第6話 アンジェラとの出会い
エリーブラウン11才のお話。
士官幼年学科剣技大会初日
剣技場では、4ブロックに仕切られ、それぞれ、試合が行われていた。
午前中、エリーは各試合を観戦していたが、至る所で熱い視線を浴びる事に些か戸惑っていた。
(みんな、私の方見て、なんか、嫌だわ、試合に集中しなさいよ)
エリーは気付いていなかった。
そう、エリーは目立っていたのである、
紫色の艶のあるツインテールの髪、朱色の大きな瞳、整った顔立ちで美少女オーラを周りに振り撒いていた。
そして、その美少女が、エリーブラウンだと判ると、更に多くの視線を浴びる事になるのだった。幼年学科学生の中では幼く見える。
エリー(ううう・・・・・・視線が熱い、勘弁してくださいよ)
こんな感じで午前中の試合は終わり、昼食時間となった。
エリーは、剣技場から出て、外周のベンチにちょこんと座りランチケースを取り出した。
(お母様いつもありがとう、今日はベーコン野菜サンドか美味しいそう、頂きます)
エリーがベーコン野菜サンドを カプリ モグモグしていると、目の前に少女が1人立っている。
「わたくし、アンジェラ クロードと申します、エリーブラウンさんですわね」
エリーは視線を上げてアンジュラ クロードと名乗った少女の顔を見た。
金髪のセミロング、ブルーの大きい瞳、小さくて綺麗にまとまった美しい顔立ち、スタイルも理想的体型をしている。
エリーは(うわー〜、超美少女、まぶしいわ)そして、慌てて、口の中のものを飲み込み
「あゝハイ、エリーブラウンです」
そして、エリーはベンチから立ち上がり腰を曲げ敬礼した。
「失礼しました、アンジュラ様気付かず申し訳ありません、今後共お見知り置きくださいませ」
アンジュラはエリーの顔を見ながら
「いいえ、わたくしが突然話掛けたのが悪かった様ね」
(この子が、本当に特待学生のエリーブラウンなの同姓同名の別人じゃないかしら?)
「エリーブラウンさん、ジェーン教官と修練試合したそうですね、互角だったとか」
エリーちょと考えた様な顔をして
「はい、ジェーン教官に無理矢理やらされちゃって、教官も本気ではなかったので何とか引き分けられたと思います」
アンジェラは、微笑むエリーを見ながら
「いくら、ジェーン教官が本気で無かったとしても、並みの剣士では、10分間も打ち合いは出来ないと思いますわね」
(この子まったく、強者のオーラが無いけど、て言うより、可愛い妹て感じなんだけど?)
「エリーさん、もう少しお話し宜しいかしら」
「はい、構いませんが・・・・・・」
アンジェラは、エリーの瞳を見つめて
「ベンチに座ってください」
「それと、お食事も摂りながらで結構なので、わたくしは昼食は摂っていますので、気になさらず」
そう言ってアンジェラはベンチに座った。エリーもそれを見て、隣に座る。
「アンジェラ様、、失礼します、食事の続きを」
エリーは食べかけのベーコン野菜サンドを口に運ぶ。(カプリ、モグモグ〉
アンジェラはエリーの美味しいそうに食べる仕草を見ながら微笑む。
「エリーさん、美味しいそうに食事されますね」
「そうなんです、お母様のベーコン野菜サンド本当に美味しんですもの」
エリーは満面の笑みで応える。アンジェラがびっくりした様な顔して言う。
「まあ、お母様がお作りに!」
エリーはニコニコしながら言う。
「ハイ、うちには料理人もいますが、お弁当は私が作るって、お母様頑張って作ってくれるんです」
アンジェラは幸せそうに話すエリーを見て言う。
「そうなんですね、優しいお母様なのですね」
「はい、お母様は優しくて、賢くて、私に色んな事を教えてくれます、最高のお母様です」
アンジェラは思った。
(エリーさんやっぱり思ってたイメージと違うわ、なんかふわっとした雰囲気、心地よいのだけど・・・・・・)
エリーは1個目のベーコン野菜サンドを食べ終え2個目をとりだし、パクリ モグモグと食べている。
(アンジェラ様、私の顔ずっと見つめているけどベーコン野菜サンド欲しいのかしら?)
アンジェラはエリーの顔見ながら微笑んでいた。
(エリーさん、本当幸せそうね)
エリーは、アンジェラのブルーの瞳を見つめて言う。
「アンジェラ様、もしよかったら、お一つどうですか?」
エリーはランチケースの3個目のベーコン野菜サンドを指差した。
(わたくし、物欲しそうにしていたのかしら、せっかくだからね、頂くわ)
「宜しのかしら」
「はい、どうぞ召し上がりください」
アンジェラは遠慮気味に3個目のベーコン野菜サンドに手をでして、エリーに軽く会釈した。
「それでは、遠慮なく頂きますわ」
アンジェラはベーコン野菜サンドを口に運び小口でカプカプ、モグモグ、もう一口、更にもう一口、モグモグ美味しそうに食べた。
「エリーさん、これ美味しいですわ」
アンジェラは、エリーの顔を見て赤みを帯び(エリーさんとお友達のなりたいわ)
「この様な食事を毎日食べれるなんて、エリーさん幸せですわね」
アンジェラのウルとしたブルーの瞳を見ながらエリーは
「そうなんです、とても幸せなんです」
エリーは微笑み、目をキラキラさせながら言うのであった。
アンジェラとエリーはしばらく、家族のこととか話しながら親睦を深めた。
そして、昼食時間は終わりを迎える。
「エリーさん試合、頑張ってね」
「はい、アンジェラ様も、お互い頑張りましょう」
アンジェラはベンチから立ち上がり、右手で小さく手を振り、向きを変え剣技場へと去っていった。
(エリーていい子だわ、素直で妹みたいに凄く可愛い、良いお友達が出来たわ)
アンジェラの中ではエリーはお友達認定されていた。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!
もしも少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。