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邂逅

これにて二章は終わりです!。年内に二章を終わらせるという目標だったから到達したぞー!


年内に更新の予定はないけど、設定は出すかも

どれくらいの時がたったのだろう。微睡みの中にありながら、立ち上がって手を伸ばし続けるようなことをずっとしている気がする。「起きなさい」

何故こんなことをしているのだろう。いや、それは忘れていない。彼女が、紅目のあたしが立っていろと言ったからだ。「聞こえてないのかしら」

だからここで


「起きなさいルミナ!」

「たっ!?」


ガツンと拳骨が頭に落とされ、ルミナの意識が一気に覚醒する。いててと頭に手を当て、ルミナは目を開く。その先にあったのは紅目をしたルミナの姿。


「立っておきなさいと言った癖に立ちながら寝るとはいい度胸ね。身体を乗っ取ってもよかったのよ?」

「あー…ごめんなさい?」


言葉からして立っていろと言っていたあたしで間違いないみたい。あの後見えなくなって、一人になったから手を伸ばして立ってたんだった。

で、眠かったからうとうとしてた。確かに怒られても仕方ない。


「はぁ……まぁ私も限界まで戦ってたから乗っ取るなんて真似はできなかったけど。あなたが起きれば即座に支配されておしまい。それなら最初からあなたが起きてた方が混乱がなくていいわ」

「よく分からないけど起きればいいのかな。それなら……あれ、トカゲは?」


周りを見渡してもあの時いたもう一匹(?)の姿はない。一緒にいたからいつも一緒にいるのかと思い込んでいたけど、違かったみたいだ。


「ああ、ガイードなら表にいるわ。あなたが作ったバングル、あれが左側だけになって竜の顔をしてるわ。そいつよ」

「ガイードって名前だったんだ。話し相手として出してくれたのかな?。一人だとなんか味気ないなーって思ってたから丁度良かった。……え、バングル?」


思いつくのは二の腕に装着していた漆黒の二つのバングル。災害獣ガイカルドとの戦いの後、その死骸を回収するために作った代物だ。

あれが……え、じゃあガイードってまさか。


「随分と呑気な……、何でこいつに私乗っ取られたのかしら?。いえ、止めましょう。そんなことよりガイードは優秀よ。今のあなたよりも遥かに強いわ」

「待ってちょっと待って!。情報が多過ぎて訳わかんない!!。とりあえずガイードってあたしに何か変なことしたりしないよね!?」

「ルミナと一緒にいたいって言ってたから大丈夫じゃないかしら。あと今のあなたの状況ね」


混乱しつつあるあたしを紅目のあたしは落ち着かせ、あたしが今どんな状況にあるのかを教えてくれた。

災害獣キグンマイマイはガイードと紅目のあたしが倒した。昔付き合いがあったからドワルガ王国というドワーフの国に頼っている。王様に鍛えてくれるように頼んでおいたから、馬鹿みたいな成長のために無茶をするな。

そしてガイードは想像以上に優秀であり、あたしの身体さえも扱って昔紅目のあたしが使っていた寝室まで行って眠っているとのこと。


一度落ち着いたとはいえまだ混乱してる。あんまり情報が多過ぎてどれもこれも詳しく聞きたい。


「独力でとんでもないスピードで成長していっていたのは間違いないわ。人間にすれば生後4日で6歳まで成長したようなものかしら。私の知識がベースにあるのだからそれくらいしてもらわないと困るわね」


ドヤ顔をして誇る紅目のあたし。自分でもむすっとしてるのが分かる。あんたの知識がベースにあろうと成長したのはあたしだ。勝手に自分のおかげだみたいにしないでほしい。


「ああ、それとミグアはあなたを裏切れないように躾けておいたわ。もっとも、その必要があったかも分からないけど」

「躾け、って……。ミグアは人でしょ?。ペットみたいな扱いはしてほしくないな」


眉をひそめ、明確に嫌だという意志をしめすあたしに、何を言ってるんだという顔をする紅目のあたし。一つ溜息をついて紅目のあたしは軽く説明をしてきた。


「ペット扱いはしてないわよ。けれど子供は躾けるものでしょう?。あれはあなたから見ても子供なのだからそれで間違ってなんかいないわ」

「そう……なの?」


どうやらあたしもミグアも紅目のあたしからすれば子供もいいところらしい。だから悪いところはダメだと言っているのと同じだと、そういうことみたいだ。

あたしも子供と言われて否定できないのは事実。まだ十数歳で4日くらいしか魔力操作に……。4日?、あたしはずっとこの世界にいたはずだし、十数歳なんてことはないはず。これは一体?。


疑問に囚われるあたしを横目に、あっと何かに気づいた紅目のあたしは悲しそうに目を伏せる。


「ええ。っと、そろそろ時間ね」

「え」


精神の領域、暗い水中にいるルミナは水面の方へと浮かんでいく。突然だったがために体勢を整えられず溺れる子供のようなことになっている。

だが息はできるので単純に混乱しているだけだ。


「っとぉ!?」

「目が覚めたら存分にドワーフに頼りなさい。彼らは私……ルーナというドワーフを知らない者はいない。必ず助けてくれるでしょう」


腕を組み、悲しそうな顔をしながら紅目のあたし……ルーナが見送ってくれる。何でそんな顔をしているのかは知らないけれど、かつて助けてという言葉に応えてくれた誰かさんはきっとルーナだ。


こんな状況じゃなくて、ちゃんとした場所でありがとうって伝えたい。けど、でも伝えたい気持ちは先走ってしまう。


「ルーナ!、ありがとう!」


ルーナに向けて、ルミナは無垢な笑顔で感謝の言葉を飛ばし、一気に水面へと昇っていく。一瞬で暗い水中から引き離され、ルーナの姿が見えなくなっていく。


それはルミナという身体の主導権が元に戻ったことを意味していた。



一人、暗い水中の中に取り残されたルーナは、ルミナから受け取った感謝に複雑な心境でいた。


「……馬鹿な子。私が巻き込んでいるというのに、それを受け入れるなんて」


涙を目に溜めて笑顔を浮かべていたルーナは、小声でありがとうと呟いた。



この十日後、ルミナは目覚めることになる。


十日の間にキグンマイマイの討伐は五大種族に知れ渡った。種族そのものを敵にしていたキグンマイマイとはそれほどの脅威だったのだ。そしてその立役者がルミナと王、王妃に高位軍人であることも同時に知れ渡ることになる。


だがそれは、分かる者たちからは「ルーナ」が再び現れたことを示唆していた。故にルミナの歩む道には、ルーナの影は常に潜むことになるのだった。

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