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第十二話 戻ってきた討伐隊と考える巧亜

「そういえばさ、あの貴族達って何しにここまで来たんだろ?」


 その夜、ベッドの上で仲良く喋っていた。


「神竜さまを討伐しに来たんだって。そんなの無理なのにねぇ~」

「マジで!?無理だよな~」


 巧亜に腕枕をされたマーシャが甘えた様子で答える。

 情事の後で、お互い汗をかいたままだが、それに構うことなくくっついている。


 二人ともそれぞれ違う理由から、始祖竜が討伐出来ないと考えていた。

「神竜さまは強くて優しい御方だから、諭して追い返すんだよ」

(っていうか、もうあそこには居ないからな。天に召されたし、一切合切俺が持ってきてるし)



「そういえば、腕試しに来た人達が、神竜さまに頼み込んで闘って貰ったけど、全く歯が立たなかったって村に戻ってきてから凹んでた事も有ったよ」


「へぇ~、そんなことがあったんだ。じゃ、貴族達はすぐ村に戻って来るかも知れないのか」


「そだね~、多分明日、明後日には戻って来るんじゃ無いかな」

「そっか、だから貴族たちは部屋をキープしたままなんだな」


「取りあえず一週間分貰ってるみたい」



 マーシャの予想通りで、二日後に討伐隊が戻ってきた。

 始祖竜を討伐するどころか遭遇する事さえ出来なかった。その為、見張りを置いて本隊は暫く村に滞在するようだ。


 村人達も始祖竜が居なくなったことを聞き、驚いた様子を隠せない。

 今まで何百年もずっと、かの場所から動かなかった始祖竜が何故今になって何処かへ行ったのか。それは誰にもわからないからだ。



「一体、どうなってるんだ!!」


 村長宅にモザデオの怒声が響き渡る。


「これでは俺の計画が……認められ結婚できる筈だったのに……」

「とにかくモザデオ様、始祖竜が現れないことには……」


 取り巻きが何とか宥めようとするがどうにも出来なかった。



 巧亜が昼飯を食べようと食堂に行くと、兵士達が休憩しているのか、テーブルに集まって談笑していた。


「暫く待機だといってもやることないな」

「そうだな、まぁでも酒飲んでも構わねぇらしいから、良いじゃないか」

「見張りの奴等の分まで飲んでやろうぜ」

「死んでまう事も無いしな」


 そこそこ機嫌が良いらしい兵士達を横目に、巧亜は端のテーブルに座り、食べながら話を盗み聞きをする。


(何か暫く諦めそうにないな)

《そうですね、どうしても討伐しないといけない理由でも有るのでしょうか》


「そういや、なんで討伐に来たかお前ら知ってるか?」


 タイミング良く話が舞い込んできたようだ。

「モザデオ様が恋慕されてる令嬢が居てな、その方には婚約する条件が有るそうだ」

「小隊長、その条件が始祖竜討伐何ですか?」


「いや、婚約の条件自体は比類無き名誉とか、実績とかそういう物らしい。それをモザデオ様が夜会で、自分なら始祖竜討伐をしてやる。と豪語したと聞いた」


「わざわざ自分でハードル上げてんすか」


 馬鹿だなぁと兵士達は笑い飛ばす。巧亜もそれには同意した。


「付き合わされる俺等の身になれってもんですわ、小隊長」

「小隊長はその話、誰から聞いたんで?」


「モザデオ様に随行されてる方からだ。あとお前ら、少々口が過ぎるぞ。不敬だと罰されても知らんぞ」


 本当の事でもな、と付け加え小隊長は酒を煽る。その一言でまた爆笑が起きる。

 モザデオは、兵士達には余り好かれていない様だ。


「ただ、モザデオ様は失念しておられるが、始祖竜が居なくなったということは重大な問題だぞ。国に報告せねばならん。随行されている方には、その事は早く進言して頂きたいな」


(うわぁ~、やっぱり古竜さんが居なくなったのは大問題なのか~)

《アーバルド王国の守護神と崇められていますからね。問題になるかと存じます》

(俺が止めさして、遺品とか持って来てるのバレたらやばそうだな)

《少なくてもモザデオには恨まれますね》


 うへぇー、それは嫌だと巧亜は絶対にバレないようにしようと、心に誓う。


「おい、そこの兄ちゃん。今の話聞こえてたろ。内緒だからな、他所で喋るんじゃないぞ」


 隅っこで目立たないようにしていたが、居るのはバレていたようだ。

「何の話をされているのか、良く分かりませんけど、私は物覚えが悪いので、寝てしまったらもう覚えてないですよ」


「それでいい。余計なことには口をつぐむもんだ」

 小隊長が脅すように言ってきた。


 そろそろ席を外した方が良いかもしれないと判断して、巧亜は取りあえず外に出かける。


「変にボロが出るのも嫌だから暫くここから離れた方が良いのかもなぁ~」


《別の町にでも行くのも良いかも知れませんね》


「別の町か。俺、ダンジョンとか行ってみたいよ」


《ダンジョン都市と呼ばれる街が、二週間ほど歩いた先に有りますね》

「へぇー、そんなとこが有るんだ。定番っちゃ、定番やな」


 マーシャに一度相談でもしてみるかなと思いながら、ブラブラと散歩に出掛けた。

読んで頂いてありがとうございます。


書き溜めをしないとストックが無いため、

しばらく更新できません。

なるべく早く書き上げますので少々お待ち下さい。

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