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有り余る力の使い方 〜チートと知識で異世界に革命を〜  作者: 春羽三郷
第1章 幼少期の自由気ままな家出
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第4話

夜中に外に出るってだいぶ久しぶりだな。


流石に昼間から1歳の俺に外出許可は出さないよね。


だから、隠れて出てきました。これくらい許してね?


あー、意外に広いんだな、ここら辺。ちゃんと街って感じするわ。


つーか真っ暗すぎ。明かりつけようか。......火でいい?電気だとMP消費激しいからさ。まあ俺からしたらもうそんなの関係ないレベルだけどね。


それにしても、この時代の夜って、悪いヤツらが蔓延っていたんだよな。この世界でもそうなのかね。いちようMPは有り余っているし、防御系のあの魔法さえあれば俺に触れることすらできない、はずだ。大丈夫、だよな?


面倒だから歩くのやめて空飛んでいくか。反重力魔法使って、よし浮いた浮いた。そんで、横に力を与えてっと......


(新しい魔法を会得しました。『力学操作魔法』)


ん?なんだ?力学操作......いやいや。その名前、アウトでしょ。もう完全に自然現象操れちゃうから......ってもうやってるか。反重力魔法がなくなってるし、多分統合されたな。


まあいいや、とりあえずこのまま外へ!


「いざ!しゅつじ「助けて!」


誰だ!俺の初!異世界で1人外出!の記念すべき第一声を遮るのは!


「だ、誰か!助け......んぐっ!」


うーん、何やってるんだ?人さらい的な?とりあえず近くまで行ってみるか。


俺が声のする方まで行ってみると、男達の声が聞こえてきた。


「ちっ、大声出すんじゃねーよ!このクソアマ!」


「へへ、でもこいつを奴隷として売っぱらえば、5年は安泰っすね。」


「当たり前だ。こいつはエルフ、貴族にでも売ればがっぽり金が手に入るぜ。」


エルフ!エルフだと!あの、物語にしか出てこない架空の存在が!この世界はやっぱり異世界だったか......ってか、定番だな。


うーん、ここな実力を試すために、いっちょ割り込んでみるか!


「なあなあ、俺たち、味見しても平気か「おーい、馬鹿ども、何やってるんだ?」


俺がふざけた口調でそう言うと、男達(3人)が俺の方を向いて......笑い出した。


「はっはっはっ!なんだそりゃ!どう見てもまだ立ち上がったばかりの子供が!こんな夜に出歩いて!わざわざ奴隷にされるためにやって来たぞ!今日はついてるな!」


あはは、そういや俺1歳だったわ。てか、1歳の奴隷って売れるのか?


まあ、正直こいつが喋っている間に千回は殺せているんだけど、まあ、それじゃあ面白くないからね。


不意打ちは卑怯なり。正々堂々正面からねじ伏せてこその救世主!


くっさ!臭すぎ!キモすぎ俺!


まあ、冗談はここまでにしときます。


「んじゃまあ、坊や、ちょっとこっちに来ようか。」


「ダメ!こっちに来ちゃ......きゃっ!」


男が、多分エルフ?の女の子に暴行して黙らせた。


あー、そういうの嫌いなんだよねー、アダルトビデオで性的暴行を加える感じの動画を見てて物凄い興奮したことはあるけど、レイプじゃなくて普通に暴行加えるのはいけ好かないな。


「あー、じゃあそっちに行くわ。運のいいおじさん達?」


そう言って、俺は踏み出した。大きな1歩だけよ?


「ぐはっ...!」


あー、2人まとめて吹っ飛ばしちゃった。大丈夫、死なないように後ろに衝撃吸収用の結界がはってあるからね。


衝撃吸収は防御系の魔法の1種だよ。通常は相手の物理攻撃に対抗するために生み出した魔法だけど、応用するとこんなこと(クッションの代わり)も可能なんだよねー。


「な、なんだてめぇ!」


残った男が俺に凄い剣幕で睨んでくる。


「えーっと、最強の1歳児?」


俺はずっとふざけた調子で相手の怒りを流す。だって、真っ向から口喧嘩してもつまんないし、面倒だし......


「くそ!殺してやる!」


男は腰にぶら下げていた剣を抜き、俺に切りかかってくる。


あー、これは......なんか止まって見えるよ。本気で切りかかってきているのか悩んじゃうくらいに遅いんだけど?


俺は上から振り下ろされる剣を横から蹴り飛ばし、叩き折った。


「な、なんだと......これが何で出来ているのか知っててこんな......化け物が!」


あー、すいませんね、何で出来ているのかは知りませんが、化け物なのは自覚していますので。


「じゃあ、君もあっちの2人と同じく眠ってて?」


1歩だけ踏み出し、腹に思っきり体を、正確にはぶつかる瞬間にバリアをはって、ぶつかりにいって吹き飛ばした。


「はー、そこらのチンピラじゃ、全然実力が分からないなー。...お!レベルアップしたぜ!」


よし、とりあえずそこらの大人には負けない、というか、圧倒的実力差があるのが分かったな。十分な収穫と言えるだろう。


「あ、あの......」


ん?ああ、そう言えばこの子を助けるために突っ込んだったわ。


「ああ、君、だいじょう......ぶには見えないね。治癒魔法って使えるのかな......うーん......IPS細胞的なのを考えればいけるか?いやいや、普通に万能細胞でいいやん。それなら普通にどこでも再生可能だし。よし、それで行こう。あ、ちょっと待ってね。今治すから。」


外傷は今の理論で完治できるから、多分大丈夫なはずだ。


今さっきの理論で......よし!行ける!


うおーMPがーゴリゴリー削れるー。


......よし、終わったぞ。あ、レベルがまた凄いあがったわ。


「どう?もう大丈夫?」


「あ、あれ?傷が治って......聖女様でももっと時間が......凄い......」


ありゃ?お礼は?なんかおひとりの世界に入られてますけど、大丈夫かな。


「あ、すいません!助けて頂きありがとうございます!あ、あの!お、お強いんですね!見た目は1歳くらいの子供に見えますけど、そんなに強いなんて......凄いです!」


まあそりゃこんなチビがこんなに強かったら驚くわな。


「あはは、どういたしまして。それで、もう怪我は大丈夫?」


「はい。大丈夫です。もう痛くありません。」


「そ、それは良かった。それで、俺が言うのもあれだけど......君はどうしてこんな時間にこんな所に?」


「ふふ、ごめんなさい、あなたの言う通りだと思って......、私は家出してきたんです。黙っていてほしいんですけど、私はエルフで、エルフの里に住んでいました。ここから少し離れた森の。」


ほうほう、やっぱりエルフだったのか。耳がちょっと尖ってるし、これが特徴かな?


「それで、エルフというのは、5歳になると魔法を教えられます。その時、私のいた里では、水の魔法が使えないと、エルフの里から追放されてしまうんです。」


は?なんで?


「理由は、私のいた里で信仰されている精霊の属性が青で、水を司ると言われているからです。よって、水の魔法が使えないと、精霊に愛されていない邪魔者のような扱いになってしまい、終いには追い出されるのです。」


宗教も行き過ぎると腹が立つけど、まあ、しょうがないか。


「それで私は水の魔法が使えませんでした。それで、追い出されるなら、その前に出ていってやろうと......それでここまで。」


そっかそっか。つまり、行くあてが無くて彷徨っていたら、あの3人組に奴隷として売るために攫われそうになったという事ね。


「そうなんだ......じゃあ、君は今、どこにも行くあてがない訳だね?」


「え?あ、まあ、そうですね...」


「それなら、俺についてこない?今から森の方で魔物がどれくらい強いか知りたかったんだけど、君はもともと森に住んでて、それにそこから抜け出してきた。それなら、魔物という存在も、どのくらい強いかも知っているよね?それを教えて欲しいんだ。教えてくれたら、そうだな......強くしてあげよう。さっきのようなチンピラをすぐ倒せるような、そんな力をつけさせてあげる。」


「え?その......どうして?」


どうして、か。うーん......


「俺がしたいと思ったから、かな。俺は自分の生きたいように生きると決めたんだ。君を助けると決めたなら、最後まで続けようと思ってね。君をこのまま放っておけば、多分またあんな感じの人たちに攫われて、奴隷にされたり、犯されたりすると思う。だから、これは俺のわがままのためだよ。」


意外にすらすらと理由が出てきたな。これが俺の本音、なのかな。


「そ、そうですか。その、あの、お、お願いします。」


この子、よく見るとめちゃくちゃ可愛いな。


幼い顔立ちなのは年齢的にしょうがないとしても、きらきら輝く金髪にエメラルドのような綺麗な緑色の瞳。顔立ちは非常に整っていて、大人になったら絶対に誰にも負けないほどの女になるだろう。


もじもじしながら顔を赤くして恥ずかしがっている所とか、まじで可愛い......いやいや!相手は5歳かそこらだろ?どんなロリコンやねん。


あー、あかんわ、頭がおかしくなったか?勘弁してくれ......


「よし、ならさっそく行こうか。」


「は、はい!」


相手の方が年上だよな?まあ、精神年齢は普通に俺の方が上だが、なんで敬語なんだ?まあ、相手がそれでいいならいいか。


「あ、そう言えば、名前聞いてなかったね。俺の名前はアルフレッド・バッカス。君の名前は?」


「あ、はい。シンシアっていいます。その、家名がありってことは、貴族なんですか?」


ん?もしかして、苗字があるのって貴族だけ?


「ん、まあね。でも気にしなくていいよ。どうせあの家から出ていくつもりだしね。」


「その、なにか理由があるんですね。」


うーん、まあ、特にないけど。自分の力を試してみたいってのと、自由に生きたい、あー、これはちゃんとした理由になるのかな?


「まあそうだな。」


そう言うと、シンシアは同情するかのように、哀れむような顔を向けてくる。いやいや、そんな複雑な事情なんかこれっぽちもありませんよ?


「あ、この街広くて、歩いていくの面倒だから、空、飛んでいくけど、いい?」


「え?空?何言っているんですか?空なんか飛べるのは鳥と、羽のついている魔物とかドラゴンくらいです。」


「うーん、なら俺が運んであげるよ。」


そう言って俺はシンシアを宙に浮かせてあげる。


「ほら、こうやって魔法で空を飛ぶんだよ。」


「え?え?なにこれ、嘘、こんな、宙に浮いて......私、飛べる...?」


あはは、驚いてる驚いてる。いいね、こういうの。


「ほらほら、さっさと行こう。」


そう言い、驚いているシンシアを無視して森まで飛んでいった。

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