第十四話 イルージ村出発
16日に投稿する予定が推敲が終わらずにいた為、出来ませんでした。
すみませんでしたーm(_ _)m
次からは気を付けます。
明朝、まだ日も昇らない内からマーシャは仕事を始めるので、起きるのは早い。
衣擦れの音で目を覚ました巧亜は、着替えているマーシャに話しかけた。
「おはよう、マーシャ」
「あ、起こしちゃった。ごめんね、おはよー」
着替え終えたマーシャは仕事してくるねと言って、部屋を出ていった。
《おはようございます。巧亜様》
「あぁ、おはようアイリス」
ベッドに横たわったまま、昨日の夜の事を思い返す。
「それにしても昨日の夜はびっくりしたわ。まさか自分にあんなトラウマが出来ていたとはな」
《そうですね、人の関係性がどう心に作用するのか、というのは私にはまだデータ不足の様です》
「そんなの専門家じゃない限りわからんよなぁ。まぁ、思い返してみると一人寝の時は眠りが浅かったような気がするわ」
こちらの世界に来てからは、ある程度眠れる様にはなっていたが、熟睡出来ていないことに巧亜は気付いていた。
その理由が改めて解った。ではこれからどうしようと頭を悩ます。
「考えていてもよくわからんしな。しばらくは放っておくか」
悩みすぎてもどうにもならないので、政治家宜しく後回しにするつもりのようだ。
「それより、恥ずかしいとこ見せちゃったし、どう向かい合えば良いかわからんしなぁ……しばらく逃げるか」
どうやらマーシャと向かい合うことすら面倒と感じた様だ。ある意味、今以上心の傷が広がらない様にするための、防衛本能が働いたのかもしれない。
食堂に向かった巧亜は、朝食を取り終え、お茶を飲みながらマーシャの手が空いたときを見計らって話し掛け、しばらくマーシャと会話した後、軽く報告する様に言い放つ。
「俺、ちょっとダンジョン見てくるわ」
「そうなんだ、いつ出発するの?」
「あ、もうこれから旅立とうと思ってるよ。」
「またえらく急に出発するんだね」
「思い立ったが吉日と言うしな。んじゃ、行ってくるわ」
巧亜は、女将さんやミーシャ等、関わりの有る人達にもダンジョンに向かうことを告げて、村を出る。
「行ってらっしゃい、気を付けてねー」
マーシャ達から別れの言葉を受けて、次の村を目指す。泊まる予定の村には、街道を順調に進めば夕方には着くだろう。大森林を横手に見ながら街道を進んでいく。
「良い天気だなぁ。あ、地図アプリを透過して表示してくれ」
《地図アプリをレーダー機能をONにして起動します》
「レーダー機能なんてあるんだ」
《気配察知スキルと索敵スキルを組み合わせて起動しています》
「テンプレ過ぎてワロエナイ」
アイリスと下らない話をしつつ、平和に次の村に向けて街道を歩いて行く。
街道沿いは、右手には大森林から気持ちの安らぐ風が吹き、昼に近づくにつれ、些か強い日差しが良いアクセントになっている。
思わず顔をほころばせながら、
「街道を歩いてると平和だな。マップに何の反応も無いし」
《領主が治安維持の為に兵を派遣したり、依頼を出して冒険者が魔物を退治してるからでしょう》
そんな話をしていると、マップに赤い反応が一つ現れた。
「お、何か赤い点が出てきたぞ」
《敵性反応です。ご注意下さい》
五百メートルまで近づいてきたので、いつでも剣を抜けるように柄に手を当て、注意しながら徐々に進んでいく。
現れたのはいわゆるゴブリンと呼ばれる低級の魔物だった。
百五十センチ程の身長で、少し緑色がかった体表に粗末な服と革鎧を身に付けて、錆びた剣を持っている。
「お、出た~、ファンタジー定番の雑魚敵」
そう言いながら、巧亜は剣を持ち、構えを取る。
巧亜にとって接敵した初の魔物、尚且つそれが定番のゴブリンとあって、自身のテンションが上がっている様だ。
しかし一方では冷静に敵を見据え、待ち構えている状態である。
ギィギィと、言葉なのか解らない擬音を発しながら、近づいてくるゴブリンが、右手に持った剣を振り下ろす。
巧亜は振り下ろされた剣を左にかわしながら、ゴブリンの胴を横殴りに薙いでいく。
「これで終わりだ」
そのままゴブリンの後ろに位置した巧亜は、振りかぶった剣をゴブリンの頭に叩き込んだ。
脳天へと袈裟斬りにされて、そのまま倒れて動かなくなる。
「ふう~、真剣を持った敵との初戦闘だから緊張したわ」
《緊張したと言う割りには、あっさりと余裕な感じでしたが?》
問いかけてくるアイリスに、巧亜はホッとした感情のまま答える。
「そりゃ、ある程度は体が勝手に動いてくれるよ。散々稽古したんだから」
剣を振り払い、血糊を飛ばして鞘に納めながら、ゴブリンの遺体をどうしようかと考える。
たかがゴブリン、どうせゴブリンだから。とそんな言葉が頭に浮かんでくる。
だが、素材を解体する練習だと思うし、ここに放置するのも駄目だからと、嫌々ながらも作業を行った。
その後は、何事もなく次の村へと辿り着き、その日は久々の一人寝をする巧亜だった。
迷宮都市までの旅はまだ始まったばかり。
草原を越え、美味しそうな魚が泳ぐ川を渡り、時に野生の動物を狩ったりしながら旅を続ける。
訪れた途中の村で不足した物資を購入したり、比較的大きな村では、簡易の冒険者ギルドを見つけることが出来たので、スムーズに迷宮都市に入れるようにと、登録を行ったりした。
巧亜は異世界での旅を楽しんでいた。
やがて草原が田畑に変わり、人の生活圏に入ったのを実感する。
二週間程の旅は、迷宮都市に到着することで一旦終わりを告げるのであった。
読んで頂きありがとうございました。
感想などお待ちしております。
次話は22日投稿する予定です。




