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プロローグ

当作品は完全なるフィクションです。作中に実際に存在する地名などが登場しますが、一切関係は無く他意はありません。

 これは神からの贈り物だろうか。それとも単なる気まぐれだろうか。


 男は自らの両手を見つめる。目に見えない力が全身を覆うような心地がする。


 男はつい先程まで死地を彷徨っていた。とある事故に巻き込まれて、為す術もなく命の灯火が消えようとしていた。

 そんな時に、男は自らを呼ぶ声を聞いた。聞こえた気がした。


 “汝、我の手を取る覚悟はあるか──────”


 男は、躊躇(ためら)いもなくその声を受け入れた。

 すると、突如現れた白い光が男を包み込み、周りの景色は一瞬で消えてしまった。しかし、男が気付いた時には元の場所へ戻っていた。


 男は力を試すために、更地(さらち)になったその場所で右手をかざす。どんな力かは分からないはずなのに、頭の中には次々と手順が浮かび上がっていた。それから、かざした右手に体中から力を集結するようなイメージを想像する。


 そして、一気に放出する。


 その途端、男の手から轟音(ごうおん)と共に光が放たれた。数秒のうちに、目の前の更地にはクレーターの如き大穴が出現していた。


 男は、驚愕(きょうがく)する。それと同時に、あることを思いつく。

 これだけの強大な力があれば、この憎き世の中を変えることができるかもしれない。


 男はこれまでの人生において、何らかの大義を成すようなことは一度もなかった。世の中を(うと)ましく思いつつも、ただ平凡な毎日を繰り返していただけだった。


 そんな男に与えられた力。それは一人の人間が持つにはあまりにも強大なモノで、男自身でさえそれを御することができるか心配になるほどだ。


 しかし、この力があれば自分を失望させるこの世界を変えることができるかもしれない。


 しばらく立ち尽くしていた男は、やがてどこかへ向かうために歩き出す。


 この世界を改変するためには、まず仲間が必要だ。自分と同じようにこの世界を恨み、(いきどお)り、失望する者がいるかもしれない。その者達を集めて、強大な力を持った自分が先導して立ち上がればきっとこの世界を相手取ることができるだろう。


 そのためには──────


 当面の目標を掲げた男は、ひっそりと更地の中を突き進む。世界に復讐を果たすために。




 その男が、やがて本当に世界を揺るがしかねない存在となるとは、この時は誰も予測できるはずもなかった。

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