第27話 ジェーン強化修練2
エリーブラウン11才のお話し。
ここはブラウン商会敷地内の訓練場。
エリーの催したジェーンのための剣技修練を行っている。
ジェーンとユーリの試合は呆気なく勝負がついた。
「ジェーン教官なに突っ立ているのですか?」エリーがジェーンに近寄って話し掛ける。
「いや・・・・・・、強者は何処にいるかわからないと驚いただけだ」
ジェーンはベンチ座って汗を拭いているユーリを見つめて言った。
「そうですよね。ユーリさん強いですよね。優しいし綺麗だし強い! 私には勿体無い人ですよ」
エリーが嬉しいそうにジェーンに言った。
「私には優しく無いがな」ジェーンが少し嫌そうな顔で言った。
「それは、私がジェーン教官には容赦なくお願いしますて、ユーリさんにはお願いしてますからね
「なな・・・・・・、お前余計な」
ジェーンは目を見開いてエリーを見ている。
「では、アンジェラ様! トッドさんお願いします」エリーが二人に声を掛ける。
エリーは審判旗をアンジェラから受け取り言う。
「審判は私が行います」
エリーが嬉しそうにトッドとアンジェラを見つめて言う。
「両者、準備良いか!」
アンジェラとトッドが開始位置立って礼をする。エリーはそれを見て審判旗を振り下ろす。
「試合始め!」
アンジェラが斜め中段から素早くトッドに詰めて斬撃を放つ。トッドは難なく足を引き上体を逸らして交わした。
(さすが! エリーさんの師匠ですわ。ならこれなら)
アンジェラは全身に魔力を通して身体強化を瞬時に上げた。そしてトッドの間合いに飛びこむ。トッドはすぐさま左下方からの斬撃を放ちアンジェラを牽制した。アンジェラはたまらず退いた。
トッドがアンジェラに微笑み言う。
「アンジェラ様、魔力をもっと丁寧に練って流して下さい。まだまだ扱いが雑です。心を静かにして丁寧にイメージして下さい」
アンジェラはトッドを見据えて右上段に構える。
「トッドさん! アドバイスありがとうございます」
アンジェラは魔力量を全身に意識して通す。トッドは目を細めてアンジェラを見て言う。
「先程よりマシにはなりましたが、もう少し優しく丁寧に流すイメージです」
トッドは右斜上段に構えて体を沈める。
そして次の瞬間猛烈な速度で、アンジェラの前に飛び出す。そして上段からアンジェラの肩目掛けて斬撃を放った。アンジェラは右に上体を引き木剣を振り上げトッドの木剣の剣先に当て弾こうとした。
〈バーーキーーッ〉 アンジェラの木剣の刃先が砕け散る。アンジェラは直ぐ上体を引き左足を前に蹴り出し後方へジャンプして間合いをとった。
エリーがそれを見て声を上げる。
「両者待て!」
「アンジェラ様、木剣の交換をお願いします」
「はい、わかりました」
アンジェラは慌てたように直ぐに場外に出て予備の木剣を袋か出して交換した。
トッドがアンジェラに声を掛ける。
「アンジェラ様、何を焦っているのですか? 剣の払い流し方タイミング角度が悪かったので剣が破断したのです。キチンと見極めて下さい。魔力を通せば良いものでは有りませよ」
アンジェラはトッドに頭を下げて言う。
「トッドさんありがとうございます! とても練習になります。さすがエリーさんの師匠様です。私などでは到底まだまだ及ばない事が直ぐにわかりました」
トッドは右斜上段に木剣を構えて言う。
「今回は短期間でいかにレベルを上げるかを目的にしております。本来は己で気付き身につけて行かなければなりませんが、それでは、間に合いませんので指摘しております。アンジェラ様は天性のものをお持ちのようですが、それではダメです。剣に真摯に向き合い静かに感じて剣を振るう事が肝心です」
そう言ってトッドは目をを閉じて魔力量を上げ全身に通した。今までと感じられなかった魔力覇気が周囲に拡散する。
アンジェラは全身にそれを感じて木剣を構えたまま動けなくなった。
(トッドさん・・・・・・、やはりわたくしなどとは格が違いすぎる! ここは素直に教えを乞おう)
アンジェラは心を落ち着け、静かに丁寧に魔力を通してトッドを視感する。
そしてアンジェラは全身の動きを感じ動けるようになった。
「そうです。そのような感覚です。アンジェラ様は、やはり剣士の素質を大いに持っておられる」
トッドが声を上げた。
(確かに何か、体の感覚が繊細に感じられるようになりましたわ。今までが大雑把だったと言う事ですわね。トッドさんに感謝致しますわ)
アンジェラは少し嬉しいそうな顔をして木剣を右斜下段に構える。そして体を前に沈めて右足を後方に蹴り出すとトッド目掛けて飛翔した。そして左斜めに猛烈な斬撃を放つ。トッドはその斬撃に、木剣を魔力量を上げて斬撃軌道に剣先を入れる。
アンジェラは瞬時に、魔力量を上げ斬撃の威力を増した。トッドが微笑み木剣をアンジェラの木剣の刃先沿わせて外へ流した。
アンジェラはすかさず体を捻り木剣を引くとトッドの胸部目掛けて鋭い突きを放つ。
トッドは上体を後方に倒し木剣を振り上げアンジェラの木剣を弾き上げた。アンジェラは木剣と一緒に体が流されて上体が崩れると、そこにトッドの素早い切り返しの斬撃が胴体に入ってくる。
〈どーーん、ばーーっき〉
アンジェラが気づいた時には後ろに倒れていた。
(最後の斬撃見えなかった。それに当たったのに痛みがないですわ?)
アンジェラは少し考えてからゆっくり立ち上がりトッドを見て言った。
「わたくしには驚く事ばかりです。トッドさんはとんでもないお方ですわね」
トッドはアンジェラに微笑み言う。
「アンジェラ様には、少し強引でうかつなところがあります。相手を観察して慎重に剣を振るえば、私とて苦戦を強いられるでしょう」
アンジェラは嬉しいそうに声を上げる。
「トッド様! 参りました! わたくしの足りないものがよく分かりましたわ。ありがとうございました!」
そしてアンジェラは深く頭を下げた。
エリーはそれを見て声を上げた。
「勝者! トッドウォール!」
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