第32話 エリーはお父様と話す
エリーブラウン11才のお話。
エリーは派閥について話す。
エリーはジェーンとの修練を終えて幼年学科校門前にジェーンと共に立っていた。
「エリー様! お迎えに上がりました」
ユーリがエリーに駆け寄って来る。ユーリのジェーンを見つめる目は相変わらず冷たい。ジェーンはそれを見て嫌な顔をする。
「ユーリさん、嫌な感じがするのだが・・・・・・」
ユーリは冷たい表情で言う。
「エリー様の教官にそのようなことは思ってもおりません」
ジェーンにユーリは一礼するとエリーの横について微笑みエリーを見て言う。
「エリー様、それでは帰りましょう」
ジェーンは手を挙げてユーリを見て言う。「ユーリさん、エリーをよろしくな」
ユーリは表情を変えてジェーンに一礼した。「はい、それで修練は捗っていますか? エリー様に迷惑をお掛けしてはダメす。あなた様はエリー様の専任教官なのですから」
ジェーンは少しムッとした顔をしてユーリを見てから言う。
「あゝ、不甲斐ないと思っていますよ。だが、ユーリさんはっきりと言うものですね」
ユーリは微笑みジェーンに一礼する。
「ジェーン様、せめて私には勝って下さい」
ジェーンはそれを聞いて目を大きく開いてユーリを見る。
「ええ、頑張ります・・・・・・」
そしてエリーとユーリは停車場へと向かった。
エリーは馬車に乗り込みユーリに言う。
「ジェーン教官に厳しいですね。もう少し優しくしても良いのでは」
ユーリは微笑みエリーを見る。
「エリー様、ジェーン様は緩いのです。所詮は貴族のお嬢様なのです。忖度や配慮された環境ではダメなのです。ですから厳しくワザと接しているのです」
それを聞いてエリーはユーリに言う。
「ユーリさん、ありがとう。ジェーン教官のこと心配してくれて」
(ユーリさん、ジェーン教官を嫌っているのかと思ったけど、ちゃんとジェーン教官のこと考えてくれているんだ。嬉しいな)
ユーリは嬉しそうに言う。
「エリー様、当然のことです」
そうしてエリー達の馬車はブラウン商会へと帰って行く。校門前でそれを寂しそうにジェーンは見ていた。
(ユーリさん、私への当たりが強いな。しかし不甲斐ない2戦2敗、全く勝負にならなかった。国家特級剣技士などただのお飾りだと教えてくれた。ほんとエリーの周りには真の強者が集まっている。だが、ユーリさんに勝てるのかどうか! まだまだ修練が足りん! 弱気にならず頑張ろう)
ジェーンはひとり頷き校門内へと引き返して行った。
エリー達の馬車は30分ほどして、いつのようにブラウン商会の前に着いた。
そしていつものように父ジョンが飛び出して来て出迎えてくれた。
「エリー! お帰り!」
ジョンが嬉しそうに声を上げた。
「お父様、無事に帰って参りました」
エリーがそれに答え笑顔を浮かべ頭を下げた。そしてユーリはジョンに一礼すると離れて行く。
エリーとジョンは顔見合わせ微笑み、母屋へと歩き出した。
「お父様、今日厄介ごとが有りまして、少し気が滅入っております」
ジョンはエリーのほうを見て目を細めて言う。
「そんな報告は受けていないが?」
「ええ、そんな大したことではないのですが。軍閥派と貴族派の派閥加入です。面倒だと思いまして」
エリーは隣りのジョンを見上げて少し嫌な顔をした。
「あゝ、その派閥の事は知っている。エリーにも関係して来るとは。だが害は無いと思う。昔ほど険悪では無い筈だが?」
ジョンは微笑みエリーを見て言った。
「私の承諾もなく、勝手に貴族派の長にさせれたのですよ。それが問題です」
エリーは少し怒ったように言った。
「アンジェラ様も大概なお方だなあ。エリーに了承もなく」
ジョンが笑いながら言った。そしてジョンはエリーを見て言う。
「人の上に立つそれはエリーに課せれた運命のようなものです。逃れることは出来ません」
エリーはしばらく考えてジョンに言う。
「ならば、面白いことを考えました」
エリーは微笑みジョンを見上げる。
「エリーがやりたいようにやれば良いです」
ジョンはエリーを見て微笑み言った。そして2人は母屋へと嬉しそうに歩いて行く。
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