表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/61

#40

「忘れてたっ……」


 ひなぎく荘の中心にあるこのリビングで、四季は無様な格好をして嘆いていた。手には、五枚のプリントが。


「もしかして、またテストの点数ヤバかったんすかぁ?」


 玲央が悪戯な笑みを浮かべる。四季は「お前に言われたくないわっ!」と反論するが、すぐに脱力。察してもらいたい、前回よりヤバかった事を。

 目元にうっすら涙を浮かべていると、ひょいっと手からプリントが抜かれた。見上げると、要がテストをジーッと見ている。わあああああと叫んだ。要は「どうしたものか……」と呟く。そんな要に反論した。


「いやっ、今回は時間がなかったんです! 前日にいろいろあったし!」

「言い訳はダメです」


 反論、もとい言い訳をすると、要は少し強めに四季の額にデコピンをした。小さく痛みが走り、両手で額を押さえる。


「お仕置き」


 そう言って、要は微笑んだ。次はしっかりと勉強しよう、と決意した四季であった。


「そういえば、康太先輩、今日から修学旅行らしいっすね~」


 不意に、玲央がそう溢す。


「そうなんだぁ。まぁ、康太さんも高二だしね。どこなのかな?」

「沖縄って言ってたっす」

「いいなぁ、沖縄! 私、行った事ない! お土産買ってきてくれるかな~」

「俺、サーターアンダギー食べたいっす!」

「いいね! あとは、ちんすこうとか、蕎麦とかぁ……」

「本場のゴーヤチャンプルーとか食べたいっす!」


「いいねぇ、いいねぇ」と二人で、沖縄を想像しながら盛り上がる。すると、要が口を挟んできた。


「確かにいいけど、まず勉強しようね?」


 要らしくない黒笑。テストをチラつかせながら言う。背筋がゾクゾクっとした。


「……今……?」

「うん。今やらないと、どうせいつまでもやらないでしょ?」


 その言葉に頷かざるを得なかった四季は、急いで自室から勉強道具を取ってきた。一方、「玲央君もやろ?」と誘われた玲央は、断る事もできず四季の隣へ。なんだか、要の頭の良さの理由がわかった様な気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ