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諦めは肝心

仕事が忙しくてストック追加が追いつかない。


プロットはできているのに……ぐぬぬ。

「何でできないのぉーっ!?」


ルミナの叫び声がバウル平野に響く。魔力操作が予想以上に簡単にできたから調子に乗っていたルミナだが、魔力放出となると途端に難易度が高くなっており苦戦していた。

もしここにドワルガ国の教育を行っている教師がいれば当然だと答えるだろう。そして魔力操作の熟達速度にふざけるなとキレることも間違いない。


魔力操作は習得はそこまで難しくないものの、その練度を高めるのは険しい道のりがある。だが魔力放出は逆であり、習得が非常に困難なものの、その練度を高めるのは簡単なのだ。習得さえすればその後に必要なのは想像力、イメージする力だけであるため魔力操作の方が難易度が高いとさえ言われている。


ルミナは両手を合掌し、少しだけ両の手の平を離す。


「こうやって……魔力操作の容量で手の平に魔力を集めて…そこから間に集め……わっ!?」


全貌へ飛び跳ねながら移動していたルミナの魔力が暴発し、後方に数m飛ばされる。衝撃で吹き飛ぶというのは魔力放出がうまくいっていない証拠だった。


「痛たたた……。あれぇ?、おかしいな。あの時の感覚とほぼ同じ感じなんだけど」


ガイカルドと戦った時、あたしではないあたしが空を駆けた時と似たような感覚はある。方向性は間違っていないはず。

……ただ何か足りない気もした。


「うーん……何が足りない?。魔力は有り余るほどにはあるし、魔力操作もそれができないわけがない」


例えルーナの知識があろうとルミナが気づけないのも当然だった。

魔力放出は自身の魔力を自然に放出させ、外気の魔力を適応させることで完成する技術である。が、ルミナはまだ自身の魔力と適応させるべき外気の魔力が感知できていない。

本来学ばなければならない魔力感知という技術をすっ飛ばしているため覚えられないのだ。

さらにルミナにはそもそも適応できる外気の魔力というものは滅多に見当たらない、ということもあった。


「……とりあえず魔力操作を腕の方でも使えるようにしようか」


ルミナは魔力放出の習得を一度諦めることにした。

難易度が高すぎるものは後回しだ。それ自体は悪いことじゃない。いつまでに覚えなければならないとおいう訳でもないのだから、ゆっくりと会得していけばいいだけだ。

なら先に別のできることをやる。


ルミナは跳びながら足に使っている魔力操作による強化を腕にも行う。こちらは移動距離という分かりやすいものに出ないため、うまくいっているかが非常に分かりづらい。


「それなら……ゼル!」


ゼルの名を呼ぶ。同時にルミナの指輪が変化し、ルミナの背丈の倍はある大槌へと変貌していく。内包する力は相変わらず途轍もないものであり、周囲に圧力でも発生させたかのようにすら錯覚する。

だがルミナは持ち主であるがためにそれに気づかない。便利な武器兼道具のような物と認識していた。


「ゼルに魔力を纏わせるような操作。ガイカルドをぶっ壊したあの時にできてたんだからできる……はず」


ルミナは少しずつ魔力をゼルに流していく。身体から両腕へ、そこからゼルへ。予想以上にスムーズに流れていくことに少し驚きを覚えつつも、問題なくやりたいことができたことに安堵の息をつく。

どうやらゼルの機能はあたしが思っている以上に優秀なようだ。

武器に纏わせるのは魔力操作の応用だからそこまで難しくないが、それはそれなりに使った武器だったらの話だ。一度二度でほぼ完璧な操作になっているなど余程の業物なのだろう。


「で、問題はここから。ゼルをこのまま指輪へ戻す」


言葉に出すだけでゼルはルミナの指へと指輪になって戻っていく。

ゼルには魔力を蓄積する機能があることは分かっている。纏わせていた魔力はそのままゼルに内包され、無駄にはならないことも。

ゼルを握っていたところから魔力が自然に流れていくのを魔力操作で止める。こうすることでゼルに纏っていた時、腕にどうやって魔力が流れていたかがなんとなく分かる。


「……ふーん?」


意外というほどでもないのだが、ゼルに魔力を纏わせる時は肉体強度の強化が中心になっているらしい。魔力操作を行って強化しているものであり、足の時より遥かに精密な強化が行われている

それはまるでガイカルドを破壊した時の魔力操作技術、ルーナのそれのようだった。


「あたしよりもあの時のあたし寄りの操作になってる。……ゼルのせい?、それとも身体?」


あるいはそのどちらも?。続けてそう言葉にしようとしたが、草原の草の丈が低くなっていっていることに気づき言葉を呑み込む。


飛び跳ねていた足を止め、視力を強化するように魔力を操作する。

魔力操作は足から行っていたが、目だけは特別だ。ガイカルドを喰ったとき、新しく形成された目はそれだけで魔力を帯びており、自らがこうしたいと考えただけで最適な視界になってくれる。

魔力視すら行える上、視界内の認識速度を上げ下げすらできるのだ。これについてはルーナと同格かそれ以上と言っても過言ではなかった。


「バウル平野が終わって……テアマ盆地に、かな」


丈が高い草原、バウル平野を抜けると足首からふくらはぎくらいまでの草しかない草原に出た。

テアマ盆地は確かにこういう環境だったはずだ。記憶違いはなく、おおよそ予想通りのものだった。

違いはただ一つ―


「嘘……なんでここに……町が!?」


―開拓がほぼ完了し、一部は城壁すら形成された町が作られていたことだけだった。


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