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第四話 そろそろ異世界へ??

 ゼウスが呼びつけた美人に命令すると、しばらくしてえらく美人の女達がゼウスと巧亜、2人分の食事の用意をしてくれた。


「今呼んだのは、我がいま狙っておる女なのだよ。ここ暫くは我の世話付きをさせておる」


「左様でございますか。あのような美人だど羨ましい限りですわ」


 少し適当に話を返したが、神話で知られるゼウスの好色は事実であったようだ。


 用意された料理を食べながら、ずっと気にしていた事を折角なので聞いてみる事にした。


「それはそうとゼウス様、何故日本人である私を、ギリシャの神であらせられる御方がこんなに良くして頂けるのでしょう?」


「何を聞くかと思えばそんな事か。それはだな、楽しいこと好き仲間である天照神から、家の子が体を張った一発芸を今からするから、是非見てと連絡をもらってな。それでそなたを見たのだ」


 その結果、楽しんだゼウスは巧亜を呼び寄せたらしい。


 日本初の引きこもりである天照大神は、岩戸の前で宴会されて自宅警備員?を辞めた位、楽しいことが好きなのだからゼウスと気が合うのは、納得出来るなと巧亜は思う。


「それに、何故かそなたを家の子呼ばわりする天照神が気になっておったが、先の話で合点がいったわ。

そなたが習っていた道場と奉納先の神社は天照神を祀っておったのだろう。気に入られておったようだな」


「その通りですね。道場は神社に併設されておりました。それに氏子でもありましたしたから、気に入られていたというのは身に余る光栄でございます」



 食事も終わり、雑談を続けていると、ようやく異世界への適応が終わったようだ。


 促されるまま立ち上がり、辺りを見回してみると、視点が変わっていないような気がする。

 少し体を動かすと、嘘のように軽く動き、突き出ていたお腹も綺麗に凹んでいる。服の上から触ってみると腹筋が割れているのがわかった。


 全身をまさぐってみても引き締まった感触には大満足のようだ。

 先程の美人さんの一人が鏡を持ってきてくれたので、顔を確認すると、高校一年時位まで若返っている。


「16才まで若返らせたぞ。だが、急な変化で肉体のバランスが崩れては支障が出よう?

なので身長は変えておらん。成長期が終わると175㎝程になるだろう。」


「成長期の事や体のバランスまで気遣って頂いて有り難うございます。確かに急に軽くなったので少しバランスが取りづらいですね」


「まぁ、それは追々慣れていけば良かろう。あとは装備品や持ち物だな。」


「異世界へは、どこに降り立つ事になるのでしょうか?」


「それは我にもわからぬ。ランダム転移というやつだ。余り変な場所には転移しないとは思うが、向こうに着いたらなるべく早く安全な所に向かうのだぞ。

そなたは結局の所、一般兵士に毛が生えたような強さしか持っておらぬからな」


 一般兵士がどれくらいの強さなのかが分からないので、比較も出来ないが、凡そ街道沿いに旅をするのには、十分であるそうだ。


「なるべく戦闘を避けるように致します。いきなり実戦だ!といわれても困りますしね。では食料と……」


 何を持っていくか、とうとう最後の相談に差し掛かったようだ。

 食料、薬、服、マント等の必需品を貰い、武器防具の話になる。


「旅人で多いのは鞣した革に金属で補強した軽い防具が一般的だな。余り重いと旅には向かぬ。で、武器だが我からはこれを送授けよう」


 渡されたのはいわゆるショートソードといわれる歩兵用の剣だった。あまり装飾されていない、少々武骨な剣だった。


「そなたは古武術で複数の武器スキルをもっておる。この小剣は使いたい武器に変化するゆえ、そなたに合うだろう」


「使いこなせればかなり強そうですね。小剣の見た目も私の好みです。

所でゼウス様、我から……というのはどういった意味でございますか?」


 他の神からも貰えるのかと思うが、一体誰なんだろうと頭をかしげる。


「天照神からこの刀を贈るよう頼まれておる」


 その刀は先の神社に奉納されていた刀だった。

 何度か手にして奉納演舞をしたことも有る。


「天照神から『選別じゃ、息災を祈っている』と言付けも頼まれておったわ」


 これに巧亜は思わずホロリと涙が出た。何もかも失ったと思っていたが、そうでは無かったことに気付いたからだ。

 天照大神に向け、感謝の祈りを捧げる。


「では、そろそろ向こうに行って貰おうか。ほれ、着替えさせてやろう」


 ゼウスがそう言った次の瞬間、巧亜の服装が異世界での姿に変わっていた。早着替え所の話ではない。


「ゼウス様、何から何まで真に有り難うございました。異世界に行って人生やり直してきます」


「良い、向こうでは達者でな。



巧亜よ!そなたの新しき人生に祝福を!」



 ゼウスからまばゆいばかりの光が溢れ、巧亜の視界を視界を白く塗り潰していく。

 そして何も見えなくなったその時、巧亜は意識を失った。

読んで頂きありがとうございます。

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