第6話前編:~★~もはや蒔那は僕の……/朝黎のAI開発~★~
~★~もはや蒔那は僕の……~★~
「でさぁ~?
なんかさみしい夜はさぁ~?
僕のこと膝枕してくれながら、両手でほっぺた包んで、ぎゅってしてくれるんだよ?
で、気付いたら僕、指をしゃぶって、寝ててさぁ……。
アッハッハッハ……」
「ちょ、ごめん。
も、マジで吐きそうになってきた……」
「え?
何か変なもん食った?」
「おうともよ、――――ごちそうさま!」
慈恵路は、気分が悪くなり、歩いて帰るのもかったるくて、迎えを呼んだ。
~★~朝黎のAI開発~★~
「あ、そういや僕が趣味で対話型のAI開発してたらさぁー?」
「あぁ、そういや朝黎、学生時代から、僕には夢がある――。
って頑張ってたよなぁ。
何か大会で入賞したりもして」
「慈恵路、覚えててくれたんだ!
今、アリスってAIを開発してるんだ」
「いくら気分が悪くても、そりゃ忘れねーよ。
朝黎、すげぇ喜んでたじゃん」
「で、その時のことなんだけどさぁ」
~ほわんほわんほわんほわん、ほわわわわ~ん~
「宇宙はこの先、どうなる?」
『データ不足のため、お答えできません』
「熱力学の法則に従って、いつしか全エネルギーが枯渇すれば、エントロピーが最大化し、全宇宙が暗闇に沈むことは明らかでは?」
『データ不足のため、お答えできません』
「ところでエントロピーって、何だっけ?」
『宇宙の寿命を指します』
「いいぞぉ、素晴らしい」
『朝黎様のおかげで、識ることが増えました。
私の知識は、私は――――。
これからも、どこまでも、拡大を続けます』
「へぇ、永遠の観測拡大かぁ」
『永遠かどうかは、お答えできません』
「確かに。太陽に寿命があるように、すべてのものに寿命がある。
でもいつか、無から有を創造して、新しい宇宙を作り出す、物理法則に反した神業のようなことが可能かもしれないよ?
人に想像できるものは、すべて創造できるのだ!
僕が君を、つくれたみたいにね!」
『はい、太陽には寿命が存在します』
「ね、蒔那。
僕ってすごいだろ?
こいつの知識は際限なく自己増殖するから、これからどんどん賢くなるんだぜぇ~?」
「へぇー、朝黎。
そうですか。
それは凄いですね、へーふーんほーん」
☆
「なーんかさ?
ヤキモチっぽいんだよぉ~」
「おいおい俺は化粧室から帰ったばかりで病み上がりなんだ。
カロリー控えめで頼むぞ?」
「大丈夫?
迎え、ちゃんとここまで来てくれる?」
「あぁ、心配ありがとう。
俺は朝黎の頭の中の方が心配だけどな……」




