コント「あるソサエティの洗濯式」
「いやあ、今日は暑いねぇ」
サングラスをかけた司会者は、百人の観客に向かいそう言った。抑揚のないありきたりな笑みを浮かべながら。
「そーですね」
観客らは声高らかに口をそろえて返した。
司会者は続けた。
「みんな、髪切った?」
すると、
「そーですね……」
彼らは、うふふ、と戸惑いの笑みを浮かべながらそう答えた。
司会者はさらに続けた。
「俺、実はヅラなんだ」
「そーですね」
観客は間髪入れず返した。会場は爆笑の渦と化した。
司会者は機嫌を良くし、さらに、
「俺、実はホモなんだ」
と言った。
「そーですね」
観客は間を空けずに言い切った。なぜか皆、真顔になっている。
またまたさらに、
「俺、潔く幹事長を辞任するわ」
と言った。
すると寸分の隙も見せず、
「うそですね」
観客は司会者の心を読んだ。
(おわり)
うーむ、面白い。(←うそ)