プロローグ・授業が終わったその先で ~極限超えて頽れる~
序 章
プロローグ・授業が終わったその先で ~極限超えて頽れる~
授業への同席を頼んだ医呪神官のウスニー=メンテが、今日のインスの担当だった皇宮護衛官に声をかける。
今日は、長く入院していたアインの、退院後初めてとなる授業が行われた。
この授業のために、本来は同席するはずのない神殿側の人間である神官呪師のウスニーと、皇宮呪師学校の校長で、アインの座学を担当している教官でもあるディオネラ=アムス。
そして、皇宮呪師としての実技の指導を担当するインス=ラントと、神官呪師見習いであり、皇宮呪師の見習いでもあるという、特例で様々なことを学んでいるまだ、五歳ほどとされている少年アイン。
さらに、それぞれの護衛を兼ねる監視役である護衛官が、皇宮呪師学校の中でも特殊な室内訓練が行われる訓練場に集まっていた。
授業自体は先ほど無事に終了し、極度の緊張と心労から来る疲労で泣き疲れて眠ってしまったアインは、インスの着ていたローブを掴んでいたので、そのまま上着に包んで担当の神殿護衛官の手に委ねられたところ。
その様子を見るとはなしに眺めるインスも、アインが入院する原因となった事件で、大きなトラウマを抱えることになったアインの、そのトラウマを克服させるために、少しばかり無理をした。
そのせいか、先ほどから体の感覚が少し怪しい。
「インスも運べ。どうせ歩けもしない」
ウスニーに言われて、歩み寄ってくる皇宮護衛官をぼんやり見つめながら、インスは「失敗したな……。」と微かに思った。
「……すみません……あと、お願い……します……」
きちんと伝えられたのか……
それすらわからないまま、意識が闇の底に沈んでいく。
「「「「っ!?」」」」
にこりと笑ったインスがそれだけ言って崩れ落ちるのを見て、訓練場に居た大人たちが驚いて目を見張った。
「インス!?」
「ラント呪師!?」
皇宮護衛官が抱き起こし、ウスニーとディオネラがインスを呼ぶが返事はない。
か細い呼吸を繰り返すインスの顔からは完全に血の気が引き、細身の肢体が冷え切って震える。
舌打ちを一つ。
「医務殿に搬送! 急げ!!」
強い声でそう命じたウスニーに従って、即座に全員が動き出した。
番外編第5弾、序章です。
「聖皇国列伝秘聞」シリーズなのに、ずっとインスが主軸の「皇宮呪師は護りたい!」が続いていますが、まだまだインスの主軸が続きます(笑)
今回は、アインの退院後初となる過酷な授業が終わり、ホッとしたのも束の間……というお話です。
泣き疲れて眠ってしまったアインを護衛官に託し、無事に(?)授業を終えた直後。
限界をとうに超えていたインスが、笑顔を浮かべたまま室内訓練場で突然崩れ落ちてしまいます。
またしても(何回目かわからない)医務殿へと緊急搬送されるインス。
果たして彼が倒れた本当の原因とは?
そして、次々と急患を押し付けられるウスニーたち大人組の胃袋はもつのか!?(笑)
次回もお楽しみに!
【第1部はこちら】
姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】
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【第2部はこちら】
姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第2部・レッド・フレイムの残照】
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【番外編・第1弾はこちら】
皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~
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【番外編・第3弾はこちら】
皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞③~重なり合うのは悪意の欠片~
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【番外編・第4弾はこちら】
皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞④~幻影人形で選ぶ道~
(https://ncode.syosetu.com/n1705lx/)
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【第5弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】
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ノリト&ミコト




