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第三話 神さまへあれこれ相談

 これは巧亜があまりにも仕事が忙しい中で現実逃避していた時に、異世界に行けたら貰おうと思っていた。


 昼間は営業の仕事の為、外回りで走り回り、夜は資料等の書類を片付ける。毎日どれだけ働いていても時間が足りなかった。


 現実逃避しなければやってられなかったのだ。


 異世界に行ったら確実に娯楽が少ないことは、わかりきっている。ネットサーフィンや、ゲーム、それにもう戻れないとわかっていても元の世界の状況も知っておきたかった。

 巧亜はとにかくゼウスにスマホが使えることが自分に必要なのだどゼウスに訴える。


 巧亜の提案に乗り気なのか、ゼウスはしばし考え込む。 


「わかったわかった。それほど欲しいなら許可してやろう。それにつけてもなるほどな、アプリとして配信するのをこちらの考えで自由に出来ると。これならバレずに色々茶々を……ごほん、そなたにブレーキを掛けることも可能だな」


 異世界に人を送り込むような神様は、その後を観察して楽しむだけでなく、何かしら介入したいのだと巧亜が感じていたのは正解だったようだ。


「では、こうしよう。そなたに転移してもらう世界は、ファンタジーRPGでお馴染みの中世ヨーロッパ風の世界だ。少し我の好みも入っておるがな。」


「ステータスチェックとか出来るど定番の世界ですか?」


「そうだ。そなたのステータスとスマホをリンクし、連動させる。スマホというユニークスキルを授けることになるの」


 どうやらスキル制の世界らしい。そしてユニークスキルということは、取得難度や、その能力でランクが有るのだと巧亜は理解する。


 雑談も色々入れながらゼウスとの話が終わりに近付き、巧亜の能力が決まっていく。


「強靭な肉体は要らんと申すのか。しかしそれだとすぐに死んでしまうかもしれんぞ。危険な場所も多いゆえな」


「ええ、ですからある程度で良いのです。どうせ旅に出ることになるでしょうし、それに耐えられ、そこそこ戦える体であればと思います。

あまりに強いと自分では持て余してしまいます。それでももし必要になったら自分で鍛えますよ」


 過ぎた力は身を滅ぼすと言われてますしね、と言葉を付け加える。


「そんなもんかの。そういえばそなたは元々低レベルでは有るが戦闘系の才能をもっておるのだな。こうやって話しながら、次の世界へ適応させておるのだが、スキルに出てきておるわ」


「本当でございますか。子供の頃にですが近所に有った古武術を習っていたのです。才能がないと途中で辞めてしまったのですよ」


「強さへの憧れはあったのですが、小心者で臆病でもありましたから向いていないと思ったのですよ」


「複数の武器スキルになっておるな。格闘系のスキルも有る。どんな武術だったのか教えてくれんか」


「ええとそうですね、皇大神道流と申しまして刀や槍とか素手で戦うとことを習いましたね。

神社を護る為とか、神様へ奉納するとかの目的で作られた武術であったようです。

今の時代では刀術なんて習っても仕方ないですけどね」


「精神修行もしておったみたいだな、ほんの少しだが魔力も持っておる」


「魔力でございますか?21世紀のこの世界に?」

 ゼウスの言葉に驚いた。確かに氣を練るのだとか言われて座禅させられたりした記憶が有る。


「そうだ。いわゆる氣とか、他の呼び方だとプラーナとかが有ったな。その概念は総じて魔力の事を指すのだ。

そもそもこの世界は、進化の流れで物質に依存していったから、人間は魔法を使えなくなったのだ。それでも今でも形だけは残っておるがな」


 元々はちゃんと有ったのだぞとゼウスは言う。


「では、ある程度の身体能力、魔力、スキルLvの底上げをするので良いか。足りないスキルも幾つか加えておこう。言語読解と会話、鑑定、索敵、アイテムBOX や魔法系のスキルも欲しいだろう?

異世界の知識はスマホで調べたら良かろう。後は外見くらいだが、詳しく述べよ。

そなたの身長だと向こうでは少し心許ないからはっきり申してみよ、というか申せ」


 確かに巧亜は170㎝弱と自身の年代では平均身長を下回っていた。あちらの世界は戦闘する者は、2m近い身長を持つ人間もいるらしい。


 容姿も自分では中の上だ、イケメンでは無いが微ケメンだと、わけのわからないことを言い張っていた。

 しかも確実に年齢より下に見られる童顔だ。本人は童顔なのは気にしてはいないが。


「では先程の希望で身長は175cmくらいで、痩せマッチョにして欲しいです。体脂肪でいうと10%少し切る位が、自分は好きに動けて良かったですね。

顔の作りに関しては団子鼻なので、これを変える位で良いです」


 整形すると、元々の自分の顔と認識のズレが生まれて、精神的に病んでしまうことが有ると耳にしたので、あまり変えたくはなかった。ぶっちゃけビビっている。


「ふむ、それで以上だな。では適応させていくのでもうしばし待っておれ、何か口にするものでも持ってこさせよう」

読んで頂きありがとうございます。

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