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訓練の結果

成長過程はばっさりカット。どんな成長したのかの特徴だけ描写


ルミナもミグアも現地人からすればバケモンですわ

「こんなところね」

「そこまで」


一月の時間が過ぎた。一月の時間はルミナを高位軍人なり立て程度なら組み伏せる程度の成長を促した。しかもゼルを使わずに、だ。

実際に今組手を行って地面に叩きつけられたディーエは高位軍人になったばかりだ。彼は感知系に特化しており戦闘技術は高くないが、それはあくまで高位軍人の中での話だ。ただの正規軍人程度なら足蹴り一つで吹き飛ばせるほどの強さを誇る。


そのディーエを地に伏せるというのは少なくとも高位軍人と同等程度の力量を持っていることを示している。何よりルミナはそれだけの力量をとあるハンデを持っている上で得ることに成功していた。


パチパチと拍手を送るデルスに息切れを抑えてルミナは近寄る。普通の高位軍人なら悪いところがあったか聞くためだが、ルミナはルーナの知識がある以上自身の悪いところは分かる。

単純に拍手を送られて気になったからだった。


「魔力放出ができないのによくそこまでできるようになりましたね」

「それは空気中にでしょう?。大地にはできる、それだけで十分よ」


空気中に魔力放出ができないというのは言い換えると空を走れないということだ。高位軍人ならできて当然の技術だが、ルミナはその性質上できない。ハンデというにはかなりひどいものだ。が、空を走れないだけなら叩き落とせばいい。自由に空を走る高位軍人相手に困難なことだが、ルミナはやりきった。


それも無手でだ。ゼルどころか武器一つ使っていない。


「魔力操作はあんたに追いつきそうね。大気中への魔力感知ができないのが厄介だけど」

「私に追いつけるのが見えた時点でよっぽどですよ。ルーナ様の知恵があるとはいえ福音だと言われるだけはありますね」

「……それに大気中への感知と放出は最悪ガイードを頼ればいいかなって」


デルスから離れつつほんの小さな小声でルーナは一人ごちる。できないなら頼ればいい。ルミナという複数の魂から成る存在からすれば当然の思考だが、マトモな者なら一つの魂しかなくそんな真似はできない。


「なるほど……確かに」


五感を強化しているデルスはその独り言は聞こえていた。そしてガイードという存在も知っている。ルミナがどういう考えをしているのかが理解できた。

デルスがただ唯一知らないのはガイードの性能だけ。視認し、魔力総量こそ分かっているものの大したことがないと判断できればルミナはそこまで危険な存在ではないと言える。

ガイードを知らないからこその反応だった。


「今度は私とやる?」

「絶対に嫌。ミグア全力で来るじゃない」

「当然」

「今の私じゃ空を走るミグアの速度追いつけないって分かってるでしょ?」


ルミナはミグアのところへ歩き話す。ミグアは既にガイードとの魔力混濁からの再構成が完全に完了し、マイマイの能力を生かしてその構成し直した力を存分に発揮していた。

そもそもマイマイの能力は「憑りついた生命体の力を十全に発揮できるように身体を変質・構築する」ことにある。そこにガイードという災害の力が混じったらどうなるか。


それは訓練の初日から分かった。否、分かられていた。


「ミグアは見るだけ。それ以外は禁止」


初日、デルスが出した指示はそれだけ。ルミナは憤慨し抗議したが、理由が分からなかったからだった。

そして今はルミナにも分かる。身体能力に関してはミグアは見ただけで自らができるかどうか判断でき、できると判断したなら確実に行うことが可能なのだ。

半月ほど経った時に一度ミグアの全力を見せてほしいと言ったら、それまでに見た高位軍人の動きを最適化した集大成のような動きをした。消耗が激しいからそんなにできないと言っていたが、それだけでデルスが顔を引きつらせるくらいのことだった。

あたしもズルいと本気で思ったくらいだ。


ただ魔力操作といった身体能力だけに依存しないものは別らしい。見てもそんな簡単には真似できず、それなりに見たり似たような使い方をしてみたりしないと使えないとは本人の言葉だ。


それでも魔力放出といった技術は問題なく使えているのが羨ましい。


「地面はできるからやり方は分かるんだけどなぁ……」

「ルミナはルミナのやり方でやればいいだけ」


ミグアの慰めは理解できるから腹正しい。ガイードという存在がいるのだからそちらに任せろと言いたいのだろう。それは間違っていない選択肢……どころか最適なものだろう。

だが選択肢は多い方がいい。もしガイードに頼れない時が来た時、空を走れずマトモな戦闘ができないということだけは避けたい。


(少しいいですか?)


はぁと溜息をつくルミナに、通信魔術が届く。魔術の発信元は、デルスだった。


この一月、ルミナとミグアは何も戦闘訓練だけを行っていたわけではない。使える魔術は多い方がいいと通信魔術や身体強化魔術、他にも属性を持った魔術の使い方といったことを学んできていた。

ルミナは魔力感知や放出の技能はその性質上できなかったが、空気中に直接関与しない魔術なら問題なく使えることができた。

そして学ぶ身体はルーナであり、当人の成長性はルーナをして凄まじいという程だ。数日でルーナの知識をほんの僅かでも使えるようになった程の才能が暴れ回るが如く発揮された。


結果、ルミナは学んだ魔術に関しては全て行使可能となり、高位軍人であれば使えるべきと推奨されるものは全て会得した。

これについてはルミナがミグアに身体能力でズルいと言ったのに対し、ルミナは魔術習得速度でズルいとミグアに言われていた。


ちらりとデルスの方を見ると高位軍人の訓練指揮をとっている。話せる時間が惜しいということか。


(ワグム王が呼んでいます。一月訓練した結果を知りたいようです)

(分かったわ。あたしもお礼の一言でも言いたいし。先に行ってるわ。ミグアは?)

(いた方がいいかと)


デルスからの通信魔術はそこで切れた。

一月ともなれば一つの目安と言えるだろう。あたしみたいな者を国に入れて客人扱いしたことを判断するには丁度いいというところだろうか?。

ガイードから聞いた限りではゼルに興味あるって話だから別のことかもしれないけれど、どちらにせよ会わないという選択肢はない。


「ミグア、それじゃあ行きましょう。」

「うん」


デルスがまだ訓練指揮をしている中、ルミナとミグアは先に王のいる部屋へと向かうのだった。


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