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第十八話 神クエスト発令!?

ブクマ200件突破バンザーイ

「おい、お前!今横殴りしてただろう!!」



 両手剣の男(リーダー)が怒り心頭に子供に近寄り、胸ぐらを掴み上げる。

 もう一人の子供はこの光景を見て、あたふたとしている。


「やって良い事と駄目な事ぐらいわかってるだろうが!」

「ご、ごめん……」

「ごめんじゃ無ぇんだよ!!勝手な事をやるんじゃ無ぇよ!」


 リーダーの眉は八の字に歪んでいる。子供を投げ飛ばし、更に睨み付ける。

 巧亜は止めに入ろうとしたが、


「リーダー、ここじゃ……」

「わかってるわ!おい、大蛙集めて帰るぞ!」


 パーティーの仲間が割って入り、止められたリーダーは指示を飛ばして大蛙を集め出す。損傷の激しい個体は捌いてから袋に詰める。


 巧亜は大事にならなくてホッと安堵し、自分が持たされていた荷物の中に有る組立式のソリに、損傷の少ない三体の大蛙を積み込む。


「よし、帰るぞ。お前の持っていた素材と討伐部位を集めた袋はガキに持たせろ。お前はソリを引っ張れ」



 巧亜は言われた通りに討伐部位が入った軽いズダ袋は、小さい方の子供に、素材を集めた重いズダ袋を、横殴りしてた子供に渡す。その時に、

「大丈夫か?さっき怪我してないか?」

と、声を掛ける。


「大丈夫。ありがとう」

(お、素直な子じゃないか)

《そうですね。あ、急がないとまた怒り出しそうですよ》


 慌ててソリが置いて有る所まで戻り、パーティーの後を追う。相変わらずポーターを無視したパーティーであった。


 帰りは比較的戦闘等は行わず、帰還を主目的に進んでいる様だ。

 巧亜の強化された筋力なら、余裕で運ぶことが出来るが地面が均されていない為、少し引っ張り辛いと感じた。



(階層を上がる時の階段が面倒だな。子供らが後ろから押すの手伝ってくれる優しさが心に染みるわ)

《パーティーの方は、本当にこちらには無頓着ですね》


(いくら仕事の割り振りって云っても、この長い階段を昇る時くらいは何か有っても良いと思うんだがな。ここまでくると笑えるわ)


 愚痴りつつ帰還する為にダンジョンを練り歩く。録に休憩を取らず戻っている為に、子供達の足が重そうだ。少しずつだがパーティーと離れつつある。


(ん?後ろから何か来るな……ゴブリンの集団か)


 巧亜の『索敵』スキルに反応が有った。幸い距離が離れているのと、まだ誰も気付いていない様なので、ゴブリンに向けて殺気を放つ。


(離れて行ったな)

 殺気を当てられたゴブリンの集団は、慌てて後退していった模様だ。


 そうこうしている間に無事に安全圏、ダンジョン前の地下広場に戻って来ることが出来た。



 広場にあるテーブルを一つ占領すると、リーダーはパーティーに指示を出していた。素材の納品や帰還報告を任せるみたいだ。リーダーと巧亜達、ポーターがその場に残る。


 おもむろに子供に近付いたリーダーは怒気を含ませ、殴り付ける。


「おいクソガキ、お前には制裁受けてもらう!」

 次々と殴る蹴るの暴行を加えていく。


「おい、何してんだあんた、幾ら何でもやりすぎだろ」

 巧亜が慌てて子供を庇う。


「おいてめぇ、其処を退けよ。ルールを破った者にはキチンと罰を受けさせないといけねぇ」

「だからといって、これはやりすぎだろ!」


 キレて乱暴を働くリーダーに、巧亜は食って掛かっていく。


「やりすぎなんかじゃ無え。わかるか?勝手してこっちの指示に従わないとどうなるか?横殴りしてたのもムカつくが、まず指示を無視した事が駄目なんだ」

 リーダーは巧亜の胸ぐらを掴みこんこんと話し出す。


「指示を無視する奴は、余計な危険を招く。そんな奴なんて誰も雇わねえ。今ここでちゃんと制裁を受けておかないと、こいつの為にならねえぞ?誰もこいつを雇わなくなるぞ」


 正論であった。ぐぅの音も出せず、巧亜に取れる道は無かった。

 暫くすると受付に納品に行っていた者達が戻って来た様だ。リーダーは一瞥すると、制裁を終わらせた。


「おい、クソガキ!ちゃんと反省したか?」

「……勝手してすいませんでした」

「反省したんなら良い。……おい、何だ思ってたより金少ねぇな、お前ら交渉下手くそ過ぎないか?もうちょい買い取り金額上げて来いよ全く……」


 ぼやきながらリーダーは獲得した報酬を分配していく。巧亜に銀貨五枚、子供達には銀貨一枚を渡してきた。


(マジかよ、そういや金額の話はしてなかったけど、約五千円って労力に合ってないぞ。子供らに至っては小遣いレベルかよ)

《巧亜様の認識ですと徒弟制度や奉公などが理解しやすいかも知れません》

(技術を教える代わりに賃金が安いってことか?)

《その通りですが、このパーティーの場合は技術も教えず、更に相場より低い様です》

(ホント最悪だな、このパーティー)



 ポーターへの報酬は年令、経験等を加味して決められる。仕事量に対して巧亜への取り分が少ないのは経験の無さを考慮されたからであった。

 リーダーから解散を告げられたので、良い加減嫌気が差していた巧亜は、さっさとこのパーティーから離脱して出口を目指す。


 移動して少し離れた所で、制裁を受けた子供の事が気になり、心配になった巧亜は後ろを振り返る。子供は制裁を受けた時に足を挫いたのか、歩き辛そうにしている。

 もう一人の子供も一緒に出口へ向かっている様だ。


「大丈夫か?少し手当てをした方が良いな。ここじゃ何だからあそこのテーブルまで行こう」


 巧亜は子供に近寄り手当てを申し出て、邪魔にならない所まで移動する様促す。

 そして、怪我の具合を診ながら色々話をする事にした。

 今更ながらにお互い自己紹介をする。年上の子供の名前はアルトといい、もう一人はエドという名前らしい。


「横殴りなんかしたら冒険者から顰蹙(ひんしゅく)を買うのはわかってたんだろ?何であんな事をしたんだ?」


 巧亜の問いかけに対して、アルトは苦虫を噛み潰した様な顔をした。


「俺が、一番年上だから……あいつらの面倒を見なきゃいけないんだよ!何とかして食わせてやらないと……」


 アルトは思い詰めた顔で巧亜に話す。

 話を詳しく聞くと、アルトは孤児グループを率いており、早く一人立ちしたかった。


「色々有って、前に居たグループから追い出されたんだ。」


 その為に冒険者の目を盗んでは横殴りを繰り返していたらしい。

 来年には成人するらしく、早く冒険者に成って金を稼ぐ為にレベルを上げたかったとアルトは言う。


 その時だった。"ピコン"と電子音が成りスマホが何かを受信したようだ。アイリスが内容を確認してくれる。



《神クエストが発生しました。

 クエスト名:哀れな孤児達をたすけよう!》



(は?神クエストだと?何だそれ?強制クエストでもう受注済み?マジで!?達成条件は?)

《そのようです。すでにクエストは開始されている状態です。達成条件は孤児達の生活基盤の構築です》


「マジか~……難しくね?」

「コーアさん?」

一人ごちる巧亜にアルトが訝しがる。



「いや、こっちの話だ。よし、お前らの面倒は俺が見てやるよ」

と、思ったら1件外されて結局199件に戻ってました(泣)


読んで頂き誠にありがとうございます。

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