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面白い冒頭は、主人公のどん底。

  私が見てきた中で、最も優れているのは『チェンソーマン』の冒頭です。


 ・主人公→デンジ

 ・SQストーリークエスチョン→最高の生活をする

 ・世界観→悪魔が居る世界で、デビルハンターを生業にする少年がいる(ヤクザに借金中)


  冒頭の3原則はすぐに分かりますね。ちゃんと守っているし、分かりやすい。さて、この冒頭の優れている点とはどこでしょうか。


  それは主人公であるデンジが、明確な敗者である点です。

  実は、面白い物語のほとんどは、

  敗者である主人公が→勝者になる

  その過程を描いています。


  敗者の定義とは?

  それは正直なんでもいいんです。ただ、冒頭で主人公の敗者たる側面を描写しなければいけない。主人公が勝者である部分があってもいい。しかし、冒頭では、主人公を絶対的に敗者として、描かなければいけない。


  好きな子に告白できない陰キャでも、大統領を殺せない暗殺者でも、魔法を使えない落第生の魔女でもいいです。

  敗者としての側面を切り取り、冒頭に貼り付ける。

  それが、面白い物語の必須テクニックです。


  なぜ、主人公は敗者である必要があるのか?

 

 それは、読者が感情移入するのが、

『キャラクターではなく、構図だから』です。


  例えば、 そこら辺にいる男と、そこら辺にいる、女が出会ったとしますか。

  全然面白くない。間違いなく読者は読むのを辞めます。間違ってもこういう冒頭を書いちゃいけません。


  ここで、敗者に直してみましょう。

  学校をサボるヤンキーと、全身傷だらけの女の子が、出会ったらどうでしょう。


  何か始まる気がしませんか。物語を予感させませんか。実は、読者の感情移入の始まりは、キャラクターではなく構図なんです。


  どれだけ面白いキャラクターを出しても、面白い構図には敵いません。敗北したところから始まる物語。そういった物が、読者に物語を予感させ、ページをめくるだけの力を与えんです。

  私が『主人公が敗者である必要がある』というのは、面白い構図を作るのに、それが不可欠だからです。


  敗者であることは、面白い構図に繋がる。不思議なことに、そうなっています。

 そして、面白い構図は、すなわち面白い冒頭である。それを理解した上で、前話の桃太郎を振り返ってみましょうか。実際のところ、桃太郎も敗者なんです。


 ・主人公→桃太郎

 ・SQ→鬼を退治する

 ・世界観→今まで平和に暮らしていた桃太郎の暮らしが、鬼によって、台無しにされる(必要部分)


  桃太郎の暮らしが、鬼によって台無しにされる。(敗北部分)

 →鬼に虐げられた少年が、鬼退治に行く。(構図)

 面白い構図というのは、敗者である主人公が勝者になる必要性を示唆しています。


  そう考えると、桃太郎って、面白い構図になってませんか?

 

  この面白い構図を引き立てているのは、SQと世界観。この2つが互いに作用することで、主人公の敗者の側面と、目的に対する強い意志が生まれています。


  SQと世界観が冒頭に必要な理由は、面白い構図を生み出すため。→それは、主人公を敗者にすることに繋がる。


  じゃあ、主人公は?

  主人公は、敗者であるなら、なんでもいいのか。

  SQと世界観が決まれば、自然と主人公は生まれるものなのか。というか、主人公は、適当に決めてもいいの?


  そんなわけはありません。

  というか、主人公が作品において、最も重要な存在です。冒頭の最低限で、最も大事。


  その理由は『作中で最も葛藤する人物である必要がある』からです。葛藤の必要性は後述した方が都合が良いので、一旦横に置かせてもらいます。


  ここまでで、冒頭を面白くするために、面白い構図を作り出す必要があるという話と、それを作り出すのは世界観とSQだという話が終わりました。


  ちなみに、冒頭の講座はもう終わってます。


  最低限、明確にするべき3つの原則

 ・主人公(葛藤が必要)

 ・SQ(大目標)

 ・世界観(敗北部分)


 面白い冒頭は

 ・主人公が明確に敗者である必要がある(敗者である一部分を冒頭で描写する)


 その為に

 ・SQと世界観が互いに作用しあって、主人公の敗者の側面を際立つつも、勝者になる必然性を示唆する。


  冒頭は終了。もう作品の冒頭なら書けるかもしれませんね?


  次は、物語の進め方について。

  まず最初に、葛藤が持つ力について話していこうと思います。



この講座の冒頭部分も終わり。

有益な情報を発信していきます。

小休止。次は夜ですね(今日中かな?)

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