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第七話 イルージ村到着

巧亜「そういや、全然ボケてねえ!」

アイリス「大丈夫です。存在自体がボケてますから」

巧亜「ぎゃふん」

なんて会話は無いと思います。


誤字訂正しました。

 一ヶ月ほど経ち、すっかり今の生活に慣れていた。


 チート級の身体に慣れるまでは、狩りをしても獲物を木っ端微塵に吹き飛ばしたりしていたが、今では加減も覚えているが、

普段の生活では、あえて人族の平均であるC位の身体能力に抑えている。


「そろそろ大森林を無事通過出来そうだな」


 始祖竜の住む山から大森林を越え、一番近い人里に向かっている。


 世帯数50もいかない比較的小さい村のようだ。


 村に行ってゆっくり出来そうなら少し滞在しても良いかなと考えている。


 そうこうしてる内に無事に大森林を抜けたようだ。

 大森林を迂回するように街道が走っている。


「街道に出れたな。アイリス、これを左で良いんだっけ?」


《はい、今のペースですと約38分程でイルージ村に着きます》


「おぉ~、いよいよ初異世界人との遭遇だ。どんな村か今から楽しみやわ」


《イルージ村について説明しましょうか?》


「いや、いいわ。着いてからの楽しみにしとく。何か有ったら頼むわ」


《承知しました》


 そんなことを適当に話しながら歩いていく。


 やがて、前方に畑が見えてきた。幾人か農作業をしているのも散見される。


「おぉ、やっと着いたか。これは麦畑かな、結構でかいな。さぁて第一村人発見かな♪こんにちはー、ここイルージ村で合ってますー?」


 作業している人に向かって巧亜は声をかける。


「ん~?そうだよ、ここがイルージ村だよ。ここら辺は畑ばっかしだけどな」


 なかなか人の良さそうなおっさんが答えてくれた。

 のどかな場所の影響なのか、愛想の良い態度に巧亜は喜ぶ。


「気ままに旅をしているんですがこのまま村に入っても大丈夫ですかね~?」


「あ~、一人旅とは若いのに威勢が良いなぁ。この村はたまに訪れる人がいるから大丈夫だよぅ」


「そうですか。じゃ、このまま向かいます。作業の邪魔してすいませんでした」


 第一村人に手を振り、また歩きだす。


「小さい村って言うてたけど旅人の往来は有るんだな」


《それには理由が有ります。始祖竜に会う為に、ここに一時滞在するからだと思われます》


「あぁ、そういうことね」


 ぽつぽつと木造平屋建ての家や、畑の間に続く道を進んでいくと他の村人とすれ違う。


 村人達と一言二言会話を交わし、教えて貰った宿屋に辿り着く。

 宿屋だけあって周りの民家とは違い三階建てだった。


「いらっしゃい、あれ?お一人さんかい?」


 宿屋に入ると、恰幅の良い女性が巧亜に話しかけてくる。どうやら宿屋の女将らしい。


「ええ、一人ですよ。気ままに旅してるものですから」


 少し前まではお一人様では無く、お太り様でしたけどね。

なんて自虐的なネタを心のなかで呟きながら、促されるままに宿帳に記入し、お金を払う。

 個室と大部屋で値段が違うと説明されたが、大部屋で他の客と雑魚寝は勘弁してほしかったので二階の個室にしてもらった。


 ちなみに払った代金は始祖竜の所に有った誰かの遺品である。

 ゼウスからも資金的な物をもらっていたが、全て宝石だった為、大変ありがたかった。


「灯りやお湯が要るなら後で言っとくれ。別料金になるけどね。

まぁ、うちは裏に井戸が有るから、そこで体を拭くことも出来るよ。今の時期なら少し歩いて川に飛び込んでも良いさね」


「駄目元でお聞きしますが、お風呂は有ったりしないですか?」


「おや?風呂に入りたいだなんて、もしかしてお貴族様でいらっしゃいましたか?一応風呂は有りますけども、薪代が少々かかりますよ?」


「あ、いや、お貴族様では無いですよ。ただ故郷にはお風呂に入る習慣が有ったもので」


「あぁ、びっくりした。お貴族様に粗相しちゃったかと思ったじゃないか」


「あはは、それはすみません。それじゃ、自分で桶に水を組んで部屋に持っていっても良いですか?」


「それは構わないよ。じゃ、この部屋だよ。ごゆっくり」


 そこは六畳程の広さで家具はベッド位しかないあっさりとした部屋だった。

 適当な床に荷物を下ろす。


「まぁ、こんなもんか。お、これが藁で出来たベッドか。アルプスの世界や~」


 どうでも良い所でテンションが上がっているようだ。


「取り敢えず、体を拭いてさっぱりするか。」


 アイテムBoxから桶と手拭いにしている布を出し、桶に魔法で水を入れて満たす。


「んでもって、お水を暖めて~お湯にします~。いやぁ、魔法って便利ですなぁ~」


 山籠りしている間にアイリスに魔法の使い方も習っていて正解やったなと、ご機嫌で体を拭いていく。

 さっぱりした所ではたと気付く。


「あ、残り湯どうしよ」


 一階の先程女将さんが居た受付に行き、どこに捨てれば良いかと尋ねる。


「そんなもん、外に適当に撒いときゃ良いよ」


 アバウトだった。流石に入り口前だと怒られるので裏の井戸近くに撒いておいた。


「女将さん、少し散歩してきますんで」


「なるべく暗くなる前に戻って来なよ。酒場の灯りが勿体無いからね、それまでに夕食も食べて欲しいのよ」


「わかりました~、了解です~」


色よい言葉を返し、巧亜はご機嫌で散歩に出かけて行く。

読んで頂きありがとうございます。

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