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研究室内恋愛はやめておけ(仮)  作者: 佐々木 秋


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研究室ローンチ

 後日、講義の合間をぬってニシ先生と合うことになった。

 初めて今いる研究室のアルバイトの面接にいったときもそうだったが大学の先生の部屋にいくというのは本当に緊張する。

 研究室235という札の横に入れ替え式の標識に厚紙が入っており、NISHIとローマ字で書かれている。

 その下にDr,で始まる名詞が貼り付けてあった。

 [失礼します]

 ノックとともに声をかける。

 すぐに応えがあった。

「ああ、どうぞどうぞ。」

 わざわざ、狭い部屋の中で小走りのような動き方をしてニシ先生が出てきた。大学の研究者によくいる研究者然とした雰囲気というより、ノリのついた服や小綺麗にした身だしなみがせっかちなビジネスマンのような雰囲気を醸し出していた。

「やぁやぁ、教授から話を聞いているとはおもうのだけど、どこまで聞いているかな?」第一印象だけでせっかちそうだなと思ったのは間違った印象ではないらしくいきなり本題に入られる。

[私は本当に軽い話しか聞いていません。新しく研究室ができるからそこに加わらないかくらいで。研究内容とかは詳しく知らないです。なんとなくは見てきましたけど。]

 意識的に一人称を僕から私にして答える。

「ああ、そうだね、今、というかこれまで僕がなんの研究をやっているかを話さないとだね。えーと、キミは動物実験、特にマウスを使ったものをやったことはあるんだっけ?」

「実験補助とかでマウスのデータは扱ったことが微妙にありますが、本格的な実験はしたことはないです」

「じゃあ、そこからはなそうか。まずモデル生物としてのマウスなんだけど最も基本的なのはC57BL系統、私がやっているのはこれを使って...」

 そのまま、研究の話が始まり、ニシ先生の興味はどういうところにあるのかや、僕自身が今、どういう技術を持っていてどう使えるのかなどの話が続いた。ところどころ、ニシ先生自身が[インパクトのある研究をしたい]という意思が垣間見えた。

 最後に研究室メンバーの話になり、ポスドクが2人、博士課程の学生が1人、教授の研究室から横滑りする形で入るとニシ先生は述べた。

[メンバーは今はこんなもの。あとは留学生が一人来ることになっている。まだ募集はかけているから追加でメンバーは増えるかもだけど。]

 ニシ先生は笑顔でそう告げた。

 妙なことにその留学生との初めての出会った場面を僕はよく覚えていない。けれど、彼女との思い出は忘れないものになっていくのだった。良くも、悪くも。





「で、こっちのPCにはまだ対応するカメラのドライバを入れてないから、usbカメラが使いたい状況があったら、これじゃない白い方のPCを使って」

[Ok,電源ケーブルを探してイルの。ニシ先生がキミが知っているはずだって言ってた。]

 件の留学生は大学同士の交換留学という手法で卒業研究だけ僕のいる大学で行うという話だった。留学生ということで言語の壁を覚悟していたのだが彼女はかなり日本語が上手くコミュニケーションには困らなかった。

[電源ケーブルならこのボックスの中にある。黒いPCも白いPCも同じシリーズだから、どっちでも大丈夫。」

[Sorry?聞き取れナカった.クロとシロが使える?使えナイ?」

[ああ、ごめん。早口過ぎた。]

 日本語が上手いとはいえ、早口過ぎると聞き取れない単語は多いらしい。

 そこで僕はジャパニーズイングリッシュに切り替えて答える。

[In this box. Both is usable.]

 h下手くそな発音だが意味は伝わったらしい。

[Thank you]

 そういって彼女は僕の手からケーブルを受け取ると実験室に戻っていった。

 今、この研究室は絶賛改装中だ。僕はニシ研の卒業研究生ということになり、研究室ぐるみの研究室セットアップに組み込まれていた。自動的に僕の卒業研究のテーマも研究室セットアップがらみの何かとなるだろうということをニシ先生との初回のミーティングで話し合っていた。


 メンバーの何人かは僕と同じく教授の研究室から横すべりしてきた人たちだったが、全く新しいところから来たメンバーもいた。偶然にも外国人メンバーが多く10人中半分以上が非日本語話者だった。結果、ニシ先生の判断により全体での進歩報告などの連絡は英語を基本とすることとなり、僕は英語の授業をおろそかにしていた過去の自分を呪う羽目になったのだった。


ウシカエル捕りは一度やったことがありますが、人によって捕れる量にかなり差

があります。私は下手でした。

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