第31話 ルージからの接触
エリーブラウン11才のお話
エリーは授業が終わり、ジェーンと剣技修練するため第一教棟から修練場へと移動していた。エリーの前に突然3人の女子学生が現れ行く手を塞いだ。
「特待学生のエリーブラウン様ですよね」
赤髪のセミロング、グリーンの瞳の女子学生がエリーに少し緊張した様子で言った。エリーは3人を見上げて微笑み言う。
「はい、エリーブラウンです。なんの御用でしょうか? いまからジェーン教官と修練があるのですが」
「申し訳ありません、私は3学年2組のルージ・コーラスと申します。エリー様、今後ともよろしくお願致します」
そう言ってルージは一礼するとエリーの顔を見て言う。
「エリー様、なぜ貴族派閥に入られたのですか? エリー様は貴族系ではないはずなのに、私達は剣技大会で貴族派閥の者たちを打ち倒して優勝したエリー様に期待したのに・・・・・・、それがなぜ貴族派閥に入られたのですか。理由をお聞かせください」
エリーは少し嫌な顔で言う。
「申し訳ありません。私は確かに貴族派閥に属しているようです。ですがそれは私の意志ではありません。アンジェラ様やルシア様に進められたのです。それに派閥など私には関心が有りませんので、どうかご容赦ください」
女子学生3人は顔を見合わせてからエリーを見て微笑み言う。
「では、私達の派閥に移って頂く事も可能と言う事ですね」
エリーはルージを見上げて言う。
「申し訳ありません。急ぎますので、お話しはここまでで、ご容赦ください」
エリーは3人の女子学生を避けて歩き出す。3人はエリーが横を通るのを見送り声を掛けた。
「エリー様、また明日にでもお話し致しましょう。失礼致しました」
エリーは歩きながら考えた。
(あゝ、面倒臭いことになった気がします。派閥か・・・・・・、アンジェラ様、厄介ごと要らないんだけど)
エリーは修練場へ着くと修練着に着替えて場内へ入った。
「エリー! なんか機嫌悪い顔してるな、今日は帰るか?」先に来ていたジェーンが声を掛けてきた。
「いいえ、やりますよ」
ジェーンがエリーの肩を掴み顔を覗きこむ。
「お前、なんだなんかあったら報告するって約束だろ。小さい事でも言ってくれ。まあ、どうしても言いたく無ければ良いが・・・・・・」
エリーはジェーンの顔を横目で見て言う。
「学科内の派閥ですよ。面倒臭いことに貴族系派閥に入ったことになちゃってですね。軍閥系の女子に文句言われたのですよ」
ジェーンは少し考えて言う。
「あゝ、派閥か、士官学校が一般に開放されて30年ほどだがその時からだな。まあ最初は士官は貴族系しかいなかった、平民出身の士官は下に扱われたり、激戦区に放り込まれたり酷い扱いを受けたと聞いている。だが今はそんな扱いは無いが、まあ繋がりだな。卒業後もその系統派閥があるからな」
エリーはジェーンの手を押し離して言う。
「なぜですか? 派閥なんていらないのに、面倒臭いです」
ジェーンは笑って言う。
「お前みたいに何もかも思い通りになる奴にはわからんな。弱い者は庇護を求める。そう言うことだ」
「私が思い通りに・・・・・・、そんな風にジェーン教官は思っているのですか・・・・・・」
エリーはジェーンを潤んだ瞳で見つめる。そしてジェーンは笑って誤魔化すように言った。
「まあ、強者は強者の務めがあるからしょうがない諦めろ」
「そうだな、派閥とは言っても形式的な感じだ。そう気にするな」
そう言ってジェーンはエリーの肩を軽く叩いた。
「では、気持ちを切り替えて修練致しましょう!」
エリーがジェーンに向かって声を上げた。
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