。ご主人様をつれて逝かないで下さい。」
僕は死神に頼んだが、死神の回答は絶望的だった。
「人には与えられる寿命は決まっている。
理不尽に思えてもそれは決まっていることだ
君のご主人様の命が尽きてしまうことも決められた天命だ。」
罪を犯していて、のうのうと生きている悪人がいるこの世の中に、罪を犯してないご主人様の死も決まっているなんて理不尽にも程があり過ぎる。僕はただ、ただ泣く事しか出来ない。ご主人様がいない世界を僕はどう生きていけばいいのだろう。
ただ、黒猫というだけで僕は生まれてすぐに捨てられた。
そんな僕を受け入れてくれたご主人様に僕は何も恩返しをすることが出来ない。僕は・・・決心した。そして死神へ取引を持ちかけた。
自分は今まで多くの生との別れをしてきた魂を連れて行った。
そしていつの頃からだっただろうか、生者は自分のことを、死神と呼ぶようになった。
今までいろんな魂を回収してきた。
そのたび、これから死に逝く人、家族、友人等の人悲しみ嘆いていた。
また、生まれ代わり再び新たな生を歩むというのに、何故悲しむのか、自分には理解すること等で出来なかった。
そう自分には生きる者には必ずある。
喜怒哀楽の感情など存在などしていなかった。
そして誰もが自分に会いに来るなんて事は一度もなかった。
そう今日までは、自分はまた今日もこれから生を終わり死の瞬間を迎えるまで、待っていたのだ。そしてまた回りの人々の嘆きを見ているだけのはずだったが、小さな来訪者の訪問については予想外の出来事だった。だが、決まっている規則伝え小さな来訪者は、今までと同じ周りの人々と同じように嘆くだけ思っていた。
だが、泣きじゃくる猫は、何かを決心し死神である自分に取引を持ちかけた。
「死神、僕の寿命すべてをご主人様に与えることは出来ないか。」そう僕は決断した。たとえ僕の十数年しかない短い命でしかないが
それでも少しでも長く生きて幸せな人生を歩んでほしい。僕はご主人様のそばいる事はできないが、たとえもう二度と笑顔を見ることが出来なくても幸せになってほしい。
「お前は、それで良いのか、猫の寿命はわずか十数年しかない。そしてこれは規律違反になり、二度と生まれ変わる事は出来ない。」
たとえ、生まれ変わったとしてもご主人様を大好きな今の僕じゃない。
そして、僕の大好きなご主人様もいない世界。
僕が好きなご主人様のいない世界よりは、たとえもう一緒にいることが出来なくても、幸せになってほしい。
辛いことや悲しいことがたくさんあるかも知れないけれども、それでも僕はご主人様が笑顔で過ごせる幸せが訪れることを願います。僕の残りの寿命はそんなにも長くはないけれど、それでもご主人様には少しでも幸せに生きてほしいです。僕自身の自己満足でしかなくても、大好きな人には笑っていてほしい。それだけが僕の願いです。
あまりに、純粋な猫の思いを死神は受け止めました。そして死神は悲しい猫の願い事を叶えました。
女の子は、危篤状態から奇跡的に回復をしましたが同時に悲しいお別れでした。
女の子が助かると同時にセーレムは、だんだんと消えてゆきます。
「ありがとう」
たった、一言のお礼を死神に言い消えました
死神の頬が一滴の涙で濡れました。
そして、いつの間にか雨が止み空は雲ひとつない青空でした。
女の子は、たくさんの辛い事や悲しい事を体験しましたが、一日一日を大切に生きていきました。大切な猫と死神に助けてもらった。残りの人生を大切に幸せに過ごしていけるように沢山の努力をしました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。