#18
「お先……真っ暗……お先が……真っ暗……真っ暗……真っ暗……まっ、ぐふっ!」
その瞬間、鈍い音と共に四季は崩れ落ちる。通りすぎてゆく人々は、うずくまる四季を見て苦笑。そこに、菜乃花と要がやって来た。
「四季ちゃん!? どうしたの!?」
大袈裟に声をかける菜乃花に、四季はボソボソと、
「お先が……真っ暗なの……」
「「は?」」
四季の言葉に、菜乃花と要は首をかしげる。だが、理解力の高い要は「あぁ」と手を打った。
「昨日の、千寿さんの事?」
コクコク、と四季は頷く。二人は、「なるほど」と口を揃える。
「にしても、あの時の蘭ちゃんは凄かったよねぇ」
「確かに。普段はちょっとふざけたところしか見た事なかったからね」
菜乃花の言葉に要が頷く。
「……確かに、蘭の言ってる事も確かだけど、なんとなく千寿さんだけを悪者みたいにしたくないってゆーか……」
四季は、おもむろに思っている事を述べる。それに対して、真っ先に菜乃花が口を開いた。
「でも、そうなっても私はおかしくないと思うけどなぁ。ミルちゃんにあれだけ言っておいて、人の事言えないのは大人としてどうかと思うな、私は」
「菜乃花の言ってる事も確かだけど、やっぱ四季ちゃんが思うように、僕は千寿さんだけを悪者扱いはしたくないな」
四季の目の前で、それぞれの意見を述べる菜乃花と要。その最後を飾るかのように、四季はため息混じりに「難しいなぁ……」と呟いた。
「……なんとか、争いが起こらずに解決できればいいんだけどな」
授業中も、休み時間も、頭を悩ませる四季であった。




