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第6話前編:~★~ "お・む・か・え" の、蒔那~★~
気分を変えようと、慈恵路が窓の外、向かいのビルでも、と眺めていると、美しいメイドと目が合った。
蜘蛛のように、向かいのビルに張り付いている。
「え?」
瞬きをしている間に、お次は今いる建物の窓に、張り付いているメイド。
ペコリ、と、こちらにお辞儀をする。
「あ、蒔那だ!」
「ここ、3Fだよな、え……?」
「うん、迎えに来ちゃったかぁ~~★」
「お、オバケじゃないよな?
し、信じらんねぇ……」
再びメイドに目をやると。
いない――――――?
「聞こえてましたよ?
オバケなんかじゃありません。
花も恥じらい月も傅く、超銀河級の美少女に向かって、失礼です」
振り向くとすぐそこに、謎のメイドの顔。
凍てつくような、刺すような。
まさに氷柱の、その視線。
慈恵路の時だけを止めて、ざわめく店内。
「ほあああああ~……っ!
ひ、ひ、ひひぃぃいいいい!
何これ?!」
「ごきげんよう、蒔那と申します」
「も、もう、続かないで!
ゆ、夢なら醒めて!」
「続きますよ?
朝黎にまとわりつくゴミ虫が夢オチで逃げようだなんて、許されません」
「続くんだよねぇ~~っ。
僕と蒔那は、これからも……」
第6話 続く




