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第8話 アンジェラ様の試合観戦

エリーブラウン11才のお話。

士官幼年学科剣技大会初日午後

本日最終試合前


 エリーは試合終了後、剣士待機場所へ移動していた。今日の試合はないので防具を外す。


 ジェーン教官が直ぐにやって来た。

「エリー良くやった」

「それにしても、派手に勝ったな」


 エリーはため息を吐き言う。

「予想外でした、様子を見るつもりが、一撃で決まるなんて思いませんでした」


 ジェーンは、両手でエリーを抱き寄せる。

「さすが、私の見込んだ一番弟子だ、褒めてやる」

そうして、エリーの頭を更に胸の間に引き寄せて、エリーの髪の毛を右手で掻き回した。


 エリーは、ジェーンの反応に戸惑っていた。

(ジェーン教官、最初の印象と大分なんか違うんですけど?それに、一番弟子て、いつから、弟子に?)

「お褒めの言葉、ありがとうございます」


 ジェーンはエリーの頭を撫でながら、満面の笑みを浮かべる。

エリーは、少し嫌そうな顔になって思った。

(ジェーン教官、喜び過ぎでは、まだ、3戦残ってますけど・・・・・・)


 エリーはジェーンの両手を振り解き、一歩下がって、髪の毛を右手で整える。

「ルシア会長て、もっと実力あると思たんですけど、直ぐ倒れちゃってびっくりしましたよ」


 ジェーンは、エリーのちょっと機嫌の悪そうな顔を見て思った。(ちょっと、喜び過ぎたか)

「ルシアは、学内では上位者だ、弱くはない、ただ、初手であの一撃は流石に、対応出来んだろうな」

ジェーンは嬉しそうに言う。

「まあ、判っていたとしても、無理かもしれんが」


「エリー、そろそろ、今日の最終試合だ一緒に見るか」

 ジェーンが笑顔でエリーの顔見て、左手を引っ張り、歩き出した。

(あゝ、強引な、そんなに引っぱらなくても)

「行きますから、引っ張らないでください」エリーは頬っぺた軽く膨らませ、チョット怒った様な口調で言う。


「すまない、ちょっと喜び過ぎた」

ジェーンは、ちょっと照れた様な顔して手を離した。


「剣技場第1ブロックだ、女子学生唯一のシード剣士アンジェラ クロードの試合だ」

「エリー、参考に見ておけ」


 エリーは、ウウンと考えた顔をする。

「アンジェラ様ですね、昼食をご一緒しました」


 ジェーンは少し驚いた顔をして、言った。

「ほーう、強者は強者を引き寄せるのだな」


 ジェーンとエリーが第一ブロックにやって来ると、周りの学生達が二人に気付いて人垣が開き一番前まで行く事が出来た。

周りの学生達はエリーを敬意の目で見ている。

 エリーは(また、視線が熱いんですけど・・・・・・)


 エリーは試合ブロック内に目を移すと、美しい少女が立っている。

(アンジェラ様だ!うん、映えてる、私なんか、比べものになんないよね)


 エリーがアンジェラを見惚れていると、アンジェラと視線が合う、すると、アンジェラが素早く動いて、エリーの前までやって来た。

(えーー、なんで、なんか怖い)

エリーがびっくりした表情をしていると、

アンジェラが真剣な顔で言った。

「エリーさん、ルシア会長戦見せて頂きました、わたくしの思う剣技と違いましたが、明日の対戦楽しみにしておりますわ」

アンジェラは言い終わると、直ぐに背を向けて開始ライン位置に戻った。


(アンジェラ様、昼間の感じと全然違う、なんか怒ってる、私、なんかしたかしら?試合開始前だから気合い入ってるからかも)

 エリーがちょっと悲しそうな顔をしていると、ジェーンが話し掛ける。

「どうした、落ち込んでるぞ」


 エリーは「なんか、アンジェラ様、怖いです、お友達になろうと言ってたのに」


 ジェーンは少し考えて「まあ、試合前だからだろう、それに、学生会副会長として思うところもあるのかもしれん」


 エリーは少し驚いた。

(アンジェラ様、学生会副会長なの)


 ジェーンが「始まるぞ」


 アンジェラが名乗る「アンジェラ クロード3年生、正々堂々剣を交えましょう」


 対戦相手が名乗る「テッド セオドア3年生、アンジェラ副会長と対戦出来るとは、これ以上嬉しいことはない、宜しく頼む」


 審判が両者に確認「準備良いか!」

両者頷く。「試合開始!」審判が旗を振り下ろした。

 それと同時に、アンジェラが間合いを素早く詰めて、下段突き、下段斬りを繰り出す。

 相手は木剣を外に振りそれを祓い退ける。相手は1歩下がり、上段から一気に木剣をアンジェラの肩目掛けて振りおろす、アンジェラはそれを半身で交わした。


 アンジェラは右に身体を振り、左中段から鋭い斬りを、相手の胴体に入れるが、相手の木剣に直前で防がれる。


 エリーはアンジェラを見ながら。

(さすがですね、かなりの修練をさているのが判ります、そして、剣筋も綺麗です)


 アンジェラは思っていた。

(エリーさんの前で、手の内を見せていいものなのか、だけど、時間を掛けて剣筋を見られるのも問題ですわね)


 アンジェラは相手を見据えて後方へ下がり間合いを取ると、木剣を正面に構え、全身に魔力を流して身体強化を図る。


 エリーはそれを見て声を上げる。「アンジェラ様、魔力上げました、もう、決まりますね」ジェーンが頷く。


 アンジェラは左に身体を振り、上体を沈めると、一気に間合いに潜りむ。

そこからの、右下段からの強烈な斬り付け

相手の木剣を身体逸らして受け流すと、相手の後方に抜けていた。

相手が呻き声を上げて、膝をつく。


 審判が旗を上げる。

「勝者、アンジェラ クロード!」

 観戦していた学生達から歓声が上がる。


 アンジェラが礼をして退場して行く。

エリーの所に来て「エリーさん明日、よろしくお願いしますわ」

 アンジェラは若干微笑んでいるが、ブルーの瞳は笑っていない。


 エリーは(アンジェラ様、何で・・・・・・、私、アンジェラ様に何かしました?)

エリーは少し引き攣った笑顔で言う。

「アンジェラ様、試合楽しみにしております」


アンジェラは軽く頷くと、エリーから目をそらし、去って行った。



最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!

 これからも、どうぞよろしくお願いします。

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