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第26話 ジェーン強化修練1

エリーブラウン11才のお話し。

 

 ここはブラウン商会敷地内の訓練場。

ブラウン商会敷地は、周囲を3m程の塀で囲まれ内部に、10階建ての事務所、倉庫群、商品工作梱包施設、研究実験施設、私兵待機宿泊施設、訓練施設、ブラウン家母屋がある、ざっと周囲500m程の広さの土地にある。

 

 エリーは学科長の指示によりジェーンと修練を毎日続けていた。そして今日は一日通し修練を行う日だ。

 

 エリーは修練着を着ってブラウン商会の訓練場ベンチに座って空を見上げていた。


「トッドさん今日は、良い天気ですね。今日の修練、宜しくお願いします」


 ドッドは、機嫌良さそうにエリーを見て右手を挙げる。エリー付き護衛の一人トッド=ウオール、ブラウン商会最強の男、元国軍兵士だ。


 そして、ちょっと離れた場所でストレッチをしている、茶髪でポニーテールの修練着の女性、細身だが引き締まった体は修練着の上からでもわかる。もう一人のエリー付き護衛であるユーリ=ローガン、幼年学科校舎内以外は常にエリーに付き添っている。


 今日は、幼年学科は休日でお休み、エリーはジェーン教官修練のために、ブラウン商会での一日剣技修練を催したのである。因みに、拗ねたら困るので、アンジェラも呼んでいる。


「ジェーン教官もう来ますかね」

 エリーがブラウン商会の正門の方向を見ると、お父様ジョンと歩いてくる赤髪の女性。右手にちょっと大きめのバックを持ち、薄ピンク色のワンピース、スカートはちょっとロング丈で遠目からでも美人だとわかる。

「お母様の知り合いかしら?」

 エリーが女性を暫く見ていると女性はドンドン近寄ってくる。


「えーーっ! もしかしてジェーン教官?」

 エリーが声を上げる。


 訓練場まで来るとジョンお父様はエリーに手を挙げ、その女性に頭を下げて事務所の方へ去って行った。


 そして、その女性は一気にエリーの方へ駆け寄って来た。エリーは自分に駆け寄って来る女性は見ながら、(ジェーン教官てこんなに美人だったんだ。普段があんなだから気づかなかった・・・・・・)


「エリー、今日も凄く可愛いぞ!」

ジェーンはバックを投げ捨て、いつものように、エリーの肩に手を回し髪毛を掻き回す。


 護衛の二人が唖然としている。


「ジェーン教官! 今日は凄く綺麗です。どこのお嬢様がいらっしゃたのかと思いました」エリーがいつもの様に少し機嫌悪そうに言った。

 ジェーンは少し照れた様に言う。

「いや、せっかくエリーの家に行くのに、軍服も無いかなと思って私服にしたんだ」


 訓練場の入口から声がする。

「エリーさん! 今日はよろしくお願いしますわ」アンジェラが来た様だ。


 アンジェラは修練着姿でジェーンに近寄る。「わたくし、アンジェラ=クロードと申します。今後とも宜しくお願い致しますわ」


 そう言って頭下げてジェーンの顔を見る。そして、アンジェラが戸惑った顔になって、「申し訳ありません! ジェーン教官ですか・・・・・・!」


「あゝ、ジェーンだ! そんなに気付かないのか?」

 ジェーンが少し顔を赤らめた。


 アンジェラはジェーンを見て微笑む。

「はい、驚くほどに、わたくしが男性ならば直ぐにでも求婚致しますわ」

 ジェーンは完全に赤面状態になり両手を顔を覆った。


「エリー、修練着に着替える! 更衣室はどこだ!」ジェーンは誤魔化す様に大きめの声で言う。


「はい、こちらです」エリーはすかさず、ジェーンを更衣室へ連れていた。


 訓練場に残ったのは、アンジェラとトッド、ユーリの三人。


 アンジェラが二人の顔を見て、軽く会釈する。

「わたくし、アンジェラ=クロードと申します。今後とも宜しくお願い致しますわ」


 すると、トッドが自己紹介する。

「ご丁寧にありがとうございます。トッド =ウォールと申します。エリー様付き護衛を致しております」

 そして頭を下げた。アンジェラが少し緊張した顔になって言う。

「エリーさんからお噂は伺っておりますわ。本日は宜しくお願い致しますわ」


 今度は、ユーリが頭を下げる。

「ユーリ=ローガンと申します。エリー様の護衛をしております」

 アンジェラが、ユーリを見て微笑む。

「本日は宜しくお願い致しますわ」

アンジェラは(ユーリさん、なんか怖い感じの雰囲気が漂ってますわね。只者では無い様ですわ)


 ジェーンが着替えを終わって訓練場に出てきた。エリーも後ろやって来る。

「それでは、防具を着用して始めましょうか」

エリーが嬉しいそうに言う。


「まずは、ジェーン教官とユーリさんでお願いします」


 ユーリが直ぐに頭を下げる。

「ジェーン様! ユーリ=ローガンと申します。宜しくお願いします」


 ジェーンは少し強張った表情になる。

「ジェーン=ジョージアです。宜しくお願いします!」

ジェーンは思う。(このユーリと言う女! 只者では無い。強者のオーラを隠そうともせず、私を威嚇しているのか?)


「審判はアンジェラ様にお願いします」

 エリーがアンジェラに審判旗を渡す。


「ルールは通常の剣技試合通りでお願いします」

 エリーが嬉しいそうに言う。


 訓練場には2面の白線試合ブロックがある。右手のブロックで試合を行う。


 試合開始ラインにジェーン、ユーリが対峙してお互いに一礼をする。

 アンジェラが二人に確認する。

「準備良いか!」お互いが頷く。


 それを見てアンジェラが旗を振り下ろす。

「試合始め!」


 ユーリが木剣を右斜中段に構えると、左方向に飛び出し斬撃を放ちながらジェーンの前に飛び込んで来た。

 ジェーンは右足を引いて木剣を左斜めに返し全力で掬い上げる。

 ユーリは瞬時に木剣の当たりを確認するとジョージアの木剣の刃先の上を滑らせ突きに転ずる。ジェーンは上体を捻り突きを辛うじて交わした。

 ジェーンは直ぐさま上段から鋭い斬撃を打込みユーリを牽制後退させた。


 ジェーンはユーリを見据えて、苦笑いしている。(この女、かなりヤバい。剣士と言うより格闘術? いや暗殺術・・・・・・)


 ユーリがジェーンを見て微笑んでいる。だが、見つめるグリーンの瞳は恐ろしく冷たく感じる。

 

 ジェーンは、右下段後方に構えユーリを視感しながら動きを見る。(このユーリとか言う女、かなりの修羅場を潜って来た感じだ。気を緩めたら多分一撃でヤラレルだろうな。しかし、エリーもとんでも無いが、護衛までこの技量か!)


 ユーリは木剣を上段左斜めに構え。足を左、右に交互に振りながらジェーンの様子を見る。(特級剣技士か!? 身体のキレはまずまずだが、私の全力の一撃に対応出来るか? 試して見るか)


 ユーリは上体を右に振り身体を沈める。

そして、前に飛翔しジェーンの右脇腹への渾身の斬撃を打ち込む。ジェーンは身体を左に逸らし、木剣を右方向に振り出した。 〈バンーーン キシイーー〉木剣の擦れる音。

 ユーリは木剣を滑らせて、又刃先の角度、軌道を変えて突きに転じさせた。ユーリは突きに合わせて更に上体を押し込む。


〈キュシューーバーーン〉

ジェーンの胴の防具にユーリの木剣の剣先が当たりジェーンが後ろに弾かれた。


「そこまで! 勝者、ユーリ=ローガン!」

 アンジェラが旗を上げる。


 ジェーンはその場で、礼をしてユーリに近寄る。

「あのような突きは見たことが無い! 切り返しも全く対応出来なかった」

ジェーンが言うとユーリが微笑んでジョージアの顔を見る。ユーリのグリーンの瞳は相変わらず冷たい感じだ。


「私は、ただ全力で仕留めに行っただけです。ジェーン様は残念ながら今のままでは、私の敵でありません。剣に鋭さも身体にキレもありません。ただ漠然と剣を振っているだけの様に私は感じました。国家特級剣技士などと言う重りは要らぬのでは無いですか! もっと自由に身軽に剣を振るうべきだと考えますが」


 ジェーンは視線を落として言う。

「ユーリさんは、はっきり言うのだな、私が感じている事を! 判っているのだがなぁ・・・・・・」


 ユーリはジェーンの肩に軽く手を乗せて言う。

「己に真摯に向き合えば見えて来るかもしれませんね。まあ、私如きがジェーン様に言える事ではありませんが」


 ジェーンは頷いてユーリのグリーンの瞳を見つめる。

「ユーリさん一言良いか、その物を見つめる様な目・・・・・・何とかならんか」


 その言葉にユーリは少し眉を上げてジェーンの耳元に口を近づけ呟く。

「貴女が羨ましいんですよ。エリー様にとても慕われている。たぶん、嫉妬だと思います」ジェーンは少し呆気に取られた顔になる。そして、ユーリはジェーンから少し離れ礼をするとベンチの方へ去っていった。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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