#21
真っ先に口を開けたのは玲央だった。
「心也先輩! おかえりなさいっ……す?」
どうやら、帰ってきたのは心也だったようだ。だが、ここにいる住人達は、玲央の言葉の語尾が上がった事が気になっていた。その答えは、すぐわかるものだった。
「心也……その人達は?」
「あ? こいつらは学校のダチ」
後ろに立つ心也の友人達は、個々に「お邪魔します」と口にする。だが、それは決して心が籠っているものではなかった。
(うわ、適当……。この人達って、山吹学園の人達なんだよね? 見えないわー……)
山吹学園に通っている人々は、皆上品で見た目から頭が良さそうな人々だと四季は思っていた。実際に、中学時代の同級生で、山吹学園に進学した人がそうだったからだ。でも、違う。少なくとも、心也は当てはまらない。四季はこの瞬間、山吹学園を疑った。
心也と心也の四人の友人達は、ズカズカとリビングのソファのある所まで進んだ。既に座っていた蘭を、「どけ」の一言で追っ払い、偉そうに座りだす。心也だけでなく、友人達もだ。四季はそれが気に入らず、思わず心也を睨み付けてしまった。それに気づいた心也も、同じように睨み返した。
「何だよ、ブス」
「はっ……!? ブスじゃないし!」
「自覚なしか。鏡見ろよ」
あはは、と心也が笑うと友人達も笑いだす。四季は悔しそうに「ムカつくぅ~~っ」と呟いた。そのまま、今にも殴りだしそうな四季を、要と蘭は必死に止めた。
「四季先輩っ、ここは何も言い返さないのが一番ですよっ」
「だって、超ムカつくじゃん! 心也はブスって言うし、心也の友達は自分家みたいにしてるし~っ」
「そうだけど、ここは一旦この場を去ろ? ほら、心也君も目でそう言ってるし」
要の言ったとおり、心也は四季達を睨み付けていた。それも、「消えろ」と言っているような目で。
四季も、ただでさえテストでショックを受けているのに、これ以上心に負担をかけたくないと思った。ので、四季、要、蘭、玲央の四人は二階へ引き上げた。




