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町の様子は

エブリスタで別作品書いてたが、完結したから戻ってきた


3章完結まで書きたいけど、気分屋なのでね☆

「まずはドワルガ王国の領主館に向かいます。そこにいる元高位軍人のカティナに話を聞く予定です」

「王様が言ってた連絡が途絶えてたってやつ?話を聞くのは構わないけど、街中に災害獣クラスの者がいるってのは?」

「今こうして町に入っても何も起きていない。魔力感知は刺激するかと切ってますが、五感からは大丈夫と言ってます」

「ディーエ、やるな」


町に入り、まずは向かう場所を決める。

何故かミグアがディーエを下に見て扱っているが、気にしないでおこう。今のあたし達の中で一番弱いのがディーエなのだから、実力序列上仕方のないことだ。


町に入っても災害獣クラスの者を刺激しなかったのは都合がいい。こちらが自身の一挙手一投足を鑑みて行動しなければならない自体が避けられたのだから。

領主館へ向かうこと自体に問題はないし、今の段階で襲ってこないということは…こちらが不用意な行動を起こさない限りは大丈夫だろう。


「デルス、領主館ってどこ?」

「あそこですよ」


デルスが指さす先は町の大通りの終着点。広場にほぼ隣接するように見えていた。領主館の目の前にはバザーみたいな市場になっているし、人だかりも多く見える。

そんなところに領主館置くの?配置間違ってない?


「元高位軍人なので警備扱いにもなるんです」


あたしの顔を見て察したのかデルスがフォローを入れてくれた。元軍人であれば警備兵を多数配置するよりも抑止力になるのだと。

確かに窃盗や強盗、殺人程度の事件なら高位軍人クラスが一人いればこの程度の規模なら容易に解決できる。空間の記憶を呼び、事件内容を把握し、広範囲識別で場所を特定し、範囲指定の簡単な魔術攻撃なんて平気でできる。


そんな者が一人いれば治安は十分だ。ならば配置するべきは一番人だかりの多い場所だろう。治安の悪いところなんて事件内容の把握なんてせずに加害者への攻撃だけでいいのだから。


「納得。それじゃ向かうとして……もう日が落ちそうなんだけど。宿は?」

「カティナが用意してくれますよ。忘れてたなんてことなら領主館のベッドでも借りましょう」

「行き当たりばったりね…」


デルスの答えに溜息をつき、暗くなりつつある大通りを行く。都市の外から大通りまで直通なのは道案内という意味では非常に助かる。

全員が身体強化の魔術や魔力操作を切り、歩く速度を町中の人と同じ程度にしていた。理由は簡単で、身体強化した状態で町に入るとぶつかっただけで死人が出かねないがためだ。


きょろきょろと見渡しながら歩く。デルスやディーエは来たことがあるのかもしれないが、ルミナやミグアは初めてであり、新鮮に見えるものも多い。

例えば街並みに見える刻印魔術。壁の強度を高めたりといった特性を持たせる魔術だが、首都にあったものとは違う。ここの土や石に合わせた強化魔術へ調整をしているものだ。首都では専門の建築魔術を使い良質な土へと変換して建築素材にしているが、コルドークではそれほどのコストをかけられないのだろう。


こんなところに災害獣がいるなら暴れてないのだけは確かだ。災害獣が一体いれば止められることはできずに都市は崩壊するだろう。

気になるのは災害獣相当の力の持ち主が何の動きも見せていないこと。どうやら私たちに害がないと判断されたと見るべきなのか……それとも。


「デルスにディーエ、動きが無いのはどちらだと思う?」

「どちら?」


ミグアが真っ先に反応したが、意味を汲み取れてない。言葉を素直に受け取るミグアにはまだ伝わらないか。


「まだ分かりませんが…キグンマイマイのような罠ではないですね。ガイード殿に確かめてもらえば分かりますが、私たちに異常が起きている様子はない」

「デルスの言う通りだ。我らに異常な状態を強いる罠を仕掛けるタイプではないな。土地自体におかしなことも起きていない」

「つまりはホントに気分でここにいるだけってこと?だとすると知らず知らずのうちに藪をつつくのが一番困るところね」

「ルミナさん、藪をつつくって…?」

「あ」


思わずあたしにある断片の知識から変に言葉が出てしまった。ディーエの疑問も当然であり、ドワーフで同じ意味になるのは「洞窟を掘り起こす」とか、その辺りだ。


「洞窟を掘り起こすようなもの。何が出てくるか分からない」

「災害獣は複数いるから、どちらが出てきてもおかしくないと。知らず知らずに出てくる要因を作るのが困る、なるほど」

「ミグア?何で知ってるの?」

「何でって…あれ?」


絶対に知らないことをミグアが知っている。あたしの魂と繋がっているガイードと繋がってるのだから、そこから知った可能性は高い。

けれどちょっとした会話で、疑問に思ったから答えるだけって時、そこでこれだけ早く知れるものなの?


魂の繋がり経由の会話は思考が加速するような時間感覚だからおかしいことではない。うまく利用できているかどうかだ。あたしよりも上手く利用できているならあたしも知っておきたい。


「ミグ」

「話はそこまでです。着きましたよ」


ルミナの言葉はデルスに遮られる。いつの間にか領主館に到着していたという声に。

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