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天才の私が小説を伝授します。  作者: 最条真
初級編(高校生時執筆)

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7/16

主人公に残酷な物語は面白い

 原則的に、主人公に残酷な物語は面白いです。


 ・チェンソーマン(借金+親蒸発+デビルハンター)

 ・ヒロアカ(無個性+OFAの力をうまく使えない)

 ・鬼滅の刃(鬼に家族皆殺し)

 ・カグラバチ(父親殺される+父親が作った妖刀が奪われる)

 ・タコピーの原罪(倫理観が分からない宇宙人+いじめられっこを助けたい)

 ・リゼロ(ヒロインを助けるために死に戻り)


 他にも無数に例はありますが、ここで挙げた物語は、主人公が明確に敗者かつ、扱いが残酷です。

 更に、『なんとなく』主人公の成長が予感できて、物語を楽しもうとする気持ちが湧き上がってきます。


 何故って、主人公が敗者だから。

 正確には、主人公の『欠落感』が明確だから。

 欠落感があることで、物語の目的を生み出してくれるから。


 ここでストーリーの基本形を紹介しましょう。


 〈ストーリーの基本形〉

 ・目的を達成したい主人公が、それを邪魔する敵と戦う。


 これだけです。簡単に思えますよね?

 ここから、この基本形を深堀していきましょう。


 まず、主人公は『目的を達成したい』必要があります。


 その目的に対する原動力を生み出すために、主人公から大切なものを奪い去りましょう!


 大切なものを奪い去ることで『欠落感』が生まれ、物語に対する前向きな気持ちが湧き上がってくるのです。欠落感を生み出すために重要なことは、完璧な主人公を考えた後で、それを欠如させて、成長前の主人公を作るということです。


 一つ例を挙げましょう。

 完璧な主人公は、美学を『持つ』小説家です。

 ここで、欠如させてみます。

 成長前の主人公は、美学を『失った』小説家になりました。


 美学を失った小説家が美学を取り戻す物語。

 なんだかおもしろそうな感じがしませんか?


 自分に『欠落した』ものを新たに手に入れる、という構造は強いです。

 主人公の欠如を示すことで、主人公の完成形も自然に見えてきますし、ここから先を見る意味が出てくる。主人公の変化を予想させる、ひいては世界の形を想像させることは、読者が作品を読み進める原動力になりますし、物語の終着点も見えてきますよね。


 主人公の欠落は、作品と読者両方にとって重要なものなんです。


 欠落→成長→完成形

 という順序を踏む主人公が『良い』とされます。


 完成形から何か欠落させるのは分かった。

 具体的に何を欠落させればいいんだということですね。

 純粋に、主人公を未熟にしてしまえばいいんです。成長する余地を与えてあげることが肝要です。私は、成長の要素は大まかに三つに分けられると考えています。


 〈成長の三要素〉

 ・知恵(こだわり、信念、信仰、美学)▼思考に関連する

 ・勇気(決断、行動)▼意思に関連する

 ・人間性(感性など)▼感情に関連する


 知恵と勇気と人間性。

 三つの中から一つを選んで、その中から詳細に主人公から奪うものを決定してください。


 主人公には成長する余地が必要なんです。

 だって、『主人公が努力しない物語は絶対面白くならない』から。これは絶対です。

 ストーリーの基本形を換言すると、『敗者である主人公が勝者になる』ということが言えますが、読者が見るのは、結果ではなく過程なんですね。


 ですから、物語は『過程が面白いほど、全てにおいて都合が良い』んです。勝者になる過程は、すなわち努力で、その努力を突き詰めていくと『問題に対する克服』ということが言えます。物語の面白さの根源はそこにあって、面白い物語を作るために、必然的に主人公は努力が必要な人物になります。

 再三言いますが、『努力が必要のない物語は面白くなりません』。努力を必要としないやつを主人公とするべきではないんです。


 なろう小説と呼ばれるものがつまらないと称される原因はここにあって、主人公が最強すぎて努力する必要がないんですよ。敵キャラならギリギリ分かりますけど、主人公ならそりゃダメですよねって話です。


 主人公には必ず『努力が求められる問題点』を設定するべきなんです。

 先ほど述べた、成長の三要素から一つを抜くというのが、やりやすいんですけど、それがめんどくさいという人もいますよね。


 もっと明確かつ楽なやり方があります。

 まず、主人公が大切にしているものを決めてください。

 お金でも、自分の家族でも、幼馴染でも構いません。


 ここでは幼馴染にしましょうか。


 十年来の付き合いで、家も近所で仲が良く、美少女の上に自分を慕っている幼馴染。


 その幼馴染を殺しましょう。


 すると不思議、主人公に欠落感が生まれますね!

 そして自然と敵を取るという『目的』の原動力まで生まれてきませんか?


 大切なものを奪い去ることで生まれる『欠落感』。

 成長の三要素なんてただの例でしかありません。とにかく主人公から大切なものを奪いましょう。家族でも、友人でも、恋人でも、健康でも、信念でも構いません。奪って、欠落感を生んで、目的に対する原動力を得る。


 主人公が敗北するだけで、物語は面白くなるんです。

 冒頭のうちに、とっとと負けさせましょう。世界に対する復讐を誓ってもらいましょう。


 彼らが主人公に選ばれるということは、ひどい目に合うということです。


 作者の最初の仕事は、主人公を負かすことです。


 だって、平易な物語に読者は関心を持ちませんから。

 主人公に残酷な物語の方が面白い。そういう風になっているんです。


 ですから、主人公に苦難を与えましょう。

 敗者たる主人公に目的を与えて、とてつもない『敵』と戦わせて、最終的に勝利を得ましょう。


 勝つことが目的ではあります。ですが、面白い物語には、魅力的な敵というものは欠かせません。


 とあるのアクセラレータ。鬼滅の無惨。ヒロアカのAFO。


 面白い物語には、魅力的な敵は必須です。

 次は、『敵の作り方』について話していきましょうか。


















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